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2023年11月29日 12時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/292781?rct=tokuhou
大規模な再開発が進むハッピーロード大山商店街(東京都板橋区)で26日、再開発に伴いシンボルの巨大アーケードが一部取り壊されることなどに反対するデモが行われた。立ち退きに反対する地場スーパーの老経営者も先陣を切って行進。「アーケードを壊すな」「住民の声を聞かない強制立ち退きに反対」などと訴えながら、住民や買い物客ら約220人が商店街を練り歩いた。(岸本拓也)
◆行進の先頭に地場スーパーの84歳社長
商店街の店主らでつくる「大山問題を考える会」が主催した。再開発に伴い立ち退きを求められている地場スーパー「コモディイイダ」の飯田武男社長(84)も参加してデモ行進の先頭を歩いた。
大山では現在、計4棟のタワマン建設などを含めた大規模な再開発が進んでいる。商店街の中心部を分断する東京都の都市計画道路「補助第26号線」の整備計画もあり、全長約560メートルの商店街のアーケードは、来年4月以降に中央部分の180メートルほどを順次取り壊す流れとなっている。
ただ、26号線の用地取得はまだ半分程度で、都の想定通りに25年度中に整備が終わる見込みは立っていない。守る会は「道路ができる見通しがないのに、先行してアーケードを壊す必要があるのか」と反対運動をしている。
◆12月末までの立ち退きを求められているが…
商店街西側に店舗を構えるコモディイイダはタワマン再開発に伴い、今年12月末までに立ち退きを求められている。イイダ側は唐突な立ち退き要求に納得がいかないとして反対を表明している。
飯田社長はこの日、「再開発先の都有地は、もともと(再開発で立ち退く)店舗の代替地にすると言っていたのに、いつの間にかタワマン計画になっていた。都民の財産を一部の地権者と大手デベロッパーの金もうけの材料に使うことは許されない」とあらためて反対の姿勢を強調。「東京で指折りのアーケードがなくなることにも反対だ。店舗の立ち退き訴訟を起こされようと、最高裁まで徹底的に戦う」と語気を強めた。
日ごろから大山商店街で買い物をする同区中板橋の無職田中正行さん(83)も「再開発反対!」のはちまきを巻いてデモに加わった。「アーケードがあるから雨の日の買い物にも便利。途中でなくなったら生活に困る」と訴えた。
◆計画に声が反映されず地域住民に不信感
地元で反対が噴出する根っこには、一連の再開発が一部地権者やデベロッパー主導で進み、地域住民らの声がほとんど反映されなかったという不信感がある。
再開発予定地で和菓子屋を営む栗原登喜雄さん(71)は「お客さんからは『なんで今更デモをするの』という質問が多い。しかし、事前にほとんど説明もなくタワマン建設が決定してしまっていた。訳が分からないまま、地元のための再開発とは全然違う方向に進んでいる。声を発することが重要だ」と話した。
考える会の石田栄二代表(60)は「大山商店街内でのデモ行進は極めて珍しく、貴重な歴史が刻まれた。地域の声を聞かない乱開発に反対の声を届けられた」と手応えを話した。
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