http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/885.html
Tweet |
※紙面抜粋
※2023年4月10日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
選挙も無風で終わると鼻歌、濡れ手で粟状態(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
統一地方選の前半戦は下馬評通りの結果だった。9日、午後7時58分から特番を組んだNHKは15の首長選をすべて「ゼロ打ち」。投票箱のフタが閉められた午後8時ちょうどに当確を出した。次点以下に大差をつけた圧勝が間違いないからだ。
与野党対決は岸田自民党が制した。北海道では鈴木直道知事が再選し、大分県知事選では参院議員を辞職して臨んだ安達澄氏が元大分市長の佐藤樹一郎氏に敗れた。2030冬季五輪の誘致で揺れる札幌市は、推進派の秋元克広氏が3選。不倫相手に宛てた変態じみたメールを暴露された神奈川県の黒岩祐治知事も4選した。
大阪のダブル選は大阪維新の会が総ナメ。新型コロナウイルスをめぐるデタラメ対応で人口あたりの死亡者数が全国ワーストで、IR(カジノを含む統合型リゾート)の誘致をめぐっても府民が割れているのに、吉村洋文府知事が再選し、横山英幸元府議が市長選で初当選した。高市経済安保担当相のスタンドプレーで保守分裂となった奈良県知事選も、維新が勝った。日本維新の会の馬場代表は「大阪での改革を見てもらった奈良の皆さんから『奈良も大阪のようになればいい』という期待をいただいたと思う」とか言っていたが、ウソやろという話だ。
フランスのデモは11度目
自民党が政権を奪取し、第2次安倍政権発足以降というもの、弱肉強食の新自由主義が猛威を振るい、弱者が露骨に虐げられるようになった。圧政、暴政に有権者の感覚は麻痺してきたのか。だから、こんな結果になったのか。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「投票率が低く、選挙に民意が反映されているとはとても言えない。地方行政のみならず、国政に対しても有権者が物申す絶好の機会を統一選の前半戦では生かしきれなかった。歯がゆいです。国民の責任は非常に大きいと思いますよ。コロナ禍では住んでいる自治体によって、健康や命が左右される問題が露呈した。維新が牛耳る大阪では医療費などをムダだと削減し、多くの犠牲を出したにもかかわらず、無能なトップが再び選出された。そういう意味では、後ろ向きに変化していると言えるでしょう。自公与党に維新もくっつき、この国は大軍拡路線を突き進んでいる。後半国会では防衛費倍増を裏付ける財源確保法案が審議されています。民意も国民の暮らしもないがしろでいいのでしょうか」
円安物価高に苦しめられる中、防衛増税のみならず、少子化対策費が社会保険料に上乗せされようとしているのに、どうしたことか。欧州ではインフレや年金改悪などに怒った市民が、連日のようにすさまじい抗議運動を展開している。とりわけ激しいのがフランスで、英国のチャールズ国王の訪仏が延期されるなど、影響は多方面に広がっている。
マクロン政権が強行する年金制度改革に反対する大規模デモは、6日(現地時間)に11度目となった。内務省によると、全土で57万人が参加。前日にはボルヌ首相がデモを主催する主要労組の代表者らと初めて交渉したものの、決裂したことから、13日にも大規模デモを実施する見通しだ。一部が暴徒化し、マクロン大統領がなじみのパリのカフェに放火して100人以上が逮捕されたり、資産運用世界最大手の米ブラックロックがオフィスを構えるビルに数十人が押し入って発炎筒をたく騒ぎなども起きた。年金の受給年齢を現行の62歳から64歳に引き上げる改革法案は国民議会(下院)で投票を経ずに採択される異例の経過で成立したため憲法会議が違憲審査を進める事態になっている。
物価高の元凶・日銀総裁は居直り退任
旧ソ連構成国ジョージアでは、政府与党が言論弾圧につながりかねない法案を推し進めたため、3日間にわたる激しい抗議デモを引き起こし、撤回に追い込まれた。資金の20%以上を国外から提供されている団体に「外国の代理人」としての登録を義務付け、未登録の団体には多額の罰金を科す内容で、ロシアで12年に制定された法律にソックリ。将来的な目標のEU加盟が遠のく懸念があった。
アベノミクスが継続中の日本はもっとヒドイ状況なのに、選挙も無風で首相は鼻歌なんて冗談じゃない。
物価高の元凶である日銀の黒田総裁は8日に退任。最後の会見では性懲りもなく「ベア(ベースアップ)が復活し、雇用者報酬も増加した。これまでの政策運営は適切だった」などと、自己正当化のオンパレード。22年の実質賃金指数(20年=100)は99.7で、異次元緩和を始める前の12年の105.9を大きく下回っているにもかかわらず、だ。日本の実質経済成長率はこの10年、平均で0.5%にとどまり、欧米から引き離されており、潜在成長率も伸び悩んでいるのに「むしろもっと下がるものが下がらなくて済んだ」と強弁だから、開いた口がふさがらない。安倍政権以降、国債頼みの政策乱発を丸のみし、日銀が国債を買い入れる事実上の財政ファイナンスを常態化させたことも忘れちゃいけない。日銀が保有する国債は580兆円に達し、政府発行済み国債の50%超を占める。政府が国債費増加を嫌がるから利上げできず、国民に負担を押し付け続けているのだ。
野党の自爆テロにニンマリ
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言った。
「野党が壊滅的に崩れている。立憲民主党は維新と組んだり、自民党に譲歩したり、何がしたいのかサッパリ分からない。政権に対峙し、おかしいことはおかしいと言う野党第1党の立ち位置をグダグダにしている珍しい政党ですよ。共産党は党員除名問題で強硬な面を押し出してしまい、無党派層にとって魅力がなくなった。つまるところ、岸田政権に風が吹いているわけではなく、野党の自爆テロで『濡れ手で粟』状態なんです。これといった手を打っていないのに、野党が負けてくれる安いハナシなんですよ。投票率の低さは関心の薄さとイコール。政治の劣化に有権者がしらけるのは無理がありませんが、それでいて、生活に不満を言うのはツジツマが合わない。有権者もそう考え直さなければ、いい方向への変化は訪れませんよ」
国民が声を上げ、あらゆる選挙で意思を示さないと、この国の凋落と生活苦は止まらない。本番は衆参5補選も実施される後半戦だ。選挙戦真っただ中の参院大分選挙区に続き、衆院千葉5区、和歌山1区、山口2区、山口4区が11日、告示される。投開票日は23日。この2週間で流れは変えられる。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK289掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK289掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。