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ロシア分割計画
マイク・ホィットニー
2023年1月5日
Unz Review
ソ連やロシアを解体するという考えは欧米諸国で何十年も常に洗練され続けている。不幸にも、ある時点でウクライナをこの狙いを実現するために使うという発想が考え出された。実際このような進展を阻止するため我々は特別な軍事行動(SMO)に着手した。これはまさにアメリカを中心とする一部の欧米諸国が得ようと努力しているものだ。反ロシア飛び領土を作り、次にこの方向から我々を脅迫するために。これが起きることを阻止するのが我々の主要目的だ。ウラジーミル・プーチン
ここに皆様のために今日の地政学小テストがある。アンゲラ・メルケルが「究極的にロシアを決して制圧できなかったので冷戦は決して本当に終わらなかった」と言った時、一体何を意味していたのか?
・メルケルはロシアが一度も「ルールに基づく秩序」における従属的役割を受け入れたことがないという事実を言っていた。
・メルケルはロシアの経済崩壊が欧米エリートが望んでいた「従順な状態」を作り出さなかった事実を言っていた。
・メルケルは冷戦は決して本当に民主主義と共産主義間の争いではなくロシアを「制圧する」45年にわたる努力だったことを示唆している。
・メルケルが意味したのは欧米諸国、特にアメリカが強く繁栄する独立したロシアを欲しないが、言われた通りのことをする卑屈な従僕を望んでいるということだった。
・上記の全て。
もし皆様が(5)を選択されたならご褒美にご自身の背中を軽く叩いて頂きたい。それが正解だ。
先週、アンゲラ・メルケルが多くの専門家が何年間も言っていたことを確認した。一世紀以上も遡るロシアとワシントンの敵対関係は、イデオロギーや「良くない振る舞い」やあ「いわれのない侵略」とされていることに何も関係がないことを確認したのだ。ロシアの主要な罪は膨大な天然資源があり、ワシントンの「アジア軸を中心にする」計画にとって重要な世界の戦略的地域を占めていることだ。ロシアの本当の罪はその存在自体が、中央アジア中に米軍事基地を広げ、中国を包囲し、世界の最も繁栄する人口ちゅう密な地域の覇権者になる世界主義プロジェクトに対する脅威となっていることなのだ。
非常に多くの注目がミンスク条約に関してメルケルが言ったことに注意を集中して、彼女の一層警鐘的な発言は完全に無視された。ここにメルケルがイタリア雑誌でした最近のインタビューの短い抜粋がある。
2014年のミンスク合意はウクライナに時間を与える試みだった。ウクライナはこの期間を今日見られる通り、より強くなるために使った。2014年/15年の国は今の国ではない。
我々全員それが紛争の凍結で、問題が解決されないことを知っていたが、これがまさにウクライナに貴重な時間を与えたのだ。」(「アンゲラ・メルケル:コールは彼の声と体格を利用した」、コリエーレ・デラ・セラ紙)
メルケルは彼女が本心から平和を望んでいると考えるようロシア指導体制をだますことを目指していたと率直に認めたが、そうではないことが分かっている。実は欧米政権は対ロシア戦争で使われるウクライナ軍を武装させ訓練するための時間をかせぐべく意図的に合意を妨害したのだ。
だがこれは古いニュースだ。我々が一層興味深いと思うのはメルケルがミンスクについての発言後に言ったことだ。ここに注目に値する引用がある。
