http://takahata521.livedoor.blog/archives/20059836.html#more

失われた現金との戦い ナイジェリアの中央銀行総裁が逮捕される

グレート・リセット路線一辺倒で行動していたナイジェリア中央銀行総裁が停職処分を受け逮捕されました。どうやら、西アフリカの国のトップ・マネタリーガーディアンによる現金に対する全面戦争は、あまりうまくいかなかったようです。

IMFは、中央銀行のデジタルマネーが受け入れられていないことに失望を表明しています...

ナイジェリア中央銀行(CBN)は新しい総裁を必要としています。現金との執拗な闘いで注目されたゴドウィン・エメフィレは、西アフリカの国で最近選ばれたボラ・ティヌブアンド大統領によって、9年間の任期を終えた後、解任されました。その直後、彼はナイジェリアの秘密警察である国家安全保障局（SSS）にも身柄を拘束されました。通貨の安定性という点では特に成功したとは言えないエメフィレは、現金の猛烈な反対者とされています。

昨年12月、SSSはすでに「テロ資金調達、詐欺行為、国家安全保障の観点からの経済犯罪」で告発されているエメフィエレを逮捕しようとして失敗しています。後者は、彼の現金との戦いを指すと考えられます。実際、エメフィエレは1月と2月にすべての高額紙幣の流通を停止し、新しい近代的な紙幣への交換が不十分であることを確認する責任を負っていました。

同時に、彼の指揮下にあったCBNは、1日あたりの現金引き出し制限を実施し、甚大な経済的混乱を招きました。十分な現金に頼っている貧しい国にとって、これは大きな打撃でした。 この不幸な事態に終止符を打ち、紙幣交換の経過期間を年末まで延長できたのは、この国の最高裁判所だけでした。短い期限は人々の基本的権利を侵害する、と裁判官は言いました。

しかし、中央銀行デジタル通貨（CBDC）の「eナイラ」の導入を推し進め、「100%キャッシュレス経済」を望んだエメフィエレは、国内の現実を気にも留めませんでした。実際、ナイジェリアでは、貧困にあえぐ大勢の人々が現金に依存して生活しています。

国土の大部分では、インターネット接続はほとんど機能しておらず、ほとんどの人がスマートフォンを買う余裕がありません。現在の数字では、2億2,000万人の住民のうち、スマートフォンを所有しているのは40％未満、銀行口座すら持っていない人が半数を占めています。

しかも、それだけではありません。国際通貨基金（IMF）によると、これまでにダウンロードされたeナイラ・ウォレットのうち、使用されているのは2％にも達しておらず、グローバリストの組織はこれを「失望するほど低い」と表現しています。

新大統領のナイジェリアでは、前政権時代のように現金を廃止する「グレート・リセット」計画を進めることはなさそうです。このような施策に対する社会の抵抗はあまりにも大きく、元中央銀行総裁の失敗を見る限り、この状況はすぐには変わらないと思われます。

それ以上に、ナイジェリア社会の集中的な抵抗は、国民大衆がいかに巨大な力を発揮できるかを示す典型的な実例となっています。
現在、エメフィエレの後継者がこの点でどのように行動するかが注目されています。