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最優先課題はウクライナ停戦実現
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2023年10月 7日 植草一秀の『知られざる真実』
維新の鈴木宗男議員訪ロが問題化されている。
鈴木議員がロシア国営メディアのインタビューで
「ロシアの勝利、ロシアが決してウクライナに対して屈することがなく、ここは何の懸念もなく、100パーセントの確信を持って、ロシアの未来、ロシアのあすを私は信じており、理解をしている」
と発言したことが問題視されている。
本ブログ・メルマガで2022年2月24日のウクライナ戦乱拡大当初から指摘しているように、ウクライナ側の主張が存在するのと同様にロシア側の主張が存在する。
ウクライナが正義でロシアが悪との図式で事案を評価することは間違っている。
問題解決に武力を用いた点でロシアが批判される面があるが、全体としての構図、プロセスを俯瞰するとウクライナと米国の悪の程度が大きいと判定される。
2022年2月24日の戦乱拡大以前にウクライナ東部では内戦が生じていた。
この内戦を収束させるためにミンスク合意が締結され、合意は国連安保理で承認され、国際法の地位を獲得した。
このミンスク合意を踏みにじったのはウクライナの側である。
2021年秋以降、ウクライナ政府がウクライナ東部地域に対して軍事攻撃を激化させた。
これに呼応し、東部地域が独立を宣言し、ロシアはウクライナのネオナチ政権が東部で行っている大量虐殺に対処し平和を維持するために軍を派遣した。
平和のための特別軍事作戦であるとするのがロシア側の主張。
ウクライナの主張が存在するのと同様にロシアの主張が存在する。
戦乱が拡大した最大の背景は米国軍産複合体の「経済事情」にあると考えられる。
米国軍産複合体は世界最大の産業であり、産業存続のために中規模戦争を必要不可欠としている。
米国からできるだけ遠い地で戦争を引き起こすことが米国軍産複合体のビジネスモデルである。
この事情から創作されたのがウクライナ戦乱であると見るのが適正だ。
しかし、戦乱創出は大きな苦しみを生み出す。
戦乱によって犠牲になるのは戦地の市民と戦地に送られる末端兵士である。
戦争を創作する者は、我が身を常に安全な場所に置いて、戦争遂行を指令するだけ。
常に弱い者だけが犠牲になる。
ウクライナで使用されているクラスター爆弾、劣化ウラン弾は長期にわたりウクライナに住む人々を苦しめることになる。
他方、軍産複合体は大規模戦争遂行により巨大な利益を獲得する。
他方で西側の巨額軍事支援の金品が不正に流用されている。
ウクライナ政府は世界有数の金権腐敗政府である。
巨額の軍事支援金品が不正に流用されている。
このような状況のなかで、国際社会が追求するべき最優先の課題は「停戦の実現」、「和平の構築」である。
ウクライナに加担して戦争を拡大することではない。
ウクライナでの戦乱が拡大した2022年3月の国連総会緊急特別会合で「ロシアによるウクライナ侵攻を非難する決議」が採択された際、賛成した国は193ヵ国中の141ヵ国、賛成に回らなかった国は52ヵ国だったが、これを人口比で見ると賛成国が42%、非賛成国が58%だった。
同年4月のG20財務相・中央銀行総裁会議において対ロシア経済制裁に加わった国は10ヵ国(EUを1ヵ国として)、経済制裁に加わらなかった国が10ヵ国だった。
これも人口比でみると制裁参加国19%に対して制裁非参加国81%(EUを人口最多国スペインの人口で計算)だった。
人口比ではロシア制裁に加わっていない国が8割と圧倒している。
ロシアが悪でウクライナが正義という図式は国際社会ではコンセンサスになっていない。
ウクライナ内戦勃発の原因は2014年のウクライナ政権転覆=暴力革命による非合法政府樹立にある。
このときの事実関係を詳細にした当時の論考が存在する。
キャノングローバル戦略研究所研究主幹の小手川大介氏による一連の論説記事だ。
小手川氏は財務省出身でIMF理事等を歴任したロシア・ウクライナ研究のエキスパート。
小手川氏論説記事のURLを以下に貼り付けるので参照賜りたい。
「ウクライナ問題について」(2014/3/20)
https://bit.ly/3LAkeeX
「ウクライナ問題について その2」(2014/4/10)
https://bit.ly/3qXQIrQ
「ウクライナ問題について その3」(2014/5/13)
https://bit.ly/36KeXms
「ウクライナ問題について その4」(2014/5/15)
https://bit.ly/3J73Twy
「語られないロシアの歴史とアメリカとの深い関係」
https://bit.ly/3J5efgC
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