私は皆様が考えこむような側面について話したいと思う。究極的にロシアは決して抑制されなかったから冷戦が決して本当に終わらなかったのが事実だ。プーチンが2014年にクリミア半島を侵略した時、彼はG8から除外された。更にNATOは介入の準備を示すためバルト地域に派兵した。我々は防衛のため軍事費にGDPの2%を割り当てることも決めた。CDUとCSUはそれを政府計画で継続した唯一のものだった。だが我々はロシアの攻撃性にも一層速く対応するべきだった。(「アンゲラ・メルケル:コールは彼の声と体格を利用した」コリエーレ・デラ・セラ紙)
これは驚くべき自認だ。メルケルが言っているのは、自身の重大な権益やプロジェクトを守れず、国境を越えて武力投射できなくなる点に至るまでロシアを弱める(「抑制する」)主目的が実現されなかったので「冷戦が決して終わらなかった」ということだ。メルケルは冷戦の主目的が(我々が聞かされていたように)共産主義をくじくことではなく、世界主義プロジェクト推進が邪魔されないことを可能にする従順なロシア植民地を作ることだったとほのめかしているのだ。我々がウクライナで見られる通り、その目的は実現されなかった。そしてそれが実現されなかった理由はロシアがNATOの東方拡大を阻止するのに十分強力だからだ。要するにロシアは世界支配の世界主義戦略に対する最大の障害になっているのだ。
メルケルが決してウクライナでロシアの「いわれのない侵略」とされていることを主な問題として言及しないのは指摘する価値がある。実際彼女は見せかけだけの主張を弁護すようとしていない。メルケルによれば本当の問題はロシアが「抑制されなかった」ことだ。それについてお考え願いたい。これは戦争の正当化がメディアが推進するものとは違う異ことを示唆する。それが暗示しているのは紛争が「侵略」偽装の背後に隠された地政学目的により推進されていることだ。本当の狙い;抑制を確認して、メルケル発言はその点誤解を解いている。
我々は戦争がロシアによる「侵略」ではなく「地政学的目的」に引き起こされたことを示そうと思っているが、最初に我々は戦争推進に拍車をかけている考え方を再検討する必要がある。アメリカ外交政策が依拠している大本は、初稿が1992年に防衛計画ガイダンスで紹介されたウォルフォウィッツ教義だ。ここに短い抜粋がある。
我々の第一の目的は旧ソ連領域や他のどこかの領域で旧ソ連がそうだったような脅威となる何らかの新しい競争相手の再出現を防ぐことだ。これは新たな地域防衛戦略の基本となる最有力の配慮であり、我々がどんな敵対的勢力であれ、統合された支配下で、グローバル権力を生みだすのに十分な資源の地域独占を阻止しようと努力することが必要だ。
そこで問題は良いか悪いかだ。アメリカ外交政策の最優先事項は「脅威となる旧ソ連あるいはほかのどこかの領域の秩序に関し以前ソ連がそうだったような新しい競争相手の再出現を阻止することだ」。これはワシントンと同盟諸国がロシア連邦が占める領土に対して与える重要性を示している。それはアメリカが大戦略を実行するのに必要な地域をどんな主権国家であれ支配するのを阻止する欧米指導者の決意を示している。
ロシアが強い独立国家に転換し、直接ワシントンの十字照準線に入っただけでなく、大いに直接対決の可能性を増したこと理解するのに天才は不要だ。簡単に言って、ロシアの大国への復帰はワシントンの「敵リスト」とアメリカ侵略の論理的標的になったのだ。
それで、これはメルケルとどう関係があるのだろう?
