http://www.asyura2.com/22/warb24/msg/174.html
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プーチンのロシアは2月末にウクライナに侵攻した当初から、敵方である米国側
(米欧日など)に対し、ロシア軍を実態よりも劣勢・劣悪なものに見せ、勝てる
のに勝たないで負けているふり・弱いふりをする戦略を採っているのでないか。
私は、ずっとそのように疑っている。露軍は、侵攻直後にウクライナの制空権を
奪取し、今も保持している。米国側はウクライナ上空に入れない。露軍は制空権
を持っているのだから、攻撃してくるウクライナ地上軍を上空から反撃して破壊
できる。圧倒的に優勢のはずだ。ゼレンスキーを殺すこともできる。だが露軍は、
優勢さを十分に活用せず、地上軍どうしで戦闘してウクライナ軍に押されて撤退
したりしている。露軍は「負けている」「弱い」のでなく、ウクライナ側との
戦闘で「一進一退の状況」を意図的に演出している感じがする。
https://tanakanews.com/220624russia.htm
プーチンの偽悪戦略に乗せられた人類
ウクライナ内務省はブチャやイジュームなどで、露軍が占領地で虐殺・拷問など
の戦争犯罪を犯したと主張し、米国側マスコミはウクライナ政府の発表をそのま
ま報じている(ウクライナ当局の監視下でしか現場取材できないのでプロパガン
ダを鵜呑みにしている)。露軍が占領・警備しているザポロージエ原発に対する
攻撃も、露軍が自ら警備している原発を攻撃するはずがないのだから、ウクライ
ナ軍が行っていると考えられる。だが米国側マスコミでは「ウクライナに濡れ衣
をかける目的で露軍が攻撃している」という説が出回っている。露政府は、すべ
てウクライナ政府の捏造だと言っているが、捏造を示す具体的な反証を全く発表
しておらず、やられっ放しになっている。露政府はすべてのケースについて証拠
つきで反証できるはずなのに、それをやっていない。「露軍の犯行が事実なので、
露政府は反証できないのだ」と米国側のマスコミや軽信者たちは言うが、優勢な
露軍が虐殺などをするはずがない。
https://tanakanews.com/220421kramatorsk.htm
濡れ衣をかけられ続けるロシア
露政府はおそらく、戦争犯罪の濡れ衣を晴らさず放置している。「優勢なのに負
けたふり」「一進一退状況の演出」も続けている。これらの「偽悪戦略」をやる
ほど、米国側では「このままウクライナを支援して戦争を続け、ロシアを強く経
済制裁し続ければ、ロシアは負けて崩壊するはずだ」という話になり、米国側が
ロシアを敵視・経済制裁して石油ガス資源類を輸入せずに頑張る状況が続く。米
国側が今のような厳しい対露制裁を長く続けるほど、米国側とくに欧州諸国は、
資源類をロシアからの輸入に頼っていただけに、経済的に崩壊していき、戦後の
エリート支配が崩れ、選挙を経てあちこちでポピュリスト政権ができて親露露側
に傾き、EUが反露諸国と親露諸国に分裂して崩壊していく。プーチンは、米国側
を経済的に自滅させるために偽悪戦略を採っている。
http://alethonews.com/2022/09/29/is-russia-really-losing-in-ukraine/
IS RUSSIA REALLY LOSING IN UKRAINE?
