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バイデンが破ったロシアとの戦争を回避するという約束は我々全員を殺すかもしれない
欧米指導者たちが直面している解決できないジレンマは、これが勝算がない状況であることだ。勇敢な和平会談だけがこの恐るべき対立を終わらせることができる。
メディア・ベンジャミンとニコラス・J・S・デイヴィス
2022年10月11日
Common Dreams
バイデン大統領はアメリカとNATO同盟諸国はロシアと戦争をしていないと言ってアメリカ国民と世界を安心させた。「我々はウクライナでロシアと戦争をしない」とバイデンは言った。「NATOとロシア間の直接紛争は第三次世界大戦であり、我々が防ごうと努力しなければならないものだ。」
アメリカとNATOの士官が広範囲なアメリカの機密情報収集やロシア軍の脆弱性につけこむための分析で支援され、今やウクライナでの戦争計画に全面的に関与していることは広く認められている、他方ウクライナ軍はアメリカとNATO兵器で武装しており、他のNATO加盟諸国の標準で訓練されている。
10月5日、ロシア安全保障会議書記ニコライ・パトルーシェフはウクライナでロシアが今NATOと戦っていることを認めた。一方プーチン大統領はロシアは核兵器を持っており、ロシアの公式核兵器ドクトリンが2020年6月に宣言している通り「国家の存在そのものが脅かされた時」それらを使う用意を調えていることを世界に想起させた。
国境での戦争でアメリカとNATOに敗北するのは、その教義の下、核使用の閾値を満たすとロシア大統領が解釈することはありそうに思える。
10月6日バイデン大統領はプーチンは「冗談を言って」おらず、ロシアが「戦術」核兵器を使えば「アルマゲドンで終わらない」ことは困難だろうと認めた。1962年のキューバ危機以来、どの時よりも全面的核戦争の危険が高いとバイデンは評価した。
我々の生存に対する実存的脅威の可能性を言ったにもかかわらず、バイデンはアメリカ人と世界に公式警告をせず、アメリカ政策の変更も発表しなかった。奇怪にも、大統領はその代わり、メディア王ジェームズ・マードック家における彼の政党への財政支援者の選挙資金集めパーティーで、商業メディアの記者が驚いて聞いている中で、核戦争の可能性について論じたのだ。
ウクライナを巡る核戦争の危険に関する核戦略見直し報告でハーバード大学の核兵器専門家マシュー・バンはロシアが核兵器を使う可能性を10から20パーセントと推定した。
我々は一体どのようにして、この戦争におけるアメリカとNATOの直接関与の除外から、出血と死を除く、この戦争におけるあらゆる側面へのアメリカの関与、更には推定10から20パーセントの核戦争の可能性にまで至ったのだろう?クリミア半島ケルチ海峡橋の破壊工作の少し前にバンはこの推計をした。もし双方がお互いのエスカレーションを更なるエスカレーションで続けたら今から数カ月で一体どんな推計になるのだろう?
欧米指導者たちが直面している解決不能のジレンマはこれが勝算がない状況だということだ。ロシアが6,000の核弾頭を所有しており、実存的軍事的敗北を受け入れる前に、明示的にそれらを使うと軍事政策が述べている時、彼らは一体どのように軍事的にロシアを破れるのだろう?
そして、それにも拘わらずウクライナにおける欧米の役割が激化している今、それこそが明示的に実現を目指していることなのだ。これはアメリカとNATOの政策次第で、我々の存在そのものが危機一髪なのだ。明示的警告にもかかわらず、プーチンはそうではなく、虚勢を張っているという希望だ。ウィリアム・バーンズCIA長官やアヴリル・ヘインズ国家情報長官やアメリカ国防情報局長官スコット・ベリア陸軍中将は全員我々はこの危険を軽く受けとめるべきではないと警告した。
アルマゲドンに向かう容赦ないエスカレーションの危険は、双方が冷戦中に直面したものであり、それが1962年キューバ危機という警鐘の後、代理戦争と軍事同盟が世界を終わらせる核戦争に陥るのを阻止するための仕組みである核軍備管理合意の枠組みに危険な瀬戸際外交が道を譲った理由なのだ。そうした予防措置が実施されている状態でさえ多くの危機一髪の出来事があったが、それらがなかったら我々はおそらくここでそれについて書いているまい。
今日、それら核兵器条約や予防措置を廃止したことで状況は一層危険になっている。それはいずれかの側がそれを意図するか否かにかかわらず、ロシアに従来の軍事的選択をいっそう限定させ、核兵器にずっと多く依存するよう強いる12対1というメリカとロシア軍事出費のアンバランスによって悪化している。
だが我々をこの道に至らせた双方による戦争の容赦ないエスカレーションに代わるものが常にあったのだ。4月に、希望を抱かせる停戦とロシア撤退とウクライナの中立的な未来という有望な15点の枠組みを作り出したトルコとイスラエルが仲介したロシアとの交渉を断念するよう欧米当局者がゼレンスキー大統領を説得して運命的措置をしたのだ。
その協定は欧米諸国がウクライナに安全保障するよう要求したはずだが、彼らはその関係者となるのを拒否し、その代わりウクライナに、決定的にロシアを破り、2014年以来失った全ての領域ウクライナが奪還する長い戦争のための軍事支援を約束したのだ。