共産主義国崩壊とロシア経済崩壊がロシアを「抑制された」状態にしておくのに十分でなかった事実はメルケル発言で暗示的だ。彼女は実際より極端な措置の支持を発言している。そして彼女はそれらの措置が政権転覆と暴力的な国の分裂が続くのを知っている。
プーチンはこの悪意の計画に十分気付いており、多くの機会に公然とそれを論じている。プーチンが何週間も前に率いた会議の二分のビデオをひと目ご覧願いたい。
「我々の敵の狙いは我が国を弱め分断させることだ。これは何世紀も事実だった・・・。彼らは我が国があまりに大きく彼らにとって脅威だと考えており、それが我が国を弱体化し、分割しなければならない理由なのだ。我々としては常に違った方法を追求してきた。我々は常にいわゆる「文明的な(欧米)世界」の一部になりたいと望んでいた。そしてソ連崩壊後、我々は最終的にその「世界」の一部になれるだろうと考えた。だが結果としてそうなったのだが我々はあらゆる努力にもかかわらず歓迎されなかった。その世界の一部になる我々の試みは拒絶された。その代わりに彼らはロシアを終わらせ、ロシア連邦を分割るためカフカスのテロリスト支援を含め、彼らができるあらゆることをしている。」ウラジーミル・プーチン
我々が主張する要点はメルケルの見解がネオコンのものと円滑に一致することだ。彼らはロシアとの対決支持を満場一致で表明した全て欧米政治支配体制のものと一致する。さらに国家安全保障戦略、国防戦略や議会調査局の最新報告は全て彼らの焦点を国際テロに対する戦争から、ロシアと中国との「大国間競争」に移行した。驚くまでのこともなく文書は「競争」とはほとんど無関係で、どちらかと言えば彼らはロシアとの紛争にイデオロギー的正当化をしている。換言すれば、アメリカは世界最大の核保有超大国との直接対決の基礎を敷いたのだ。
“Renewed Great Power Competition: Implications for Defense—Issues for Congress(議会向け「更新された大国間競合 防衛問題に対する帰結的意味」)という題の議会調査局報告書の短い記事を確認願いたい。
地域覇権者国の出現を阻止するというアメリカの狙いはユーラシアでの二つの決定を反映する政策選択だ。(1)人口、資源とユーラシアでの経済活動を考えれば、ユーラシアの地域覇権者がアメリカの重要な権益を脅かすことが可能なほど十分大きい権力の集中となり得る。そして(2)ユーラシアは、ユーラシア諸国が、彼ら自身の行動で、地域の覇権者の出現を防ぐことに関し、確実に自己調整で地域覇権者の出現を防ぐことが可能だと期待できず、これを可能にするにはユーラシア外の複数の国から援助を確実に必要とするかもしれないことを意味する。」
大戦略と地政学上のアメリカの観点からは、世界の人々や資源と経済活動の大部分が西半球ではなく他の半球、特にユーラシアに位置していることが指摘できる。世界地理のこの基本的特性に応じて最近数十年間のアメリカ政策当局が、アメリカ国家戦略の主要素として、ユーラシアで地域覇権者の出現を防ぐという目標を追求すると決定している。最近数十年アメリカ政策当局は頻繁に明示的に人前で明言はしないが、ユーラシアでの地域覇権者の出現を、アメリカ軍事行動で防ぐ目標を、戦時の作戦と日常業務の両方で、この狙いを支持するため小さな部分で実行してきたように思われる。」(「Renewed Great Power Competition: Implications for Defense—Issues for Congress)
それはウォルフォウィッツ・ドクトリンに極めて似ているように聞こえるではないか?(それは議会がネオコン陣営に移ったことを示唆している。)
この短い抜粋に考慮する価値があるものがいくつかある。
「ユーラシアで地域覇権者の出現を防ぐアメリカの狙い」は国防と無関係だ。それは経済を成長させるために自由市場をうまく使おうとするどんな国に対しても直接の宣戦布告だ。アメリカ企業が国外外注したり業務海外委託したりして中国の成功が大きな要因となっている時に中国をワシントンの標的リストに載せているのは極めて不安だ。アメリカ産業が奴隷賃金以上に支払うのを避けるため事業を中国に移転した。中国がその責を負わされるべきだろうか?
