http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/224.html
Tweet |
http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-1116.html
ブチャ再訪
<記事原文 寺島先生推薦>
Bucha, Revisited
https://libya360.wordpress.com/2022/10/22/bucha-revisited/
出典:INTERNATIONALIST 360°
2022年10月22日
著者:スコット・リッター(Scott Ritter)
西側が構築したウクライナ側のシナリオは、嘘の防御の上に成り立っている。そして、ブチャでウクライナの治安部隊に虐殺された何百人ものウクライナ市民の死をロシアのせいにする嘘ほど、大きなものはないのだ。
「60ミニッツ」*、誰が戦争犯罪を犯したか、についての偽情報を再録
『60ミニッツ』*・・・アメリカCBSテレビが放送するドキュメンタリーテレビ番組。
2022年4月1日から3日の間のある時期に、ウクライナの治安部隊がキエフ北部の郊外ブチャに入った。この町を占領していたロシア軍は、3月25日にロシア国防省が発表した全般的な軍再編の一環として、3月30日に撤退していた。ブチャは最前線にあり、ロシア軍とウクライナ軍の激しい戦闘の舞台となり、この戦闘に巻き込まれた数百人の民間人が死傷している。
ロシア軍はブチャに残ったウクライナ市民に人道的な物資を配り、地元の業者と乾物を新鮮な卵や乳製品と交換するなど、市民的な対応をしていた。ロシア軍が撤退する際には、親ロシア派市民も一緒に撤退するように勧めた。これは、ロシア軍がブチャを占領していた期間、自軍に「協力/協調」していたとみなされた民間人に対するウクライナの報復の可能性をロシア側が理解していることを明確に示している。
ロシア軍と交流のあった多くのウクライナ人は、限られた商取引や生き延びるための人道的物資の受け入れなど、ロシア兵との通常の交流はウクライナ国家に対する反逆には当たらないとして、その場を離れなかったのだ。
彼らは間違っていた。
https://youtu.be/OLbjRS6J60Y
※今夜(10月21日)の放送では、スコット・リッターがこの記事について解説し、視聴者の質問に生で答えます。
ロシア軍がブチャを出発した直後、ウクライナの治安部隊が町へ入ってきた。ソーシャルメディアや公共放送で、協力者を対象とした「浄化作戦」についてブチャ市民に警告するアナウンスが流された。ブチャに残っていた多くのウクライナ人は、この発表を受け、自分たちの行く末を案じ、ロシアの戦線に逃げ込むようになった。彼らは、ロシア軍にとって脅威でないことを示す白い腕章を付けていた。また、ロシアから支給された食糧を持参し、旅の支度をした。
しかし、時すでに遅し。
ウクライナの治安部隊、特にネオナチ・アゾフ連隊の退役軍人からなる「サファリ」部隊は、北上中の数多くの難民を捕まえ、ウクライナ人の言葉で言えば「浄化」し、その場で銃殺したり、手を後ろに縛ってブチャの路地や街で処刑したのだ。
この犯罪の証拠は圧倒的であった。しかし、事実に基づく真実の報道から、虚構のプロパガンダの速記へと機能を変えた元ジャーナリスト仲間たちが率いる「集団的西側」は、ロシア・ウクライナ紛争の交渉による解決の必要性から、ロシアを長期的に弱めるための消耗戦の維持へと世論を転換させるために、より大きな情報作戦に取り組んでいたのである。
そのためには、「集団的西側」は、ウクライナ人は自由や解放といった民主的価値の勇敢な擁護者であり、ロシア人はウクライナの国土を荒らし回り、罪のない市民を残虐に扱う強奪者であるという明確な「善対悪」の構図を描く必要があったのである。このような明確な役割分担は、ロシアとウクライナの紛争を「善」(NATO)と「悪」(ロシア)の間の事実上の存亡の争いに変えるために、これから行われる数十億ドル規模の財政・軍事支援の支持を得るために必要であった。
それは機能した。
