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各国の中央銀行関係者が集合 その焦点は?/櫻井玲子・nhk
2023年08月24日 (木)
櫻井 玲子 解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/486958.html
アメリカ有数の避暑地ジャクソンホールに各国の中央銀行関係者や専門家が集う、年に一度の経済シンポジウムが24日から開かれます。その焦点について、櫻井解説委員です。
Q1 各国からの参加者が、避暑地からの壮大な山の眺めを楽しみながら会議に臨もうとしていますね。
A1 はい、会場となるホテルのテラスに一歩踏み出すと、グランドティートン国立公園の大自然が広がり、参加者がリラックスした雰囲気の中で、世界経済について忌憚なく、意見を交わす場となっています。日銀やヨーロッパの中央銀行の首脳も招かれるこの会合で、何が話し合われることになるのか?まず注目されているのが、アメリカの中央銀行にあたるFRBのパウエル議長による基調講演です。
Q2 具体的にはどんな点が注目されているのでしょうか?
A2 今も続く物価高に対応するために、利上げを今後も続けるのか。それとも、景気を冷やしすぎるリスクも考えて、利上げをここで打ち止めにするのか。今一つ方向感が見えにくいアメリカの今後の金融政策ですが、議長がヒントを出せば、ドル円相場が大きく動くことも予想されます。
またことしのテーマである「世界経済の構造的な変化」に関する議論も、大きな焦点です。というのも、最近エコノミストの方たちと話をすると、「景気予測が以前にくらべてたてにくくなって、困っている」と、みなさんおっしゃるんですね。
Q3 景気の先行きが読めない、ということですか。
A3 そうなんです。たとえばアメリカは、この1年で5%も政策金利を上げ、FRBはことし後半には景気が後退すると予想していたのに、実際には想定以上に景気がよい。
逆に中国は予想以上に景気が失速してデフレ懸念が高まり、その悪影響が心配されています。先行きが読みにくい背景には、各国の財政政策や労働力不足の問題、ロシアのウクライナ侵攻や米中対立の影響によって変わったカネやモノの流れといった、構造的な変化が根底にあるのではともいわれています。
会合初参加の日銀の植田総裁が、元・経済学者というバックグラウンドをもとに、どのような見解を示すかにも関心が集まりそうです。
参加者の活発な議論を通じて、世界経済を再び安定成長の軌道に戻す手がかりが見つかるか、注目されます。
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