ユーラシアにはアメリカより多くの「人的資源と経済活動」がある事実は、アメリカ国家安全保障に対する「脅威」ではない。それは米軍を自身の地政学的狙いを推進するために使いたいと望む欧米エリートの野心に対する脅威を意味するに過ぎない。
最終的に:中央アジアにおける本当の狙いに関し政府が意図的に国民を誤導するのをこの著者が認めているのに留意願いたい。彼は言う。「最近数十年アメリカ政策当局は頻繁に明示的に人前で明言はしないが、ユーラシアでの地域覇権者の出現を、アメリカ軍事行動で防ぐ目標を、戦時の作戦と日常業務の両方で、この狙いを支持するため小さな部分で実行してきたように思われる。」換言すれば「自由と民主主義」に関する全てのはったりは国民に対する子供だましに過ぎない。本当の狙いは「資源と経済活動」と権力だ。
ロシアがアメリカの事実上の敵だと認める上で、国家安全保障戦略と国防戦略は等しく明示的だ。これは国家安全保障戦略からのものだ。
ロシアはヨーロッパの地域安全保障秩序に対する直接の継続中の脅威で、世界規模で崩壊と不安定の源だ。
ロシアは今や国際平和と安定性に対する直接の永続的な脅威だ。
ロシアは無謀に国際秩序の基本的なルールを無視する自由で開かれた国際体に対する差し迫った脅威だ。ロシアによる深刻な脅威に対処する上で、条件を設定するこの10年は決定的だ。(「2022年国家安全保障戦略」ホワイトハウス)
そして最後に2022年の国防戦略は他のものと同じ主題を繰り返している。ロシアと中国は「ルールに基づく秩序」に対する未曾有の脅威だ。世界社会主義者ウェブサイト記事の短い要約は以下だ。
2022年の国防戦略は、中国との紛争の足掛かりとしてアメリカがロシア征服を極めて重要なものと見ているのを明らかにしている。拘束されない世界支配に対する主要な障害とアメリカが見なし、アメリカ帝国主義の爆発は益々直接ロシアと中国に標的を定めている。アメリカ戦略家が長い間膨大な天然資源を持つユーラシアの広大な大陸支配を世界支配の鍵と見なしている。」(「国防総省の国家戦略文書は中国を標的に定めている」アンドレス・デイモン、世界社会主義者ウェブサイト)
これら三つの戦略文書が示しているのはウクライナで最初の発砲がされるずっと前に、ワシントン顧問団が常にロシアとの戦争のためイデオロギー基盤を準備していたことだ。その結果は確実からはほど遠いが、その戦争は現在進行中だ。
前進戦略は「それが二度と再び世界に対する脅迫となり得ないよう」ロシア自身の分割を勧めたチェイニー計画の変種のように思われる。ベン・ノートンによる記事がある。
「イラク戦争の主導的立案者である元米国副大統領ディック・チェイニーはソビエト連邦を解体したかっただけではなかった。彼はロシア自体が重要な政治的権力として再び台頭するのを防ぐためロシア自体を解体したかったのだ。アメリカ政府の頂点にいる人物が、それほど密かにではなく国としてのロシアの恒久的解体を求め、率直にこれをロバート・ゲイツのような同僚に伝えていることは、ソ連打倒以来、ワシントンがロシア連邦に対して取ってきた攻撃的姿勢を部分的に説明している。
現実はモスクワ政府が資本主義を復活させたにもかかわらずアメリカ帝国はロシアがユーラシアの一方的支配に対抗するのを決して許さないのだ。これがドイツ再統一後NATOが「東方に少しずつ」拡大しないという約束を破り、不安定化しようと決意し軍隊化した敵でモスクワを包囲してワシントンがロシアの安全保障上の懸念を完全に無視したのは驚くべきではない理由だ。」(「昔の副大統領ディック・チェイニーはアメリカの目標はソビエト社会主義共和国連邦のみならずロシアを分割することだと確認」ベン・ノートン、Multipolarista)
いくつかのより小さい国家にロシアを分割するのは長年ネオコンの夢だった。違いは今同じ夢が西洋中の政治的指導者に共有されていることだ。アンゲラ・メルケルによる最近の発言は西欧指導者が未だ実現されていない冷戦目標を実現すると決心している事実を強調している。彼らは軍事紛争を利用して彼らが望む政治結果に影響を与えるつもりなのだ。それは大幅に弱体化されたロシアが、中央アジア全域でのワシントンによる権力投射を阻止できないようにすることだ。これ以上危険な戦略は想像困難だろう。
記事原文のurl:https://www.unz.com/mwhitney/the-plan-to-carve-up-russia/
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