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【衆参5補選の最新情勢】岸田自民は「5戦全勝」余裕綽々どころか“負け越し”に現実味
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321138
2023/04/07 日刊ゲンダイ
「銀座のママ」か、それともー(参院大分選挙区補欠選挙、自民党公認の白坂亜紀候補と岸田首相=右)/(C)日刊ゲンダイ
参院大分の補欠選挙が6日告示され、来週11日には衆院の4補選(千葉5区、和歌山1区、山口2、4区)の告示が続く(いずれも投開票は23日)。自民党は「5勝全勝も」と一時は余裕綽々だったが、現実は甘くない。まさかの負け越しもあり得る情勢だ。
■参院大分
「話が違う」と岸田首相と茂木幹事長が激怒しているらしい。
自民党が銀座クラブオーナーの白坂亜紀氏、立憲民主党が吉田忠智元参院議員を擁立。一騎打ちの構図だ。吉田氏は共産、社民の支持と国民民主県連の支援も得て、事実上の野党統一候補となっている。
「元社民党党首の吉田氏は、2020年に立憲へ移籍した。社民系労組の反発があり、自民党の大分県連は党本部に『連合は吉田をやらない』と報告していた。ところがフタを開けたら、国民民主まで応援するという。こっちは銀座のママ。女性票が来てくれるかどうか」(自民党関係者)
千葉は自民・立憲横並び
元社民党党首か(参院大分選挙区補欠選挙が告示、第一声を上げる立憲民主党の吉田忠智候補=6日午前)/(C)共同通信社
■千葉5区
予想外なのが、自民議員が「政治とカネ」で辞職したこの選挙区だ。当初は自民苦戦が想定されたが、立憲、維新、国民、共産の主要野党が連携せず、野党候補が乱立。反自民票が分散し、自民が漁夫の利を得るとみられてきた。
ところが、自民やメディアの先週末の情勢調査で、自民と立憲の候補が2〜6ポイント差でほぼ横並びだったという。
「自民候補は落下傘で知名度ゼロ。さらに、辞職した議員が麻生副総裁の子飼いだったことから、擁立やら今後やら、麻生さんが引っかき回して混乱させている」(地元関係者)
まだ告示まで時間がある。野党はギリギリまで一本化を目指したらどうか。
■和歌山1区
自民候補の元職の評判が悪すぎ、擁立を主導した和歌山選出の世耕参院幹事長が焦りまくっている。5日は元職のため、通算3度目の応援に入っただけでなく、市議選が行われている大阪市にも立ち寄り、ナント公明党候補を応援。「代わりに和歌山をよろしく」という公明とのバーター協力にすがるほどだ。
和歌山のドン・二階元幹事長は、元職とは別の人物の擁立を望んでいたとされる。選挙の構図は自民VS維新VS共産。自民の組織はまとまりを欠き、維新に議席を取られる可能性がある。
■山口2、4区
保守王国だからといって決して自民は安泰ではない。
2区では、安倍元首相の甥で岸前防衛相の長男に対し、法相経験もある野党系元職が無所属で出馬する。元職に一定の知名度があるうえ、華麗なる家系図をアピールするなど「世襲は当然」という岸家のやり方に有権者の嫌悪感がジワリ。「接戦になるのではないか」(地元関係者)と不透明感が漂っている。
安倍元首相後継の前下関市議に、立憲が旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)問題に詳しい有田芳生前参院議員をぶつけた4区も、自民に逆風が吹いている。山口は次回総選挙で定数減となる。下関で安倍系と長年戦ってきた林外相系がどこまで本気を出すのかが勝敗のカギを握る。
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