◆習近平はウクライナには銃を向けない くり返し書いてきたが、中国とウクライナは非常に仲が良く、1991年末に旧ソ連が崩壊した瞬間から国交を結び、ソ連の武器弾薬庫となっていたウクライナの技術者を破格の厚遇で中国に迎え中国の軍事力を高めてきた。 拙著『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』で詳述したように、選挙で選ばれたヤヌコーヴィチ政権をバイデン(当時副大統領)やヌーランド(当時国務次官補)等が国際法を犯してクーデターを起こし転覆させ、親米のポロシェンコ政権を打ち立てようとしたときに、ヤヌコーヴィチ大統領は訪中して習近平に会い、「中国・ウクライナ友好協力条約」を結んで、「安全保障上の協力」まで約束している。 何よりもウクライナは「一帯一路」のヨーロッパへの出口で、中欧投資協定を諦めていない習近平としては、ウクライナと敵対する気は毛頭ない。 あくまでもアメリカが潰そうとしている対象国同士としてプーチンを経済的に支えているだけだ。 また、プーチンのウクライナ侵略がウクライナの少数民族を助けるという大義名分である以上、ウイグル族やチベット族などを抱える習近平としては、絶対に軍事的にロシア側に立つことはできないのである。 したがって習近平はウクライナには絶対に銃を向けない。 この基本を分かってないと「ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略」を理解することはできないと確信する。 遠藤誉 中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士 1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させたケ小平への復讐』、『「中国製造2025」の衝撃』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。 私もそうだと思う。
私自身、プーチンのルール無視の開戦までは、中国の同盟会で社会主義・専制主義のウクライナに好意を持ってはいなかった。 今回のロシア開戦は、コロナパンデミック偽装がバレて、世界中で訴訟の動きになったので、米ロ示し合わせてのテロ強行だろう。
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