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※全文はリンク先参照。
新世界大戦の準備:「ナチス‐日本」枢軸の再構築
<記事原文 寺島先生推薦>
The Preparation of a New World War: Reconstituting the Nazi-Nippon Axis
https://libya360.wordpress.com/2023/03/28/the-preparation-of-a-new-world-war-reconstituting-the-nazi-nippon-axis/
筆者:シエリー・メイサン(Thierry Meyssan)
出典:INTERNATIONALIST 360°
2023年3月28日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2023年4月15日
日本の岸田首相、キエフに支援を申し出る
米国は、欧州連合(EU)の同盟国に対し、第三次世界大戦に備えるよう促している。「トゥキュディデスの罠」*から勝者として抜け出したいのであれば、戦うしかない。ただし、この騒ぎが、南米、アフリカ、そしてアジアの多くの国家が「中立」を宣言する中で、同盟国を「味方につける」ための演出に過ぎないのでなければ、の話だ。同時に、軍靴の音が日本の軍国主義者をかき立て、ウクライナの「過激な民族主義者」のように、復活している。
*古代アテナイの歴史家トゥキュディデスにちなむ言葉で、従来の覇権国家と台頭する新興国家が、戦争が不可避な状態にまで衝突する現象を指す。アメリカ合衆国の政治学者グレアム・アリソンが作った造語。( ウィキペディア)
多極化世界の提唱者たちの伸長に直面し、「アメリカ帝国主義」の擁護者たちは、ぐずぐずした反応はしていない。ここでは、ヨーロッパ共同市場の軍事構造への転換と、第二次世界大戦中の枢軸国の改革という2つの作戦を分析する。枢軸国の改革という側面では、新たな役者を登場させる:日本である。
(中略)
ナチス‐日本」枢軸の再構築
第二次世界大戦というと、ヨーロッパでは1939年と1945年を思い起こす。これは絶対に間違っている。戦争は1931年、日本の将軍が満州で中国兵を攻撃したことから始まった。これは軍国主義派による、日本の文民権力への最初の越権行為であり、数ヵ月後には文民であった首相が軍人のグループによって暗殺され、その動きは増幅された。数年後、日本は軍国主義的で拡張主義的な大国へと変貌を遂げた。この戦争は、1945年の赤軍による満州の解放では終わらなかった。実際、アメリカは日本のソ連への降伏を阻み、降伏が自国の将兵の前でしか行われないようにするため、2発の原爆を使用した。1946年まで戦い続けたのは、それまで太平洋であまり戦っていなかったアメリカに対して、多くの日本人が降伏を拒んだからだ。第二次世界大戦は1931年から1946年まで続いた。このような日付の間違いをするのは、ローマ・ベルリン・東京枢軸(「三国同盟」)で初めて世界規模になったからだ。実際は、ハンガリー、スロバキア、ブルガリア、そしてルーマニアがその後すぐに参加している。
枢軸の基盤は、加盟国のバラバラな利益ではなく、彼らのカルトの強さであった。今日、それを刷新するとすれば、このカルトを共有する国々を団結させる必要がある。
1946年、アメリカが日本を占領したとき、まず考えたのは、日本から軍国主義的な要素をすべて粛清することだった。しかし、朝鮮戦争が勃発すると、アメリカは日本を共産主義との戦いに利用することを決めた。進行中の裁判を終わらせ、5万5千人の高官たちを復帰させた。そして、ヨーロッパのマーシャル・プランに相当するドッジ・プランを実施した。この政策転換の幸運な受益者の一人が池田勇人で、彼は首相に就任し、日本の経済を回復させた。彼はCIAの助けを借りて、自由民主党を設立した。この党から、安倍晋三首相(2012〜20年)と後継者の岸田文雄氏(2020〜)が誕生したのである。
岸田は、ウクライナを電撃訪問した。戦後初めてこの国を訪問したアジアの首脳である。彼はブチャの集団墓地を訪れ、「ロシアの虐待」の犠牲者の家族に哀悼の意を表明した。多くのアナリスト達は、この訪問を日本で開催されるG7サミットの準備と解釈している。事態がそれ以上進行しなければ、の話だが。
岸田文雄とヴォロディミル・ゼレンスキーは最終コミュニケで、「欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障の不可分性」と「台湾海峡の平和と安定の重要性」を強調している。彼らにとっては、ウクライナをロシアから守るだけでなく、日本を中国から守ることも重要な課題である。このコミュニケ(共同声明)は、ウクライナの「統合ナショナリスト」[2]であるナチスの後継者と、昭和ナショナリズムの後継者との新たな同盟の基礎を築いたものである。今日のウクライナは、世界で唯一、人種差別を明文化した憲法を持つ国家である。1996年に採択され、2020年に改訂されたこの憲法は、第16条で 「ウクライナ人の遺伝的遺産の保存は国家の責任である」と述べている。ウクライナのナチス首相、ヤロスラフ・ステツコの未亡人が書いた条文だ。
これに対して、日本国憲法は第9条で戦争を放棄している。しかし、安倍晋三と岸田文雄はこの条項を廃止する闘いを始めた。とりわけ、第9条があるから、致死的な防衛装備の移送はできないので、岸田はキエフに約71億ドルの人道的・財政的支援を申し出た。非致死的な軍備に関しては、今週、3000万ドル相当の備蓄品の出荷を発表することしかできなかった。
この日本の再軍事化は、すでにウクライナを支持して方向転換したワシントンによって支持されている。ラーム・エマニュエル駐日米国大使は、「岸田首相は、ウクライナの人々を守り、国連憲章に謳われた普遍的価値を促進するために、歴史的な訪問をしている。約900キロメートル離れたモスクワでは、別の、より極悪な連携が形作られている」(プーチン-習主席会談に言及)とツイートした。
中国外務省の王維彬報道官は逆に、岸田首相の外遊について「日本が、反対に、事態の緩和を求めることを期待する」と述べた。ロシア側は、戦略爆撃機2機を日本海上空に約7時間にわたって派遣した。
翻訳は、ロジェ・ラガセ(Roger Lagassé)
NOTES:
注:
This article is a follow-up to : “The Middle East is breaking free of the West,” March 14, 2023.
この論考は、“The Middle East is breaking free of the West,” (2023年3月14日)の続編である。
[1] “Covid-19 and The Red Dawn Emails”, by Thierry Meyssan, Translation Roger Lagassé, Voltaire Network, 28 April 2020.
[2] “Who are the Ukrainian integral nationalists ?”, by Thierry Meyssan, Translation Roger Lagassé, Voltaire Network, 15 November 2022
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