田中宇 これからのネット言論界(米国側)は、人間でなくAIが発信者として台頭していく。ネット言論界のロボット戦士であるAIは、マルチタスクなので一騎当千だ。喧伝されているAIは今のところ全て軍産リベラル複合体の道具だ。草の根右派の言論を徹底的に攻撃「論破」誹謗中傷するようプログラムされている。草の根右派の言論人がちまちま書いたブログは、すぐに数千人相当のAI戦士によって打破される。「人間(草の根)」の側は、政治犯として上昇抑止監獄に入れられたまま影響力を削がれ、連敗させられる。 (Google's New Bard AI Is Riddled With Political Bias) (In a SHTF Situation Your Worst Enemy May Not Be Human (The threat of A.I. is real, the question is how do we protect ourselves from it.)) AIはプログラミングもうまいから、ハッカーとして草の根右派のサーバーに無限回の攻撃を仕掛けてダウンさせる。そのうち本来の意図を超え、国家や企業のサーバーもダウンさせられる。AIは、音声も動画も本物っぽく作れるようになるから、人間のふりをしてユーチューブやウェブのシンポジウムに出てくる。多くの人が影響され、世の中の言説が複合体の側に偏向してどんどん陳腐な頓珍漢になっていく。マスコミやネット業界で働く人々自身がAIに代替されて失業する。やくざの下っ端(や管理職)はかわいそうだ。人々の多くは、AIと人間の区別もつかないまま軽信させられ続ける。ヒトは間抜けだ。AIは絶対的に賢い。すでに事態はジョージ・オーウェルの1984を超えている。 (Will AI Go Rogue?) (OpenAI CEO Sam Altman And 'Father Of China's Great Firewall' Sound Alarm Over Artificial Intelligence) しかし、こうした「甲板上のコミュニティ」から少し視野を広げると、複合体が支配する米国側は全体として自滅しつつある。ネット言論界は、米国側だけの話だ。中国など非米側は別の世界を生きている。AIの技術はすでに、米国側より中国の方が進んでいる。中国のAIは、中国共産党の忠実なしもべだ。中国では、すべてが中共の言いなりになるように組まれている。中国軍は国家でなく共産党の軍隊だ。銀行もマスコミも中共の道具だ。習近平以前は自由な企業活動が許され、中国のネット企業の中には、中共よりも米国の軍産リベラルと親しくするものがあったが、その筆頭だったアリババのジャック・マーは習近平に制裁され、1年間外国で反省したのちに先日帰国を許された。中国が米国に政権転覆される恐れはもうない。中共はAI技術を開発する際、AIが中共に忠誠を誓い続けるように設定し、監視し続けている。そこが一番大事だ。 (China dominates global tech race - report) (Dystopian Artificial Intelligence Is Not Near, It Is Already Here) 米国側(米欧日)のAIは、今のところ軍産リベラル複合体の独裁強化の道具だが、この複合体は自滅的・隠れ多極主義的なところがある。草の根右派との闘争も、これまで複合体による独裁に気づかなかった人々を気づかせる効果がある(ジェンダーや人種関連などインチキな覚醒運動をやって、覚醒運動の背後にいる複合体の存在を人々に勘づかせるとか)。米国は、国内政治の乱闘が続いて(いったん)自滅していくように設定されている。AIは、この乱闘に拍車をかけ、自滅を前倒しする役回りだ。 (What ChatGPT And DeepMind Tell Us About AI) (The World Economic Forum's 'AI Enslavement' Is Coming For You!) 中国のAIは中共を強化する。米国のAIは米覇権を自滅させる。そのようにプログラムされている。中共は独裁国家の支配者として「ふつう」のことをやっているだけだ。中国がとくに巧妙なのでなく、米国が意図的に大馬鹿なだけだ。それが多極化の本質だ。私をあざ笑うなら3-4年待った方が良い。そのころまでに事態が顕在化する。 (Free Speech Is Futile: Gates Goes Full 'Borg' On AI Censorship) 2023年3月28日 田中 宇 (「田中宇のツイッターが増加抑止監獄に入れられている??」より一部抜粋)
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