<▽41行くらい> (1)G77プラス中国・国際会議グローバル 会議 イメージ 同会議がキューバの呼びかけで9月中旬キューバの首都ハバナで開催された。発展途上国を中心に134カ国が参加。内116カ国の首脳や閣僚らが参加。貧困、飢餓撲滅への対応を先進国に求めた。世界ではロシア、ウクライナ戦争もあり、食料、エネルギー価格の高騰、貧困、移民の増大など地政学的な大変動の時代に突入。科学技術を活用しての、格差是正やパンデミックに際しての途上国への支援強化について、欧米など先進国に対応を求めた。 G77会議は50周年を祝い、2014年6月ボリビアのサンタクルスで開催されて以来、9年ぶりにキューバ・ハバナで開催。とくに発展途上国の貧困、飢餓撲滅への先進国の対応を求めた。16日発出された政治宣言では「不公正な国際秩序により、途上国の直面する課題は深刻で、欧米など先進国への対応」を強く求めた。この会議に参加した134カ国は実質、グローバルサウスを形成しており、今後G20をしのぐ無視できない大きな勢力を形成すると思われる。わが国としても、昨今の米中対立の先鋭化の下、岸田政権の米国一辺倒の外交政策を是正し、G77と欧米の間に立って、G77プラス中国の利害調整に尽力すべきだ。 (2)グローバルサウス 9月にインドニューデリーで開催されたG20会議でインドのモディ首相はグローバルサウスの盟主を目指し活躍した。キューバ・ハバナでのG77プラス中国会議には前述の通り、134カ国が参加。米国がグローバル化の推進役を担うのをやめた(イアン・ブレマー『ニューズウィーク』日本版9月19・26日合併号の20ページ)こともあり、今後、インド、中国、ブラジル、インドネシア、トルコ、南アフリカなどが力を発揮するものと思われる。 各国の21年の人口と貿易の最大相手国を見ると、ブラジルは約2億1,430万人で、輸出入とも20%台で中国が最大の貿易相手国だ。インドネシアは約2億7,380万人で、こちらも輸出入とも中国が最大だ。インドは約14億800万人で、輸入は中国が17%で最大、輸出は米国が18%で最大だ。南アフリカは輸出入とも中国が最大。中国は人口14億1,200万人、輸出は米国が17%、輸入は韓国が9%で最大。かつてGDPで世界一の米国に肉薄した日本の存在感は希薄で、衰退しつつあることはここでも明白となっている。 (3)ASEAN(東南アジア諸国連合) 主要経済統合体の欧州連合(EU)、北米自由貿易協定(NAFTA)、南米共同市場(MERCOSUR)と比較してもASEANの人口は、約6億7,000万人、GDPは3兆3,433億米ドル、1人あたりGDPは約5,000ドルと近年、東南アジアの発展の極になりつつある。日本からASEANへの投資(21年)は総額3兆1,082億円、シンガポール60%、ベトナム13%、タイ11%。日本からの人の移動(20年)は約100万人で、タイ(31%)、ベトナム(19%)、フィリピン(13%)だ。今後発展するASEANとの関係強化が日本の経済戦略上も強く望まれる。
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