この戦争での欧米の目標は再びウクライナ侵略できる軍事大国でない状態に至るまでロシアを「弱体化する」ことだとオースティン国防長官が宣言した。だがもしアメリカと同盟諸国が今までにその目標を実現するところに近づけば、ロシアは、そのような全体的な軍事的敗北を「国家の存在そのもの脅かされる」状態にすることだと見なして、公式に述べている核ドクトリン下で核使用を引き起こすことになるだろう。
5月23日、議会がウクライナのため新たな軍事出費240億ドルを含む400億ドルの援助プログラムを成立させたまさにその日、ウクライナにおけるアメリカ-NATOの新戦略の矛盾と危険が最終的にニューヨーク・タイムズ編集委員会の批判的反応に拍車をかけた。「ウクライナ戦争が複雑になりつつあり、アメリカは用意ができていない」という見出しのタイムズ論説記事が新しいアメリカ政策について重大な徹底したな質問をした。
「例えば、アメリカは、主権あるウクライナを可能にする和解とアメリカ・ロシア間の何らかの関係を通して、この紛争に終止符を打つのを支援しようとしているのだろうか? あるいは今アメリカは永久にロシアを弱体化しようとしているのか? 政権の目標はプーチンの不安定化、それとも彼の排除へと移行したのか? アメリカは戦争犯罪人としてプーチンに責任を問うつもりか? それとも目標はより広範な戦争を避けることか? これらの問題に対する明快さがなければ、ホワイトハウスはヨーロッパの大陸での長期平和と安全を危険にさらす。」
NYT編集者は続けて、多くの人々が考えてはいたが、このような政治問題化したメディア環境ではごく僅かの人々しかがあえて言わないようなことを発言した。ウクライナが2014年以来失った全ての領土を回復する目標は現実的ではなく、そうするための戦争は「ウクライナに計り知れない破壊をもたらす」と言った。彼らは「ウクライナが更にどれほど多くの破壊に耐えられるのか」「アメリカとNATOは一体どこまでロシアと対決するかの限界」についてゼレンスキーと率直に話をするようバイデンに求めた。
一週間後、バイデンは「アメリカがウクライナすることと、しないこと」という題の論説で「タイムズ」に答えた。彼は戦争は「外交を通してのみ決定的に終わるだろう」と言うゼレンスキーの言葉を引用し、ウクライナが「戦場で戦い、交渉の席でできる限り最強の立場にいられる」ようアメリカは兵器と弾薬を送っていると書いた。
バイデンは「我々はNATOとロシアの戦争を求めてはいない。アメリカはモスクワで[プーチン]追放を実現しようとはしない。」と書いた。だが彼は続いてウクライナに対し事実上無制限のアメリカ支援を誓い、「タイムズ」が質問した一層難しい質問、ウクライナでの戦争におけるアメリカの終盤や、この戦争へのアメリカ関与の限界や、ウクライナがどれだけ更なる破壊に耐えられるかについて、彼は答えなかった。
戦争がエスカレートし核戦争の危険が増加する中、これら質問は答えられないままだ。9月ニューヨークでの国連総会で戦争の速い終わりに対する要求が反響を呼び、世界人口の大部分を代表する66カ国が緊急に全ての側に和平会談を再開するよう求めた。
我々が直面する最大の危険は彼らの要求が無視され、アメリカ軍産複合体から給料をもらい過ぎの手先連中が、徐々にロシアに対する圧力を徐々上げる方法を見いだし、彼らが1991年以来しているようにはったりをかけ、全ての中で最も重要な「超えてはならない一線」を越えるまで「超えてはならない一線」を無視し続けることだ。
もし平和に対する世界の要求が手遅れになる前に聞き入れられれば、我々はこの危機を生き残り、アメリカとロシアは軍備管理と核軍縮の約束をよみがえらせ、彼らや他の核武装諸国が、それら大量破壊兵器をどのように破壊するか取り決め、最終的に我々の頭上に垂れ下がっているこの考えられず容認できない脅威を取り除けるよう核兵器禁止条約に加わらなければならない。
メディアベンジャミンとニコラス・J・S・デイビーズはWar in Ukraine: Making Sense of a Senseless Conflictウクライナで戦争:無意味な紛争の意味を理解する」の著者:2022年11月以降OR Booksで入手可能。
メディア・ベンジャミンはInside Iran: The Real History and Politics of the Islamic Republic of Iran.「イランの内情:イラン・イスラム共和国の本当の歴史と政治」を含む数冊の本の著者でCODEPINK共同創設者。
ニコラス・J・S・デイヴィスは独立ジャーナリスト、CODEPINKのリサーチャーで、Blood on Our Hands: The American Invasion and Destruction of Iraq我々の手の上の血:アメリカのイラク侵略と破壊の著者。
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記事原文のurl:https://www.commondreams.org/views/2022/10/11/bidens-broken-promise-avoid-war-russia-may-kill-us-all
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