http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/543.html
Tweet |
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2023/05/post-2b45f2.html
前向きな解決に向かうシリア問題
2023年4月25日
ヴィクトル・ミーヒン
New Eastern Outlook
多くの事実は、シリア・アラブ共和国がゆっくりとだが着実に孤立から抜け出し国際生活に入りつつあることを示している。この困難な道には依然多くの障害があるが、合法的に選出されたシリアのバッシャール・アル・アサド大統領は近隣諸国、そして何よりも現在シリア領で重要な役割を演じているトルコとの関係を確立しつつある。
2011年のシリア内戦勃発後、ダマスカスのトルコ大使館は2012年月に閉鎖されたことを想起願いたい。それにもかかわらず両国は欧米がしかけた紛争の最悪の時期でさえ、多少の接触を維持していた。これら接触は主に諜報機関間のもので本質的に外交的ではなかったが、より低いレベルであっても両国間交渉が継続していることを示す点で重要だ。
トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がシリアのバッシャール・アル・アサド大統領との会談に前向きだと発表した後、両国外交官はロシアの熟達した外交的調停で関係を確立し始めた。これら会談はすぐ成果を上げ、2022年12月28日にモスクワで両国国防相が会談し、アンカラとダマスカス間で6年ぶりのハイレベル公式接触が確立された。交渉は継続されると予想されていたが、二つの出来事、イランが交渉への関与を主張したことと、両国に深刻な影響を及ぼした2023年2月6日のカフラマンマラシュ地震により、この過程は遅延した。
当初イランはロシアが後援するトルコ・シリア会談に参加しなかった。しかしイランのホセイン・アミール・アブドラヒアン外相のアンカラとダマスカスのシャトル外交を通じて会談参加という主張は最終的に受け入れられた。その結果ロシアが仲介したアンカラとダマスカス間交渉はトルコ、シリア、ロシア、イラン4か国の参加を得てアスタナ形式に変わった。この過程は更にトルコ・シリア間の紛争の減少につながった。
イランが交渉に参加した後、2023年2月6日に地震が発生し両国で5万人以上が死亡した。その結果両国間の接触は停止された。しかし地震による傷が癒え始めるとすぐ、4月3日-4日モスクワで交渉が再開された。外務副大臣が出席したこの会議は四か国外相間会議開催に専念した。開会挨拶でロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は「可能な限り柔軟で建設的な姿勢を期待する」など包括的正常化に向けた努力を全員に要求した。
2023年4月7日にロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はアンカラを訪問し、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外相とエルドアン大統領と会談した。この会談はウクライナでのアメリカ-NATO戦争、穀物危機、カラバフ危機と最も重要なこととしてアンカラ-ダマスカス会談の文脈におけるシリア危機を含む複数の話題に触れた。モスクワでの会談後のラブロフ・アンカラ訪問と、トルコ当局との二国間会談が遅く困難な交渉過程を確実に加速するのに役立ったことは注目に値する。
アンカラとダマスカス間会談の進展は遅いとはいえ会談は継続され、最終的に成功すると期待されている。実際911キロに及ぶ国境を共有する両国が、アメリカが率い欧米とペルシャ湾地域のいくつかの君主国によってシリアで解き放たれた内戦中に蓄積した問題を抱えて生き続けるのは持続可能な状況ではない。この状況を認識している政治家たちは、これら困難な問題を議題にして前向きな結果を実現すると決意している。
議論されたもう一つの重要な問題はトルコのシリア難民だった。トルコは現在、3万人の登録難民を受け入れており、ダマスカスは難民が安全かつ自発的に母国に帰還できるようにするため必要な法的、実務的措置を講じることを期待している。さらに、この地域の過激派武装集団の状況も議論の話題だ。ダマスカスは彼等と戦った武装反政府勢力の抑圧を期待しているが、アンカラは国境沿いの脅威として認識しているクルド人民自衛隊(YPG)の解体を期待している。
明らかに、これら全ての問題に対する即時解決策を出すのは不可能だ。それにもかかわらず、当事者は、最初は一般的な点に焦点を当て、正常化の過程に向けて確実かつ前向きな措置を講じる可能性がある。双方が特に注意すべきは、シリアの統一と領土保全の問題を優先することだ。特に過去のようにシリアを解体し、領土に異なる飛び地を作ることを欧米マスコミは誰も主張していない。
さらに1998年に署名されたアダナ合意の更新はトルコとシリア国境沿いで認識されている脅威に対する一致団結した取り組みを可能にするだろう。同時にトルコはシリアの国際体制への再統合に貢献し、シリア再建を支援できる。両国間交渉の主な目的は問題のある分野で解決策を見つけて関係を正常化することだが、対話を促進するためお互いに共通する分野でのやりとりの確立から始めることが可能だ。確かに交渉の最初のステップが示している通り、両国とも正常化問題を非常に重要視している。
交渉の持続的進展を確保するため、両国はロシアが示唆したように、問題を分割して、個別に段階的に対処する戦略を採用する可能性がある。長年にわたり多くの問題が蓄積されているため全てを即座に解決するのは不可能な場合がある。したがって時間をかけて解決できる問題に優先順位を付けることは、相互理解を深め連絡を密にしておく上で非常に効果的だ。トルコとロシアの関係は、当事者の善意に関する問題や、問題を解決するためのこの手法の例として役に立つ。