(先日のノルドストリームの爆破も、米国の仕業だろう。多極派が牛耳る米諜報
界は、ドイツなど欧州を怒らせて非米側に押しやろうとしている。米諜報界は、
安倍晋三を殺すことで日本の保守派を怒らせたが、それと同質のことをドイツに
対してやったのがノルドストリーム爆破だ)
http://tass.com/world/1516625
Ex-advisor to Pentagon chief suggests US, UK might be behind Nord Streams incident
米国側の経済自滅は、戦後ずっと続いてきた米国覇権の世界体制を終わらせる。
前回の有料記事に書いたように、すでに英国は金融崩壊し始めている。これから
米国も金融危機になる。冷戦後(1985年の米英金融自由化後)の米英覇権は、債
券化による金融バブルで支えられてきたが、その大黒柱が崩壊していく。ウクラ
イナ戦争は、米国のQE終了と重なる時期に開始され、米英の金融崩壊に合わせる
形で展開している。冷戦後の世界経済は、米英が主導する金融システムが上位に
あり、ロシアやサウジアラビア、中国など、資源類と製造業など実体経済を担当
する諸国は下位で、金融面から米英に支配されてきた。この状況は2月末のウク
ライナ開戦後、劇的に転換した。
https://tanakanews.com/221002bond.php
破綻が進む英米金融
米英主導の米国側は、ロシアから一切の資源を輸入しなくなり、対抗してロシア
は中国やサウジアラビアなどを誘い込んで資源類が米国側に行かないように仕向
けた。世界は、金融を握る米国側と、資源を握るロシア非米側に分裂した。それ
と同時に、米英がQE終了で金融危機になる流れが加速し、米国側は実体経済も資
源不足に陥って不況とインフレで破綻していく傾向が確定した。それまで上位だ
った米国側・米国覇権が金融と実体経済の両面で崩壊していく。実体経済の繁栄
に不可欠な資源類を握ったロシアなど非米諸国は、ドルや米金融に依存しない決
済体制を構築し、米覇権の崩壊後に多極型の国際政治体制を作って世界の運営を
引き継ぐ準備を進めている。
http://www.rt.com/business/563729-brics-reserve-currency-talks/
BRICS holds talks on reserve currency diplomat
ウクライナ戦争で最も重要な分野は、ウクライナでの戦闘の状況でなく、金融で
世界を支配してきた米国覇権が崩壊していき、ロシアが非米諸国を誘って世界の
資源類を握り、米国覇権の崩壊を加速させる闘い(国際政治闘争)を展開しつつ、
世界の覇権構造を米単独覇権から多極型に転換していく国際政治経済の分野で
ある。戦闘よりも多極化・覇権転換の進展が重要だ。ウクライナでの戦闘は、こ
の覇権転換にタイミングを合わせる形で、一進一退の感じを長引かせつつ展開し
ていく。
https://www.gatestoneinstitute.org/18940/shanghai-cooperation-organisation
The Golden Road To Samarkand
プーチンのロシアは今回、ウクライナからの分離独立とロシアへの併合を希望し
ていたロシア系住民が多い東部4州をロシアに併合し、同時に、ウクライナ戦争
を国家総動員体制に格上げした。米国側のマスコミや軽信者たちは、この動きを
「ロシアはウクライナとの戦争に負けているので、完全に負けてしまう前に時間
稼ぎのために4州を併合するとともに、国家総動員体制を敷いて徴兵によって兵
力不足を補おうとしている。ロシアは負けつつある」とみなしている。4州併合
後、早速ドネツク州のクラスニイ・リマンの街がウクライナ軍に包囲され、露軍
が退却して明け渡している。徴兵逃れのために国外脱出を試みるロシアの若者た
ちのことが米国側で喧伝され、露国民はプーチンを嫌っていると報じられた(支
持率8割だけど)。4州の併合後、プーチンら露政府上層部が、米国側との戦争
で不利が増したら核兵器を使いうると表明したことも、ロシアが負けて追い込ま
れている象徴と米国側にみなされた。
http://www.rt.com/russia/563866-krasny-liman-withdrawal-troops/
Russian forces withdraw from key Donbass town
やはり露軍は米国側マスコミが報じる通り、弱くて敗北寸前でないのか??。負
けてないなら動員体制など組まなくていいはずだし・・・。そんな疑念もよぎっ
たが、いろいろ考えていくとむしろ、これはプーチンが従来の戦略に沿って、新
しい段階の作戦を開始したことを意味すると考える方が、私にはしっくりきた。
2月末の開戦からこれまでは、ウクライナ東部で米傀儡のゼレンスキー政権から
弾圧殺害されてきたロシア系住民を救うことがロシアの動きの目的とされてきた
が、それは今回の4州併合によって一応解決した(一進一退の戦闘は今後も延々
と続くが)。今後のロシアの中心課題は「昔からロシアを敵視・虐待し続けてき
