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日米欧のイスラエル支持を冷たい目で見つめるグローバル・サウス
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310210000/
2023.10.21 櫻井ジャーナル
10月7日にハマス(イスラム抵抗運動)がイスラエルを奇襲攻撃した数時間後、アメリカ政府は2隻の空母、ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させた。レバノンにいるヒズボラ、あるいはイランの軍事介入を牽制することが目的だとされているが、それほど早く艦隊を移動できたのは事前に攻撃を知っていたからではないかと考える人もいる。
ハマスの創設にイスラエルが深く関係していることは広く知られている事実で、シーモア・ハーシュも書いているように、ベンヤミン・ネタニヤフは首相に返り咲いた2009年、PLOでなくハマスにパレスチナを支配させようとした。そのためネヤニヤフはカタールと協定を結び、カタールはハマスの指導部へ数億ドルを送り始めたと言われている。
こうした過去を知っている人は少なくない。ガザにおける民間人に対するあらゆる違法な暴力を非難、停戦を求める決議案をロシアが国連の安全保障理事会へ提出、10月16日に採決されたが、否決された。アメリカ、イギリス、フランス、日本はハマスを名指しで非難していないとして反対したのだ。
その16日、イギリスでは元ウズベキスタン駐在イギリス大使のクレイグ・マーリーが逮捕された。パレスチナの抵抗運動を支持したことが「テロ防止法」に接触するというのだ。フランスではパレスチナ支持のデモが禁止された。
しかし、世界的に見るとイスラエルに対する目は厳しく、言うまでもなく、イスラム世界では特にそうした傾向が強い。ジョー・バイデン米大統領がイスラエルを訪問した10月18日、バイデンの側近はパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長とバイデン大統領との電話会談を計画したが、アッバス側から拒否されたという。21日に自治政府は電話会談に応じたというが、すでにアメリカの手先になっているアッバスとしては、18日の電話会談拒否が精一杯の抵抗だったのだろう。
18日にバイデン大統領はアッバス議長のほか、エジプトのアブデル・ファッター・ア-シシ大統領やヨルダンのアブドラ2世と会談する予定だったが、ヨルダンはガザのアル・アフリ・アラブ病院が10月17日に爆破された後に会談をキャンセルしたと伝えられている。
ウクライナでロシアのウラジミル・プーチン政権に負けたバイデン政権としては、その敗北から人々の目を逸らさせる役割を果たすハマスによる攻撃はありがたかったかもしれないが、欧米のイスラエル支持はグローバル・サウスの反発を強め、アメリカを中心とする支配システムの崩壊を加速させる可能性がある。
こうした状況を懸念する声はアメリカの支配層内でも増えているようで、アメリカの有力メディアにもガザの窮状を無視するバイデン政権の姿勢を批判するようになってきた。バイデン政権はガザでも行き詰まっている。
和平を恐れるバイデン政権としてはウクラナでNATOを前面に出して戦争をエスカレートさせるか、東アジアで軍事的な緊張をさらに高める可能性もある。
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