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アメリカが掲げる「麻薬戦争」の実態、そしてその終結を目指すコロンビア新大統領
<記事原文 寺島先生推薦>
The US War on Drugs Isn’t What it Seems – and Colombia’s New President Wants to End it
https://libya360.wordpress.com/2022/08/14/the-us-war-on-drugs-isnt-what-it-seems-and-colombias-new-president-wants-to-end-it/
アメリカの「麻薬戦争」の実態は表面からは見えない---コロンビア新大統領はそれを終結させたいと思っている
筆者:ブラドレイ・ブランケンシップ(Bradley Blankenship)
出典:INTERNATIONALIST 360°
2022年8月14日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2022年11月16日
南米に対するアメリカの覇権への強烈な攻撃を約束するグスタボ・ペトロ
8月7日、左派のグスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)がコロンビアの新大統領に就任した。長年右派政権だったコロンビアにとって、前例のない政治の揺り戻しの始まりとなる。ペトロは最初の演説で、気候変動、貧困、教育、そして特に、いわゆる「麻薬戦争」など、コロンビアが直面する多くの重要な問題について言及した。
(以下引用)
「今こそ、薬物戦争が音を立てて失敗し、過去40年間に100万人のラテンアメリカ人(そのほとんどがコロンビア人)を殺害され、北米では毎年7万人が薬物の過剰摂取で死亡していることを受け入れる新しい国際条約が必要だ。この薬物は、どれひとつとしてラテンアメリカで生産されているわけではないのだ」と彼は言った。
ペトロは、さらに言葉を続けた:この戦争が「マフィアを強化し、国家を弱体化させ」、他方、各国を犯罪に走らせたのだ。その中にはコロンビアも入る。そして、「生命を受け入れ、死を生みださない」新しいパラダイムを呼びかけると同時に、世界の麻薬政策を変えることができるのに、そうしないアメリカを非難した。
(引用はここまで)
米国主導の「麻薬撲滅戦争」において、コロンビアは最も重要なパートナーであり、このペトロの宣言はまさに画期的なものだ。コロンビアが現状を否定することは、国際社会に衝撃を与え、軍事優先の対応ではない新たな戦略について多国間で議論するきっかけになるだろう。
注目すべきは、ペトロが、今は存在しない左翼準軍事組織M-19と過去に関係があったことから、麻薬戦争について多少なりとも知っていること。この戦争には深い矛盾がある。コロンビアに対するアメリカの軍事援助と訓練は、麻薬取引との戦いよりも、反共産主義、つまりM-19のような集団の鎮圧に重点を置いてきたという事実である。
アメリカは、コロンビア軍を含む、十分に文書的裏付けのある人権侵害を行ったコロンビア国内の集団に軍事援助を送ったことがある。クリントン政権は、米国の国家安全保障にとってきわめて重要だとして、このような援助に通常付される人権に関する条件の大半を放棄することまでした。アメリカはまた、コロンビアの左翼勢力との闘いに過度の関心を向ける一方で、右翼勢力、例えば米国資本を支持する勢力を、たとえそれが麻薬取引と関係があったとしても支援する。
その顕著な例として、ジョージ・ブッシュ元米大統領から米国文民最高賞である大統領自由勲章を授与されたアルバロ・ウリベ(Alvaro Uribe)元コロンビア大統領は、米国情報機関によって同国の麻薬取引と結びついていることが確認された。彼は今もコロンビア政界の有力者であり、2002年から2010年までの在任期間中、この地域におけるワシントンの主要なパイプ役を務めていた。
こうした冷戦政治に伴う矛盾の上に、ペトロは米国主導の「麻薬戦争」の内部矛盾も正しく指摘している。麻薬禁止という国内政策はうまくいっておらず、人々はいたるところで死んでいる。米国の平均寿命は、現在進行中のCovid-19の大流行によって低下している。しかし、貧困と麻薬の蔓延が、平均寿命低下の一番の原因となっている。
このことは、RTのコラムでさまざまな論点について何度か書いた中で、私自身にとって特に重要な点である。オハイオ州シンシナティに生まれ、ケンタッキー州北部で育った私は、米国におけるアヘン危機の震源地であり、これらの薬物の破壊的な影響を直接目にしてきた。私は、そのためにバラバラに離散してしまった家族をいくつも知っている。中毒による困窮を目の当たりにし、さらに過剰摂取、自殺、ギャングによる殺人で12人ほどの同級生を失った。
ひとつ言えることは、現状はうまくいっていないということだ。せいぜい、再犯や再発が避けられないようなフィードバック・ループ(経過の振り返りを繰り返すこと)を生み出すだけだ。その一方で、民間のリハビリ施設や大手製薬会社は最終的には利益を得ている。その結果、米国ではこれまでと同様、貧困故の犯罪が生じることになる。なぜなら、世帯収入の低さは、おそらく薬物乱用の最も重要な指標だからだ。
このことがとりわけ重要なのは、国内的にも国際的にも、貧困が「麻薬戦争」の諸矛盾が交錯していることを示しているからである。すなわち、この戦争は、ワシントン政権の、後退的で、新自由主義的な動きの延長線上にあり、国内外を問わず、アメリカの富裕層独裁に挑戦するすべての社会運動を粉砕することが目的なのだ。
このアメリカという帝国は、言語に絶する犯罪を、どうしても犯してしまいかねない傾向を持つ国であり、その傾向のせいで被害を受けた人々に対して、道徳的な正義心をもたないだけでなく、信頼もできないし、無責任で、一貫したところが何もないことをさらけ出してきた。アメリカ帝国主義が必然的に下降線をたどるなか、国際社会の利益にそぐわない既存の政策を変更する機会の窓は自然に開かれることになるだろう。グスタボ・ペトロ大統領が、新しい国際的な麻薬撲滅という視点を呼びかけたのもその一つだ。
https://youtu.be/arKl3wwClQU
Four days into Petro's mandate, his Foreign Minister @AlvaroLeyva is in Havana with a Colombian government delegation.
Colombia rejects the U.S. classification of Cuba as a state sponsor of terrorism and says they hope to resume talks with the ELN in Cuba.pic.twitter.com/0I3UpTnAzi
— Kawsachun News (@KawsachunNews) August 12, 2022
https://twitter.com/KawsachunNews/status/1557910601288089600?ref_src=twsrc%5Etfw
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