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軍事企業に供給制約 兵器増産鈍化でウクライナ影響も/日経
ウクライナ侵攻
2022年12月5日 8:01
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR01ES80R01C22A2000000/
対戦車ミサイル「ジャベリン」を抱えるウクライナ兵=ロイター
【ブリュッセル=竹内康雄】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は5日、世界の軍事企業に関する報告書を発表した。2021年の販売額は7年連続で増えたが、新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーン(供給網)寸断を受け、低い伸びにとどまった。SIPRIは22年はロシアのウクライナ侵攻が混乱に拍車をかけ、兵器の増産ペースに影響が出るとの見通しを示した。
21年の上位100社の兵器の販売額は5920億ドル(約80兆円)と20年比で1.9%(実質)増えた。新型コロナ感染拡大前の4年間の年平均増加率(3.7%)を下回った。主因は新型コロナによる供給網の制約だ。
世界的に納入の遅れや重要部品の不足が見られ、契約の見込みが立っても売り上げの計上を先送りした事例が相次いだ。軍事産業は多くの取引先を抱えており、例えば欧州2位のイタリアのレオナルドは1万1千社にかかわる供給網に依存している。
米ゼネラル・ダイナミクスや欧州エアバスなど一部の企業は労働力不足に直面した。ユーロ圏の10月の失業率は6.5%と過去最低を記録した。
22年はロシアのウクライナ侵攻で、SIPRIは「供給網の状況は一段と悪化する可能性が高い」とみる。世界の分断が深まり、従来通りの材料調達や生産、輸送が難しくなっているためだ。
ロシアは武器生産に欠かせないアルミニウムや銅、鉄、チタンなどの原材料の主要供給元になっている。西側諸国はロシアに経済制裁を科し、鉄鋼製品の輸入などが制限されている。世界的な半導体不足もなお尾を引いている。
一方で西側諸国は自らの軍備を増強したり、ウクライナに供与したりしているため、兵器需要は急増している。米国は10月までにウクライナに携行型の対戦車ミサイル「ジャベリン」を8500基提供したが、これは通常ならば4年分の生産量に相当するという。
SIPRIのベロシュドロー氏は取材に「軍事企業は政府の増産要求と供給網の混乱の板挟みにある」と語り、生産が需要に追いつくのに数年かかる可能性があるという。
各国・企業は調達先の多様化を急いでいる。北大西洋条約機構(NATO)は10月の国防相理事会で、兵器や装備の備蓄を増やすことを決め、産業界との協議に入った。供給網の混乱は、米欧各国の兵器の補充計画を狂わせ、ウクライナとロシアの戦いにも影響が出る懸念がある。
一方、ロシアも増産に動いているが、制裁の影響で半導体の入手が困難になっているほか、一部企業は支払いを受けられない状態にあるという。
上位100社を国別で見ると、ロッキード・マーチンを筆頭に5位までを米国企業が独占した。米企業は100社のうち40を数え、販売額も全体のほぼ半分を占めた。6位は英国のBAEシステムズが続き、7〜11位には中国企業がつけた。
中国を含むアジア・オセアニア地域の企業は21社が上位100位に入り、販売額は1360億ドルと5.8%増えた。うち、中国企業は8社で地域の総額の8割を占め、アジアの市場拡大をけん引した。日本企業は三菱重工業など4社が入った。
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