ブチャは「集団的西側」の市民が結集する象徴となり、自国の指導者たちが介入して、紛争の実行可能な外交的出口を狭めさせ、イスタンブールでロシアとウクライナ当局の間で交渉されていた、紛争からの実行可能な外交的出口を弱めるために指導者が介入することを支持するだけでなく、制裁を通じてロシアを抑止し打ち負かす努力の失敗がもたらす破壊的な経済結果にも目をつぶってしまったのだ。西側諸国民は、自国の見かけ上の経済的安定を回復するためにそれぞれの指導者に働きかけることを要求する代わりに、西側主流メディアが想像の中で作り上げた凶悪なロシア像により近い政府を維持するために、自分たちが苦労して稼いだ宝物の何百億ドルも政府が振り込むのを拍手して見ていたのである。
それから7ヵ月後、「集団的西側」は新たな変節点にいることに気づいた。夏の間、NATOの基準で訓練・装備された新兵予備軍を増強したウクライナは、NATOの情報、通信、兵站、作戦計画の支援を受けて、ハリコフとケルソン方面で大々的な攻勢を行った。
この新しいNATO軍を犠牲にすることで、(何万人ものウクライナ兵が死傷し、何百台もの戦車や装甲車が失われた)ウクライナは、ロシア軍に意味のある損害を与えることなく、鳴り物入りの領土獲得に至ったのである。この「ピュロス王の勝利」(訳注:犠牲が多くて引き合わない勝利)によって、ウクライナは意味のある軍事的目的を達成することなく、戦略的予備軍を破壊することになった。さらに、防衛線の強化、30万人の予備役部隊の部分的動員、ウクライナを麻痺させるための戦略的航空作戦の開始といったロシアの反応によって、「ウクライナの勝利、ロシアの崩壊が迫っている」という状況から「ロシアの勝利はNATOの敗北」へと劇的にシナリオが変化しているのである。
ロシアは勝利している。
NATOはウクライナ戦線で敗北している。
この新しい現実を受け入れ、紛争を交渉で解決しようとするのではなく、「集団的西側」はまたしても、昔からよく知られている「善対悪」の偽りのシナリオを作り出し、ウクライナ支援でとっくに軍備と財政を空っぽにし、冬の到来とロシアのエネルギー制裁がもたらす現実を前に、経済と社会の惨事を目の前にした国々に、掛け金を次々に投入させ、過去にも現在にも未来にも負けが決まっているウクライナに倍賭けさせる気でいる。
西側の主流メディアで活躍するいわゆる「ジャーナリスト」が直面している大きな問題の一つは、彼らほど有能なフィクション作家でさえ、ウクライナがステパン・バンデラ(Stepan Bandera)の胸がむかつくイデオロギーの生き写しであり、その殺人的倫理観がウクライナの政府、軍、治安機関のあらゆる側面を感染させているという新しい現実に基づいてみんなを納得させる物語を作れないということである。
もう1つの問題は、ウクライナ人が簡単に言えば嘘つきだったことだ。
例その1。ウクライナの元人権担当オンブズマン、リュドミラ・デニソワ(Lyudmyla Denisova)。
ウクライナによって作られた「ブチャの大虐殺」という物語が、西側主流メディアの従順な共犯者によって流布された余波で、デニソワは、暗黒面からの物語にさらに尾ひれをつけることによって、元々の物語が生み出した道徳的怒りを持続させようとしたのである。彼女のやり口の典型は、BBCに語った物語で、ニューズウィークやワシントンポストなど他の西側メディアも疑うことなく、ウクライナでロシア兵が犯したとされる性的暴力犯罪について取り上げたものである。
「ブチャのある家の地下で、約25人の14歳から24歳の少女と女性が占領中に組織的にレイプされた。そのうち9人は妊娠している。ロシア兵は、ウクライナの子供を産ませないために、どんな男性とも性的接触を望まないほどレイプする」とデニソワはBBCに語った。
この話はどれひとつとして本当ではない。このような大嘘をつくと、いずれ誰かが、たとえ徹底的に妥協した西側の「ジャーナリスト」であっても、被害者と直接話をしたいと思うようになる。
レイプ被害者はひとりもいなかった。
デニソワはその後、自分の嘘の背後にある理由を説明した。「私はおぞましい話をしました。それも彼ら(西側)に、ウクライナとウクライナ人が必要とする決断をさせるためだったのです」とウクライナの新聞に話をしている。ある事例では、イタリア人が「私たちへの武器供与に反対」していたのに、彼女の話を聞いて「武器供与を含めてウクライナを支援する」と決めることになった、述べている。
