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戦闘を終結するための条約の草案にウクライナは署名したが、米英の圧力で破棄
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306200001/
2023.06.20 櫻井ジャーナル
アフリカ各国のリーダーで構成される代表団がロシアのサンクトペテルブルクでウラジーミル・プーチン大統領と6月17日に会談、キエフとモスクワ間の紛争を終わらせるために策定された10項目の和平ロードマップを提示した。その前日、代表団はウクライナでウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会っている。
代表団のメンバーは南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領、セネガルのマッキー・サル大統領、コモロのオスマン・ガザリ大統領、ザンビアのハカインデ・ヒチレマ大統領、エジプトのモスタファ・マドブリー首相、コンゴ共和国とウガンダ共和国の高官。会談の中でプーチン大統領は「ウクライナの永世中立性と安全保障に関する条約」と題する草案を示した。その文書にはウクライナ代表団の署名があるのだが、それをウクライナは破棄したという。
その草案は2022年3月にイスタンブールで作成されたものだが、本ブログでは繰り返し書いているように、イスラエルの首相だったナフタリ・ベネットもロシアとウクライナの停戦交渉を仲介していた。ロシア軍の第1撃で自国軍が壊滅的な打撃を受けたウクライナ政府は停戦を望んだのだ。
ベネットが仲介した交渉でロシアとウクライナはほぼ合意に達する。3月5日にベネットはモスクワでプーチンと数時間にわたって会談、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけ、その足でドイツへ向かい、オラフ・シュルツ首相と会っている。
ウクライナの治安機関SBU(事実上CIAの下部機関)のメンバーがキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフを射殺したのはその3月5日だ。キリーエフを殺害することでアメリカ政府は停戦を許さないという姿勢を示したと言えるだろう。
3月7日にはゴストメル市長だったのユーリ・プライリプコの死体が発見され、そのほか11名の市長が行方不明だとも言われた。SBUのチームによる「国賊狩り」も宣伝された。
アメリカ/NATOはアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)が拠点にしていたマリウポリ、あるいは岩塩の採掘場があるソレダルを中心に要塞線が作られた。ウクライナの軍や親衛隊をドンバスへ軍事侵攻させ、住民を虐殺してロシア軍を要塞線の内側へ誘い込み、そこで足止めさせている間にクリミアを別の部隊に攻撃させようとしていたと推測する人もいる。ロシア軍がキエフへ部隊を向かわせたのはそうした作戦を阻止するためだったというのだ。
停戦交渉の進展でロシア軍はウクライナ政府との約束通りにキエフ周辺から撤退を開始、3月30日にはブチャから撤退を完了した。31日にはブチャのアナトリー・フェドルク市長がフェイスブックで喜びを伝えているが、虐殺の話は出ていない。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、4月2日にはネオ・ナチを主体に編成された親衛隊の大隊(アゾフ特殊作戦分遣隊)がブチャに入っているが、アゾフと同じネオ・ナチでライバル関係にあるというボッツマンのチームも4月2日には現場へウクライナ警察の特殊部隊と入っているという。ボッツマンのチームはウクライナ軍を示す青い腕章をつけいない人物の射殺を許可されていたとされている。3日にはブチャで住民が虐殺されたと報道され始め、ゼレンスキー政権はロシア軍によるものだと宣伝した。
4月2日、ウクライナ国家警察は自分たちが行った掃討作戦の様子をインターネット上に公開している。そこには大破した自動車の中に死体が映っていたものの、そのほかに死体は見当たらない。そこで、国家警察は死体を隠したのではないかと疑う人もいる。国家警察はブチャで親衛隊と行動をともにしていたので何が起こったかを知っていたが、その死体を親衛隊が何に使うつもりかを知らなかった可能性がある。
つまり、ブチャでの住民虐殺はロシア軍と友好的に接した住民を親衛隊が殺した可能性が高いのだが、ベネットによると、その事件によってロシア政府とウクライナ政府の停戦交渉は壊れた。
4月9日にボリス・ジョンソン英首相はキエフへ乗り込んでロシアとの停戦交渉を止めるように命令、4月30日にはナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めている。
4月21日にはウクライナの南部にあるミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組に登場、「全ての裏切り者を処刑する」と語った。そうした処刑を実行するための秘密部隊を編成、すでに作戦を遂行しているとしていた。
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