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クリミア橋の爆破テロは橋に仕掛けられた爆弾により、計画は英のMI6だとの情報
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202210120000/
2022.10.12 櫻井ジャーナル
クリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア橋(ケルチ橋)で爆破事件があり、自動車用道路の桁ふたつが落下、ディーゼル燃料を運んでいた列車7両に引火した。トラックに積まれていた爆発物による自爆テロだと見られていたが、トラックはダミーで、橋に爆弾が仕掛けられていた可能性が出てきた。トラックが通過するタイミングで爆破されたということだが、その時に列車の電子システムが乗っ取られ、列車を停止させる信号が出たとする証言がある。
爆弾テロが実行された後、ウクライナ大統領府長官の顧問を務めるミハイロ・ポドリャクはこの破壊工作について「始まりだ」と発言、こうした工作を続ける意思を表明、黒幕はウクライナのSBU(ウクライナ保安庁)だとする見方が広がったが、ここにきて計画したのはイギリスの対外情報機関MI6(SIS)だという情報が出てきた。西側の有力メディアが実行者をSBUだとしているのはそのためだという。
MI6はイギリスの金融界、通称「シティ」との関係が深く、アメリカの情報機関CIAの教師的な存在でもある。イギリスは19世紀から世界を制覇するためにロシアを制圧しようとしてきた。その長期戦略をまとめ、1904年に「歴史における地理的要件」というタイトルで発表した学者がハルフォード・マッキンダー。今では「地政学の父」と呼ばれている。この戦略をアメリカの支配層が踏襲、ジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もその理論に基づいている。
マッキンダーの発表があった1904年の2月に日本軍が仁川沖と旅順港を奇襲攻撃して日露戦争が始まった。日本に戦費を用立てたのはロスチャイルド系金融機関のクーン・ローブを経営していたジェイコブ・シッフだ。1905年5月にロシアのバルチック艦隊は大遠征の末「日本海海戦」で日本海軍に敗北しているが、その直前からロシアでは第1次革命が始まっていた、
1914年6にサラエボでオーストリア皇太子がセルビア人に暗殺され、翌月にオーストリアがセルビアに宣戦布告して第1次世界大戦が始まるのだが、ロシア支配層は戦争に反対する地主階級と戦争に賛成する産業資本家との間で対立が生じていた。地主階級の意見を代弁していたグリゴリー・ラスプーチンは皇帝に対して影響力があり、資本家の背後にいたイギリス政府にとって目障りな存在だった。
ロシアの支配層内で参戦するかどうかで揉めていた最中の1914年6月にラスプーチンは腹部を刺されて重傷を負って入院。その間にロシアは宣戦布告していた。
その後も対立は続き、ラスプーチンは1916年12月、フェリックス・ユスポフに暗殺されたとされている。ユスポフ家の資産はロマノフ家を上回ると言われるロシアの有力貴族だ。
フェリックスは1887年3月にサンクトペテルブルクのモイカ宮殿で生まれているが、その11年前、その宮殿でイギリス人男子が生まれていた。ユスポフ家に雇われていた家庭教師のひとりの息子、スティーブン・アリーだ。この人物は後にMI6のオフィサーになる。フェリックスはオックスフォード大学へ留学するが、そこで親密な関係になったオズワルド・レイナーもMI6のオフィサーになった。
1916年にイギリス政府はMI6のチームをロシアへ派遣したが、その中心メンバーはアリーとレイナー。このチームはフェリックスと接触している。ラスプーチンの殺害に使われた銃弾を発射できるピストルを持っていたのはレイナーだけだったことから、真の暗殺者はレイナーではないかと考える人もいる。
そして1917年3月にロシアでは「二月革命」が引き起こされる。資本家のほか、社会主義革命の前に資本主義革命を実行しなければならないと信じるカデット、エスエル、メンシェビキが中心で、ボルシェビキは参加していない。その指導者は亡命中か刑務所の中だった。革命で成立した臨時政府は戦争を継続する。
それに対し、両面作戦を避けたいドイツ政府は即時停戦を主張していたウラジミル・レーニンに目を付ける。そこでドイツ政府はボルシェビキの指導者を列車でロシアへ運び、「十月革命」につながった。こうした経緯があるため、ソ連とドイツはアドルフ・ヒトラーが台頭するまで関係は良好だったのである。
そのヒトラーにウォール街やシティが資金を供給していたことがのちに判明したが、アメリカでは1933年から34年にかけての時期に金融界の大物たちがフランクリン・ルーズベルト大統領を中心とするニューディール派の政権を倒すためにクーデターを実行しようとしたいた。
アメリカやイギリスの支配層は一貫してドイツとロシアを敵視、両国を分断して戦わせ、共倒れさせようともしてきた。この構図は現在も変わっていない。
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