さらに両国間関係の正常化は、より広範な地政学的結果をもたらす可能性がある。多くの国が加担し、中でもアメリカを指摘すべきシリアでの紛争は、この地域の主要な緊張の原因で、様々な地域や世界大国がこの紛争に加担している。正常化は緊張を緩和し、地域の国々間の協力強化に役立ち、最終的にはより大きな安定につながる可能性がある。
最後に、両国間の複雑で長年の問題を考えると、正常化は単純な過程ではないことに注意することが重要だ。それには相互信頼、妥協、お互いの懸念に建設的に対処する能力が必要だ。それにもかかわらず、決意と積極的関与により、両国間の継続的交渉は、両国と地域全体にも利益をもたらす前向きな結果につながる可能性がある。
シリアのアラブ復帰について話し合うため4月中旬サウジアラビアのジェッダで高官が会合した多くのアラブ世界諸国の立場もこれに貢献している。その際カタールのマジド・アル・アンサリ外相は、ダマスカスの10年以上にわたる孤立が弱まり始めるにつれ、ダマスカスとバッシャール・アル・アサド大統領の立場が大幅に強化されていると指摘した。会議には湾岸協力会議(GCC)諸国、イラク、ヨルダン、エジプトの外相が出席した。
2011年にシリアで内戦が勃発したとき、湾岸諸国、特にサウジアラビアがバッシャール・アル・アサド大統領に対する反政府勢力を支援したため、シリアがアラブ連盟から追放されたことが想起されるかもしれない。その後ダマスカス政府はサウジアラビアの地域ライバルであるイランから支援を受け始めた。アラブ連盟は五月にリヤドで首脳会談を開催予定で、シリアの復帰が議題になる可能性が高い。バッシャール・アル・アサドが出席するかどうかは確認されていないが、彼が参加すれば、この激動の地域全体の状況を正常化するための最も重要な一歩となるはずだ。
トルコとシリアの一部に影響を与えた2月6日の壊滅的地震は既に戦争で荒廃した国に救いの手を差し伸べるようアラブ世界の国々を促した。悲劇の後、サウジアラビアはシリアの孤立を終わらせ、未解決の人道問題を解決するため対話に戻るアラブ諸国間の合意があったと述べた。
湾岸アラブ諸国協力理事会の中でオマーンは過去10年間シリアとの外交関係を断ち切ることなく正常な関係を維持している数少ない国の一つだ。アサドは先月UAEを二度訪問し、ダマスカスと湾岸諸国間のより緊密な関係を示唆した。カタールは以前アサドとの関係を正常化するつもりはないと述べており他の国々がそうするのを阻止している。マジド・アル・アンサリはドーハの立場は変わっていないが、新たな全般的アラブの合意に沿っていると述べた。
中東地域で起きている前向きな変化は、益々多くの国がロシアと個人的にウラジーミル・プーチン大統領の多極世界の考えを支持するだけでなく、この方向で確固たる効果的措置を講じていることをはっきり示している。
ビクトル・ミーヒンは、ロシア自然科学アカデミー客員。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2023/04/25/the-syrian-problem-on-course-to-a-positive-resolution/
----------
The Jimmy Dorw Show バーニー・サンダーズ、バイデン出馬指示。
Bernie Sanders Supports Joe Biden For President & Gets NOTHING For It! 10:14
スコット・リッター氏、ノボシビルスクで講演
著書のロシア語版刊行を記念してロシア訪問中。最初はノボシビルスク。爆発物で殺害されたドゥーギナやタタルスキー同様、彼もウクライナの殺人標的リストに載っているため、安全上誰でも聴講できるようにできず、聴衆は少ない。字幕はロシア語のみ。聴衆の質問もまとも。講演自体もそうだが女性通訳の活躍に感心する書き込みが多い。
属国大本営広報部で宗主国拡声器を演じる属国軍事評論家諸氏、著書がロシア語になる可能性も、ロシアで講演する可能性もゼロ。
Scott Ritter in Novosibirsk 2:17:58
東京新聞 朝刊一面
憲法「骨抜き」76年前の警鐘
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
日本で報じられないウクライナの惨状。質屋(半分は期限が来ても引き取りできない)と教会での無料給付パンの列。2022年にはウクライナの貧困率が5.5%から24.2%に増加、710万人以上が貧困に陥り非公式の失業は36% インフレ上昇率は2022年末に26.6%
日刊IWJガイド
「イエレン米財務長官が『早ければ6月1日にも米政府は債務不履行(デフォルト)に陥る』と表明!『経済、金融的な大惨事』になると警告も!!」
はじめに〜イエレン米財務長官が「早ければ6月1日にも米政府は債務不履行(デフォルト)に陥る」と表明! 1月の債務法定上限到達依頼、繰り返し議会に対応を要請、デフォルトになれば「経済、金融的な大惨事」がもたらされると警告も!! 破綻寸前の、そんな国がなぜ、ウクライナへの巨額の兵器支援で紛争の後押しをしているのか!? 大量の米国債を保有する日本への悪影響は!?
<IWJ取材報告 2>前川喜平氏「総務省文書の問題点は、明らかに政治が放送の自由に介入しようとしたということ」!〜4.30「市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会」記録集 出版記念シンポジウム「公共放送NHKはどうあるべきか」
2023年5月 3日 (水)
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。