た米英の覇権体制を壊すこと」になる。悪しき米英覇権を潰し、世界の体制を非
米的な多極型に転換することが、今後のロシアの中心課題になる。プーチンは、
9月始めの東方経済フォーラムでの演説でそれを打ち出し、今回4州併合時の演
説でもそれを強調している。
https://tanakanews.com/220916asia.htm
ロシア敵視で進む多極化
ロシアが米英を潰そうとしている。そう書くと、その主戦場は「経済」でなく
「軍事」になると思いがちだ。米露が戦争し、核戦争の世界大戦になる!!。大変な
ことになる!!!。セルビアの親露的なブチッチ大統領などは、そのような思考回
路に沿って、9月20日の国連演説で「1-2か月以内に、第2次大戦のような世界規
模の戦争になる」と述べたのだろう。だが、それから2週間経ったものの、事態
はそっちの方向に進んでいない。軍事的に今の焦点は「世界大戦」でなく、ドネ
ツク州の街クラスニイ・リマンがウクライナ軍に包囲されて取られてしまったと
いう、従来どおりの小規模な一進一退の戦闘だ。おそらく今後も、軍事的な大戦
争にはならない。米英覇権を潰そうとするロシアの闘いの主戦場は、軍事でなく
経済である。これは軍事と経済の両面がある「複合戦争」で、軍事はウクライナ
東部に限定されているが、経済はドルの威力(基軸性)から資源類の世界市場ま
で幅広い。軍事の戦闘を小規模にすることで、犠牲者を少なくして、効率よく
「大戦相当」の覇権転換を引き起こそうとしている。
https://tanakanews.com/220921russia.php
特殊作戦から戦争に移行するロシア
しかも経済面ですら、ロシアと米英が格闘して勝敗をつけるのでなく、ロシアは
プーチンとかが「米英覇権を潰す闘いをするんだ」と宣言し続けて石油ガス資源
類を米国側に売らないでいるうちに、米英が勝手に金融バブル崩壊していき、欧
州も資源不足で経済破綻していく流れになる。米英がこれから金融崩壊していく
ので、ロシアは戦わずして勝っていく。米英は金融崩壊する可能性がどんどん高
くなり、ロシアは何もしなくても不戦勝する。プーチンは、この流れに合わせて
「米英覇権と闘って潰すぞ」と宣言し続けることで、何もしなくても「プーチン
は米英覇権と闘って勝っている」という話になる。ロシア国内でのプーチンの高
い人気が維持される。
http://www.rt.com/news/563828-west-russia-world-war/
West and Russia already fighting WW3 former US advisor
プーチンは今回、ロシア国民に総動員をかけたが、その本質は、米英が金融崩壊
していくタイミングを狙って「プーチンと露国民が総動員で米英覇権と闘って勝
つ」という構図を作り、ロシア人が戦勝感や達成感を得られるようにしている。
これは政治闘争だ。実際に兵士として動員する人数は多くない。プーチンは、
2月末に米英がQEをやめると同時にウクライナに侵攻して世界を金融vs資源の強い
対立に転換し、今回また米英が金融崩壊を加速しそうなタイミングで4州併合と
露国民動員、米英覇権潰しの闘いの宣言を発し、ウクライナの戦争を覇権転換の
闘いに転換している。日本など米国側の軽信者たちは「マスコミは本当のことし
か報じない」というウソに絡め取られ、米国側マスコミの戦争プロパガンダを信
じてしまい、本質が全く見えなくなっている。日本などの左翼リベラルは本来な
ら、米英覇権の世界支配を壊すロシアの闘いに賛同・参加すべきなのに、間抜け
にも米英マスコミのプロパガンダを軽信し、ロシアを敵視している。大馬鹿だ。
https://tanakanews.com/220525hybrid.htm
複合大戦で露中非米側が米国側に勝つ
米英の中央銀行がQEを再開すると、今後も米英金融システムがしばらく延命する。
その場合、ウクライナの戦闘の一進一退な状況をしばらく続けて時間稼ぎできる。
欧州など米国側の実体経済は悪化し続け、ひどいインフレも続き、金融システム
はいったん延命してもいずれまた崩壊する。米国側で流通網を詰まらせてインフ
レをひどくしているのは米諜報界(隠れ多極派)の意図的な策略だ。インフレ対
策という間違った名目で中銀群にQEを止めさせてQTをやらせているのも諜報界。
マスコミも諜報界の傘下。英国も隠れ多極派に入り込まれているので、自滅策を
連発するトラスを首相にした。プーチンは、米国側の自滅策にうまく便乗して
いるだけだ。米諜報界は、間接的にプーチン政権に入れ知恵している可能性が
高い。世界は、米露の多極派の隠然とした協調によって多極化している。
https://tanakanews.com/220919multipol.htm
世界を多極化したがる米国
この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/221005russia.htm
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