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スーダンを戦乱へ導いてきたアメリカ
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202304240000/
2023.04.24 櫻井ジャーナル
スーダンで4月15日にアブデル・ファッター・アル・ブルハーンが率いる正規軍とモハメド・ハムダン・ダガロが率いるRSF(即応支援部隊)が軍事衝突した。ウクライナへアメリカ/NATOが供給してきた武器弾薬の相当部分が闇市場を通じてアフリカへ流れていると言われているので、今後、戦闘が激しくなるかもしれない。
ブルハーンは2021年10月25日に軍事クーデターで実権を握った人物で、クーデターの前日にアメリカのジェフリー・フェルトマン特使に計画を伝えていたと報道されている。フェルトマンは1991年から93年にかけてローレンス・イーグルバーガー国務副長官の下で東/中央ヨーロッパを担当、ユーゴスラビアの解体に関与し、04年から08年にかけてレバノン駐在大使を務めた。
アメリカのバラク・オバマ政権は2013年11月から14年2月にかけてウクライナでネオ・ナチを使ってクーデターを実行したが、その直前にビクトリア・ヌランド国務次官補(当時)とジェオフリー・パイアット大使は電話で次期政権の閣僚について話し合っている。その際、自分たちの仲間として国連事務次長だったフェルトマンの名前が登場する。
西側ではRSFがロシアの傭兵会社ワグナー・グループと関係があると宣伝されているようだが、ロシアがスーダンにおける軍事衝突に関係している可能性は小さい。その理由を元CIA分析官のラリー・ジョンソンが説明している。
ロシアの安全保障にとって重要なウクライナでの戦闘が続き、黒海艦隊の拠点があるクリミアの防衛に力を入れ、またトルコとシリアを和解させようとしている時にスーダンで新たな問題をロシア政府が引き起こすとは思えない。
また、スーダンのブルハーン体制はロシアが紅海の沿岸に海軍基地を建設することに合意、その協定が発効する前に文民体制へ移行することになっていた。この協定でロシア軍は最大300名が駐留できる海軍基地を建設、4隻のロシア艦船を配備できるようになる。
紅海はスエズ運河を介して地中海へつながっていて、19世紀から続くアングロ・サクソンの世界支配戦略にとって重要な場所。そこにロシア海軍が基地を設けるわけだ。協定の有効期間は25年間で、双方が異議を唱えなければ10年間の自動延長となる。
2022年2月にダガロはモスクワでロシアの高官と会談したが、ロシアが紅海のスーダンに海軍基地を建設することに同意した政府を転覆させようとはしないと考えるべきだ。ロシアを訪れた際、ダガロはスーダンの利益になるのであればロシアの軍事基地を建設することに何の障害もないと述べ、アメリカから非難を浴びている。
この基地建設をアングロ・サクソン、つまりアメリカやイギリスが阻止しようと考えることも容易に想像できる。実際、昨年9月にスーダンへアメリカ大使として着任したジョン・ゴッドフリーは紅海の沿岸にロシアが海軍基地を建設することを許すなとスーダン側に警告している。ゴッドフリーに言わせると、「すべての国はどの国のパートナーになるかを決める主権を持っているが、その選択は勿論、結果を伴う。」アメリカ大使はスーダンに対し、ロシアと協力すればスーダンにとって不利な「結果」がもたらされると脅したのだ。
2015年にイエメンへ軍事介入したサウジアラビア軍にスーダン軍は合流、2016年から17年にかけての時期にはRSFから4万人が派遣されたとされている。
イエメン側にはイランがついているが、サウジアラビアとイランは3月10日に共同声明を発表、中国の仲介で両国は国交を正常化させ、それぞれ大使館を再開させることを明らかにした。この合意はイエメン情勢にも影響、そこへ派遣されているRSFが何らかの行動に出たとしても不思議ではない。
ところで、スーダンは以前から戦乱で苦しんできたが、その原因は石油にある。この油田は1974年にアメリカの巨大石油会社シェブロンが発見したのだが、90年代の終盤にスーダンでは自国の石油企業が成長し、アメリカの石油企業は利権を失う。さらに中国やインドなど新たな国々が影響力を強めていった。自立の道を歩み始めた時期のスーダンを支配していたのがオマル・アル・バシールだ。
そうした中、スーダンの南部ではSPLM(スーダン人民解放軍)が反政府活動を開始する。そのSPLMを率いていたジョン・ガラングはアメリカのジョージア州にあるアメリカ陸軍のフォート・ベニングで訓練を受けた人物である。
スーダンの内戦は1983年から2005年まで続き、11年に南部が独立した。フォート・ベニングにはラテン・アメリカ各国の軍人をアメリカの傭兵として訓練する施設、WHINSEC(かつてはSOAと呼ばれた)も存在している。
その間、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、それを口実としてネオコンに担がれたジョージ・W・ブッシュ政権は侵略戦争を本格化させる。
欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を務めたウェズリー・クラークによると、9/11から10日ほど後に統合参謀本部で攻撃予定国のリストが存在していた。そこにはイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたという。これはネオコンの計画にほかならない。(3月、10月)
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