ウクライナによるハリコフ再征服の余波で、ウクライナ当局はイジウム近辺の集団墓地の存在を軸に「新しいブチャ」の物語を作り出そうとした。しかし、この物語は、ウクライナ人が「協力者」とみなされる者に対して残虐行為を行ったという直接的な証拠が増える中で、すぐに崩壊した。
勝利に酔いしれたステパン・バンデラのウクライナ人支持者たちは、自分たちの犯罪を公然と自慢した。あるウクライナ人ボランティア分遣隊長(政党「右派セクター」のメンバー)は、ウクライナ人ジャーナリストに自分の犯罪を認めた。彼女は、多くの同胞の死を知っても何の感情も示さなかった。「あいつらを刑務所に入れる時間がない」と右派のチンピラは言い、ロシアとの協力で告発された人々は「ただ消えるだけ」と述べた。「多くの人々が消えたのでウクライナは国勢調査をしなければならないだろう、と彼は自慢げに言った。
その司令官の言葉を裏付けるように、掘られたばかりの墓には、処刑されたばかりの男女の遺体が、私服姿で両手を後ろに縛られた状態で埋まっていた。
この残酷な現実を克服できるような物語を作ることができず、主要メディアは、古い物語に新しい命を吹き込むという昔からの手口に頼った。ロシアの原罪であるブチャの「大虐殺」という嘘を、再び袋詰めしたのだ。
10月16日、CBSの看板ニュース番組「60ミニッツ」で、「ブッチャの失われた魂」と題する特集が放送された。スコット・ペリー(Scott Pelley)という特派員が、視聴者の心の琴線に触れるようなナレーションをした。
「ブチャの町は、春先にロシア占領軍が撤退するまで、国際的にはあまり知られていなかったが、全世界に衝撃を与える破壊と死を残した。ロシア軍は27日間にわたり、キエフ近郊で400人以上の市民を殺害した。犠牲者の中には、縛られ拷問されているのが発見された者もいた。多くは、殺された場所で腐敗するように放置された。」
ペリーは、ウクライナ治安部隊に奪還された直後のブチャを訪れ、死体が散乱した何百人ものウクライナ市民の死因を「ロシアが悪い」というウクライナ側のシナリオをオウム返しする上で大きな役割を担った。「60ミニッツ」によると、ペリーは、「惨状を直接目にし、町の中心部にある教会の裏に掘られた集団墓地を目撃した」とし、「その集団墓地で殺され埋められた人々についてもっと知るために再び訪れることを誓った」と述べている。
ペリーの話としてはそれだけだ。
ブッチャに埋められた犠牲者がいたことは疑う余地がない。
しかし、彼らはロシア人に殺されたわけではない。
ウクライナ人によって殺されたのだ。
願わくは、今回は、ウクライナで起きていることの真実に、欧米の聴衆が目を覚ましてほしい。
右翼団体の赤と黒の旗に身を包み、ロシアから奪還したすべての村、町、都市で、ヴォルヒニア(Volhynia)と東ガリシアにおけるステパン・バンデラとその信奉者の殺人的歴史を再現しているウクライナ政府の実態に目を向けてほしい。
訓練終了後、ステパン・バンデラを賛美するウクライナの空挺部隊の実態に目を向けてほしい。
「クラーケン大隊」をはじめとするウクライナ軍内のネオナチ軍団の戦車や装甲車に、公然と卍が描かれている実態に目を向けてほしい。
ウクライナ政府の犯罪的本質の現実に目を向けてほしい。
「60ミニッツ」と西側メディアはブチャの悲劇を好きなだけ再検討することができる。彼らが報告することは、通りに横たわる死体がウクライナ政府高官の命令でバンデラ崇拝者の「サファリ」大隊の殺人者によって殺されたという事実を変えることはない。ゼレンスキー大統領以下、同じウクライナ政府関係者が、ウクライナの経済と軍に数百億ドル相当の援助を与えるために、西側の怒りを引き起こすことだけを目的に、ブチャについて意図的に嘘をついたという事実は、何一つ変えることはできないのだ。
そして西側のウクライナへの投資は、敗戦にいたる大義の現実を変えることはできない。
ロシアは勝利に向かっている。
ロシアは勝利するだろう。
そしてブッチャのウソの上塗りをいくらしてもその現実を変えることはないだろう。
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。