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ショイグと李鴻忠が平壌を訪問、金正恩と会談し、日米韓に対抗する姿勢を鮮明に
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202307300000/
2023.07.30 櫻井ジャーナル
セルゲイ・ショイグ国防相が率いるロシアの軍事代表団が7月25日から27日まで平壌を訪問、中国全国人民代表大会の常務委員会で副委員長を務める李鴻忠が率いる代表団と合流した。両国の代表団は朝鮮戦争の休戦協定締結から70年を記念して行われた行事へ参加、それぞれ金正恩朝鮮労働党委員長と会談。その際にロシアのウラジミル・プーチン大統領からは手書きの書簡が、また中国の習近平国家主席からも親書が金正恩委員長へ手渡されたと伝えられている。
本ブログでは繰り返し書いてきたように、アメリカのジョー・バイデン政権は東アジアの軍事的な緊張を高めている。昨年8月2日にアメリカ下院の議長だったナンシー・ペロシが台湾を訪問、米中関係は一気に悪化した。
台湾の蔡英文総統は「台湾独立」を主張している政治家で、その主張を利用し、1972年2月にリチャード・ニクソン大統領が中国を訪問してから続いていた「ひとつの中国」政策に挑戦する姿勢を見せた。ペロシの訪問はバイデン政権と連動しているだろう。
中国とロシアは交易を盛んにすることで地域を安定させる戦略を立てているが、アメリカやイギリスは戦乱を引き起こして地域を不安定化させ、疲弊させた上で富を奪うという戦略に基づいて動いたきた。米英はユーラシア大陸の周辺部を支配して内陸部を締め上げ、最終的にはロシアを制圧するという長期戦略を今でも放棄していない。
アメリカ軍は2018年5月に太平洋軍をインド・太平洋軍へ作り替えたが、これはそうした戦略を反映したものであると同時に、中国が展開している「一帯一路」を潰すことも目的にしている。
アメリカはロシアや中国に軍事的な圧力を加えるため、オーストラリア、インド、そして日本を引き入れて「クワド」を編成、さらにオーストラリアやイギリスと3カ国で「AUKUS」という軍事同盟も組織した。オーストラリアはアメリカとイギリスの技術で原子力潜水艦を建造すると報道されている。
バイデン大統領はオーストラリアへ売却する3隻のバージニア級原子力潜水艦を2030年代の初めに建造すると語っているが、山上信吾オーストラリア駐在大使はキャンベラのナショナル・プレス・クラブで2022年11月14日、日本がオーストラリアの原子力潜水艦を受け入れる可能性があると表明した。
アメリカとイギリスはウォール街とシティを拠点とする金融資本に支配されている国であり、オーストラリアは「アングロ・サクソン帝国」の一部にすぎない。インドはイギリスの植民地だった国で、今でも大きな影響を受けている。日本の現体制、つまり「天皇制官僚体制」はイギリスが仕掛けた明治維新によって生み出された。
そうした国々だけでは不十分だと考えたのか、NATOの守備範囲を東アジアへ拡大しようとする動きがある。2020年6月にNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長はオーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本をメンバーにするプロジェクト「NATO2030」を開始すると宣言した。NATOは2024年中に連絡事務所を連絡事務所を東京に設置しようという目論みはフランスの反対にあったが、今後、どうなるかは不明だ。ちなみに、NATOはアメリカとイギリスが第2次世界大戦後のヨーロッパを支配するために組織した軍事同盟である。
岸田文雄政権は昨年12月16日に「国家安全保障戦略(NSS)」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」の軍事関連3文書を閣議決定、2023年度から5年間の軍事費を現行計画の1.5倍以上にあたる43兆円に増額して「敵基地攻撃能力」を保有することを明らかにしたが、アメリカや韓国との軍事演習も盛んだ。
アメリカは日本を彼らの戦争マシーンに組み込むため、1995年2月にジョセイフ・ナイが発表した「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれる事件(松本サリン事件)、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布され(地下鉄サリン事件)る事件、そして警察庁の國松孝次長官が狙撃される事件を経て日本を戦争へと導くことに成功した。
自衛隊は2016年に軍事施設を与那国島に建設、19年には奄美大島と宮古島にも作り、2023年には石垣島でも完成させた。アメリカの国防総省系シンクタンク「RANDコーポレーション」が昨年に発表した報告書によると、アメリカ軍はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようとしているが、配備できそうな国は日本だけ。その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにする。そしてASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたという。
日本は攻撃能力を向上させるために巡航ミサイル「トマホーク」の調達を計画しているほか、「いずも」型の「ヘリコプター搭載護衛艦」も建造している。この「護衛艦」は艦首から艦尾まで平らな「全通甲板」を有して多数のヘリコプターを運用でき、垂直離着陸型のステルス戦闘機F35Bも離発着できる。国際的にはヘリ空母(航空母艦)、あるいは揚陸艦などを兼ねた多目的空母と見なされているようだ。
日本、韓国、台湾などを巻き込んだアングロ・サクソンの軍事的な動きをロシアや中国が手を拱いて何もしないとは考えられない。特に日米韓の軍事的な連携を警戒しているはずで、ショイグと李鴻忠が平壌で金正恩と会った目的のひとつは日米韓に対抗することにあるだろう。
現代の戦争は軍事的なものだけでなく、貿易、金融、技術など多岐にわたる。ユーラシア大陸周辺部の支配が有効だったのは物流の中心が海運だったからで、内陸国は対抗するため、鉄道を建設した。最近でも鉄道は重要だが、航空機が発達、パイプラインも重要な役割を果たしている。
ここにきて注目されているのは北極海ルート。従来のルートはマラッカ海峡やスエズ運河を通過する必要があるのだが、いずれもアングロ・サクソンがコントロールしている。それに対し、北極海ルートはそうしたリスクがない上、東アジアからヨーロッパまでの距離が近い。そこで注目されているのがアジアで最も北にある不凍港の羅津だ。
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