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堤未果著『堤未果のショック・ドクトリン』(NHK読むらじる。)
http://www.asyura2.com/23/cult48/msg/771.html
投稿者 イワツバメ 日時 2024 年 1 月 03 日 09:39:23: HgyWN4ntPT..o g0ODj4Njg2@DgQ
 

阿修羅ではみな知ってると思いますが、ショックドクトリンについて載せておきます。
(偉そうなこと言ってますが、最近まで私も知りませんでした。)
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『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』は、「ショック・ドクトリン」、惨事便乗型資本主義の構造を解説し、これに飲み込まれないための処方箋を提案する啓発書です。著者の堤未果(つつみ・みか)さんにお話をうかがいます。(聞き手・畠山智之キャスター)

【出演者】
堤:堤未果さん

火事場泥棒的な政策手法

――まず、作品のタイトルにある「ショック・ドクトリン」について解説をお願いします。

堤:
「ショック・ドクトリン」というのは、カナダのジャーナリストのナオミ・クラインさんによる造語ですけれども、まず「ショック」は、例えばテロとか戦争、パンデミック、大きな自然災害や金融危機など、非常にショッキングな出来事、事件のことですね。「ドクトリン」というのは、政策です。非常に衝撃的な事件が起きたときに、私たちは恐怖と不安で思考停止になるんです。そして私たちが思考停止になっているあいだに、通常だったら、反対が多かったり憲法違反だったりいろいろな問題があってなかなか通らないような法律を、どさくさ紛れに一気にねじこんでしまう。最終的には、政府や関連企業が利益を得て、一部の人だけがものすごくもうけて国民が苦しむような、そういうパターンが歴史の中で繰り返されてきている。つまり、1つの「手法」なんです。火事場泥棒的、手法。

――それを、「ショック・ドクトリン」というわけですね。

堤:
はい、おっしゃるとおりです。

――過去の例で言いますと、具体的にどんなことが起きていますか。

堤:
例えば、2005年にアメリカでハリケーン・カトリーナという大きな自然災害が起こりました。あのときも、例えば学校は、流されてしまったのだから、公立の学校を復興するのではなくて民間企業が経営する教育ビジネスを入れてしまおうと、そういうビジネスの草刈り場にしてしまった。それによって公立の学校はものすごく数が減って、貧しい子どもたちは行き場がなくなってしまったわけです。ショック・ドクトリンの特徴として、民主主義が機能停止しているあいだに強引にやってしまう。公立の学校はコストばっかりかかるからなくしてしまいましょう、民間が経営するビジネス的な学校をどんどん入れてしまいましょうということを、やってしまったわけです。
 

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コメント
1. イワツバメ[1133] g0ODj4Njg2@DgQ 2024年1月03日 09:40:42 : VjnmPtGb4U : RHFyaENYUU9LQmM=[437] 報告
<■62行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
9・11同時多発テロ事件の場合

――堤さんはこの本を、2001年のアメリカ同時多発テロ事件で始めています。この事件ではどんな形でショック・ドクトリンの魔の手が伸びて、これを境にアメリカはどのように変わったのでしょうか。

堤:

アメリカは本当にこれで180度変わってしまったといわれています。「テロとの戦争」ということが、ドクトリンになりました。だから無制限に軍事予算が通るようになってしまった。その分、社会保障はカットされていきました。それから、当局による監視とか言論統制ですね。そういうものが合法化されてしまった。さらに、ショックでいるあいだに民営化が進められました。つまり、治安を守るよという名目で、全部予算を民間に流したんです。全部民間企業に発注していって、それで公共サービスがカットされる結果になってしまった。そういった非常にラディカルな変化がありました。

――企業側の対応はどうだったんでしょうか。

堤:

9・11というショックによって一番得をした業界の1つが、GAFAでした。

――グーグル、アップル、フェイスブック(現メタ)、アマゾンですね。

堤:

ビッグテック、巨大デジタル企業です。彼らは、9・11の前は、個人情報を集めて企業の販売促進のために売っていたんですが非常に不評でした。なぜなら、「自分たちの個人情報を勝手に取るというのは憲法違反だろう」とかブーイングがすごくて、あまり動きが取れなかった。ところが、9・11というショックがあったおかげで、国防総省自らが、「これからはテロとの戦いがあるので、治安を守るために、みんなの個人情報を渡しなさい」と、要するにお墨付きを得たわけです。ですからそのあとは、堂々と監視もするし盗聴もするし、メールの中身や検索エンジンで検索した記録などをデジタルで1か所に集められるようになった。つまり、合法化されたわけです。ですからこれは、ものすごくバブルになりました。

――それによって、IT企業はどんどん巨大になっていったと。

堤:

はい。

――そのパートを読んで私が思ったのは、そういった急激な変化に対して、アメリカ国民自身も「そうだ、そうだ」という声になった、ここが怖いなと思ったんですよね。

堤:

それが、ショック・ドクトリンの本当に怖いところです。あのとき、非常にわかりやすい恐怖というのがあったんです、「テロリスト」という。私たちは、恐怖に支配されると思考停止をして、強いことを言うリーダーに信頼を寄せてしまったり、「ちゃんと国会で議論して、しっかり決めてくださいね」といつもは思っているのに、スピードを求めてしまうんです。この恐怖の状態から早く脱出したいから、早く対応してくださいと政府にもスピードを求めてしまう。そこに政府がのっかって、いつもだったら反対が起こるような政策を、スピーディに、どさくさ紛れに進めてしまうことが起こるんですね。民主主義が完全に機能しなくなるんです。
2. イワツバメ[1134] g0ODj4Njg2@DgQ 2024年1月03日 09:42:12 : VjnmPtGb4U : RHFyaENYUU9LQmM=[438] 報告
<▽45行くらい>
コロナ禍、そして今の日本でも

――そして本には、新型コロナウイルスの感染拡大の中でも、ショック・ドクトリンが発動したと書かれています。どんな状況が指摘されますか。

堤:

本当にいくつかあったんですけど、例えば教育です。感染防止のためにとにかくオンライン授業をやりなさいと、全世界で呼びかけられましたよね。でも、ショック・ドクトリンのもう1つの特徴の「選択肢が与えられない」、これが要注意なんです。実は1年ぐらいたったら、現場の先生たちが、「芝生で授業してもよかったんですよね」と。オンライン授業はいろいろデメリットがありますからね。「なぜ、それしかないと思い込んだんだろう」ということを、あのとき、あとから言われたんです。
ところが、オンライン教育、デジタル教育の業界は大もうけをした、ということがありました。結局、感染症拡大防止というショックを使って、非常に強引なことを政府がして、丁寧な議論がなされずにものすごくスピーディに法案が通ってしまったり、世界全体でそういうことが横行したんですね。

――では、日本はどうかということなんですけれども、堤さんは、コロナ禍の中で推進されたマイナンバー制度への登録がショック・ドクトリンだと指摘されています。このあたりを解説してもらえますか。

堤:

そもそもマイナンバーカードはいったいどこから出てきたのかしらということなんですけれども、住基ネットというのがありましたよね。いろいろな個人情報を一元化して、住民サービス、行政サービスを便利にするということで始まったんですけれど、これが不評で「廃止しろ」という声が結構ピークになったんです。そこで新しく「マイナンバー制度」と看板だけ替えて、それをどうやって普及させようかというときに、ちょうど新型コロナウイルスのパンデミック、ショックがありましたから、これにのっかって、どさくさ紛れにマイナンバー制度、そしてデジタル庁が発足してデジタル関連法案と、こういうものを一気に全部通して急激に始めてしまった。そしてコロナ禍では特にポイント制度、マイナポイントなどさんざん税金を使ってとにかく早くマイナンバーカードを作りましょうということをやって、そして保険証と一体化していく、と。
共通番号制度はいろいろな国でやっているんですけれど、個人情報を扱う共通番号制度はかなり丁寧に設計しないと、各国でトラブルが起きているんです。本来、時間をかけなければいけないのに、コロナ禍で拙速にやってしまった。それによって、今すごく不具合が起きています。
3. イワツバメ[1135] g0ODj4Njg2@DgQ 2024年1月03日 09:43:25 : VjnmPtGb4U : RHFyaENYUU9LQmM=[439] 報告
<▽34行くらい>
違和感を大事に。結論を急がない

――災害や戦争が起きたときにショック・ドクトリンにつけこまれないようにするために、私たちはどんなことに意識を高めていけばいいのか。堤さんは、「違和感を覚えたら」ということで警鐘を鳴らしていますね。

堤:

はい。違和感というのは、言ってみれば直感なんです。例えば非常に怖い状態で、政府が「ワクチンを打ちましょう」「全部オンライン授業にしてデジタル化しましょう」と言ったときに、正しいように聞こえてもなんとなくモヤモヤする。「本当に大丈夫かな。それで100%安心かな……ちょっと不安があるな」と思ったら、それが違和感なんですね。その違和感をまず大事にする。
それから、結論を急がないことですね。とにかく私たちは、デジタル時代なので早く回答がほしいんですね。すぐほしい。でも、急ぐとろくなことがないんです。ですから立ち止まって1回深呼吸して、「本当に一番いい解決方法はどれなのか」ということで、少し速度を落とす。そうすると少し冷静になって、「政府は、ニュースはそう言っているけれど、本当にそうかな。ちょっと調べてみようかな。ちょっと友達と話してみようかな」というふうになったりするんですね。そうなってくると簡単にだまされませんから、やっぱり速度を落とすこと、違和感を大事にすること、いろんな選択肢を見てみること、それが大事かなと思います。

――『堤未果のショック・ドクトリン』の著者、堤未果さんにお話をうかがいました。堤さん、ありがとうございました。

堤:

ありがとうございました。


       転写終了

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