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シュメール神話によれば、神様もまた、粘土をこねて人間を創った。
「なぜ、神様は人間を創造したの?」
というのが、キリスト教徒やイスラム教徒の親が、子供に質問されて返答に窮する素朴な疑問。
それに対して、世界最古の宗教・シュメール神話は、明快な回答を与えている。
「神々が働かなくてもよいように、労働者として人間は創造された」
と、シュメール神話の粘土板には明記されているのだ。
いわく、つらい農作業や、治水事業に従事していた神々からは、不平不満が絶えなかった。
「こんなに俺たちを働かせやがって、どういうつもりだ、コンチクショー」
と怒っていた。
原初の母なる女神・ナンムは、この事態を深く憂慮していたが、「神々の中でも、頭ひとつ抜けた知恵者」と評判のエンキ神は、そうともしらずに眠りこけていた。
あるとき、ナンム女神は、エンキ神をたたき起こして言った。
「息子よ、起きなさい。あなたの知恵を使って、神々がつらい仕事から解放されるように、身代わりをつくりなさい」。
母の言葉にあわてたエンキ神は、粘土をこねて人間を創った。
おかげで、神々に代わって人間が働くようになり、神々はめでたく労働から解放された。シュメール神話の最高神である天空の神アン(エンキの父)や、大気の神エンリル(エンキの兄)も、これには大喜び。神々は祝宴を開き、したたかにビールを痛飲して人類創造を祝った(シュメールは、ビールの発祥地でもある)。
このとき、ビールを飲んで酔っぱらった人類の始祖エンキは、地母神・ニンフルサグ(エンリルやエンキの異母妹)とともに、人間づくりの競争をした。
「広げた手を曲げることができない人間」や、
「排尿をガマンできない人間」、
「性器を持たない人間」、
「よろよろして立ち上がることができない人間」
など、いろんな人間が創られたという
(人権擁護団体が聞いたら、激怒しそうなエピソードですな・・・)。
http://blog.goo.ne.jp/konsaruseijin/e/20278c1470953be34e1163edce926967
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