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保守・右翼一般に共通する特性として、 •勉強しない
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投稿者 中川隆 日時 2023 年 12 月 08 日 02:37:49: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

保守・右翼一般に共通する特性として、
•勉強しない
•何度誤りを指摘されても頑として認めない
•とっくに否定された妄説を何度でも持ち出してくる
•議論の前提となる概念に「オレ様定義」を振り回すため会話が成り立たない
•無知なのにいつも上から目線
•中身が何であれ最後に言い返した方が勝ちだと思っている(いわゆる「論破」w)
•やっぱり勉強しない
といったものがある。

保守や右翼の主要な「情報源」は一貫してネット動画である。
保守や右翼の中で、『正論』『WiLL』『HANADA』の三大保守雑誌を読んでいる者は少数である。それはすでに保守や右翼の構造的性格が起因している。

 保守や右翼は既存の保守系言論人の言説を「オウム返し」のように真似るだけの存在であり、より平易に言えば、いわゆる保守系言論人のファンにすぎず、彼らを宿主にしてその言説に寄生する存在だからである。もともと読書習慣が薄く、月刊誌を購読するという習慣そのものが希薄な保守や右翼は、表紙や目次を見ることはあるかもしれないが、実のところ三大保守雑誌の主力行読者層とはなっていない。

 彼らの情報源は、保守系言論人が「動画」と「SNS」によって垂れ流す言説がほとんどすべてである。

保守や右翼が好む右派系ネット動画の開祖は、2004年8月に開局したチャンネル桜であった。
 チャンネル桜の出演者陣は、それまで産経新聞と雑誌『正論』だけに自閉していた高齢の保守系言論人が主力で、ネットとの親和性は低いと思われていた。しかし、チャンネル桜はその古色蒼然たる保守系言論人の言説をそのまま動画としてアップロードし、これがかえって全く新しい手法として新鮮に受け止められた。

 いまでこそ右派系動画チャンネルは百花繚乱の勢いだが、ゼロ年代後半にこういった右派系オピニオンを、動画媒体に組織的に転載したのはチャンネル桜だけといってよい。こうして、高齢保守系言論人のオピニオンがそのままインターネットの世界に「輸出」される格好となり、彼らに無批判に寄生する保守や右翼のオピニオンもまた、彼らと全く同じものに変質していった。

 その内容は「大東亜戦争肯定―反東京裁判史観」「対米追従」「嫌韓・反中・親台湾」「靖国神社参拝支持」「朝日新聞批判」「テレビ局批判」など、現在でも変わらず繰り返されているフレーズのオンパレードである。


チャンネル桜が黄金時代を迎えたのは民主党政権時代の2009〜2012年で、この頃、保守や右翼は麻生政権の下野と民主党政権誕生によって、「反民主党」という共通目的のもと大同団結し、西部邁氏的な「反米・反グローバリズム保守」から、産経系の親米保守、経済右翼、ビジネス保守、ネット右翼、果ては事件師的性格を持つ怪しい輩も多数同局に集結した。

 2012年の自民党総裁選で町村派(当時呼称・清和会)の安倍晋三氏が「憲法改正」「尖閣諸島への公務員常駐」などタカ派路線を鮮明にすると、保守界隈もネット右翼界隈も安倍支持一色となった。

 とりわけチャンネル桜は安倍支持を強烈に打ち出し、この時期の「安倍待望論」を全面的にリードした。安倍氏が総裁選で石破茂氏を破って総裁になり、2012年12月の総裁選挙で政権を奪還すると、チャンネル桜はいよいよ「安倍応援団」の最大勢力のひとつとして保守や右翼に絶大な影響を与えた。

第二次安倍政権下で右派系動画群は一貫して「安倍応援団」の一翼を担った。
チャンネル桜は2012年の時点では「安倍応援団」の最前衛と目されていたが、次第に安倍政権の進めた外国人実習生制度(実質的な移民政策だと彼らは主張する)や、アイヌ政策(そもそもアイヌ民族は存在せず、それがゆえにアイヌの文化振興等は”利権”であると彼らは主張する)、規制改革などを批判し、反安倍・反グローバリズム保守に転換した。もっともその背景には、チャンネル桜が開局草創期から西部邁氏などの所謂「反米保守・反グローバリズム保守」などの出演者を包摂してきたからという理由もある。

ネット右翼の実数は全国でおよそ200万人、最大でも250万人程度の規模とみられる。その全員が動画を見るわけではないため、せいぜい動画視聴者数の天井は7掛けの150万人程度、という市場規模であろう。

 新陳代謝のないネット右翼の総数は増えない。しかし、ネット右翼には中小零細企業の経営者や下級官吏、大企業の管理職、開業医などの中産階級も多く、ひとり頭の購買力は旺盛なので、各社はこぞってこのレッドオーシャンに参入し、それを雑誌・著書の購読に結び付けようと躍起になっている(――ただしネット右翼には読書習慣が希薄なためこの行為は著効していない)のがここ数年の状況である。全体のパイは広がらず、またアニメや漫画と違って海外市場というものが望めないので、畢竟各動画チャンネルの中では出演者の取り合いと対立が起こる。

 民主党政権という「巨大な共通の敵」を失って以降、 保守業界、ネット右翼業界では数々の内紛や民事裁判が起こってきた。その都度、ネット右翼は対立するどちらかの側につき、敗れた側は保守業界から消えていった。都知事選に立候補した元航空幕僚長・田母神俊雄氏がその典型である。まさに関ヶ原における西軍諸将の敗行軍が、保守業界のいたるところで発生している。彼らは保守業界、ネット右翼業界以外に通用する普遍的な言説を持たないため、ここから追放されることは即商業的恩恵の終焉を意味する。  

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