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再審開始が決定した袴田事件(前編)「巌さんは『再審決定』を報じる紙面を食い入るように見ていた」 声を放つ 当事者の証言
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/320550
2023/03/25 日刊ゲンダイ
「袴田さん支援クラブ」代表 猪野待子さん
袴田巌さんの第2次再審請求の差し戻し審で再審開始が認められ、東京高裁前で支援者と写真に納まる姉ひで子さん(中央)/(C)共同通信社
1966年6月30日未明、静岡市清水区(旧静岡県清水市)のみそ製造会社の専務宅から出火し、焼け跡から一家4人の他殺体が発見された。事件から約1カ月半後、警察は元プロボクサーで従業員だった袴田巌さんを逮捕。公判では一貫して無実を主張したが、80年11月に強盗殺人罪などで死刑判決を受けた。
そして逮捕から半世紀経った今年3月21日、静岡地方裁判所での裁判のやり直しが決まった。
袴田さん(87)と弟の無実を信じ、戦ってきた姉・ひで子さん(90)を支援する猪野待子さんに聞いた。
◇ ◇ ◇
再審開始が決定したのは今月13日。第2次再審請求差し戻し審で、東京高裁が検察側の即時抗告を棄却した(東京高検は20日、最高裁への特別抗告を断念)。
14日の夕方、猪野さんは、東京から浜松市の自宅マンションに帰宅したひで子さんと抱き合って、喜びを分かち合った。
「ひで子さんは体中から喜びがあふれていました。巌さんに『いわちゃ、今日すごく良いことがあったの。裁判に勝ったから何も心配しなくていいよ』と声をかけて、東京高裁からの決定文を見せていましたね。巌さんはぽかんとしながら、『ああ』と声を出していました」
袴田さんは死刑執行の恐怖のなか長年拘束され、今でも「拘禁症」に悩まされている。
「裁判に勝っていると思っていますが、精神的な混乱状態が起こる可能性があるため、裁判の詳細は伝えていません。ただ、巌さんは毎朝、朝刊で日付を確認しているのですが、14日は『再審決定』を報じる紙面を食い入るように見ていらっしゃいました」
袴田さんが逮捕されてからすでに57年。死刑確定の翌81年から始まった第1次再審請求は、08年に最高裁が特別抗告を棄却。審理に27年もかかった。同年に袴田さん側が申し立てた第2次再審請求審で14年3月に静岡地裁が再審開始を決定し、袴田さんは約48年ぶりに釈放された。この時は静岡地方検察庁が東京高裁に即時抗告。18年に東京高裁は再審開始を取り消した。
その後、袴田さん側が上告。最高裁は高裁に審理を差し戻し、今回の再審開始決定に至る。実は、猪野さんが姉弟の支援を始めたのは最近だ。16年に新聞の告知で関心を持ったドキュメンタリー映画「袴田巖 夢の間の世の中」を見たことがきっかけで、同じ浜松に住む袴田さんの事件を夫婦で調べ始めたという。この年の年末に支援者の紹介で初めて姉弟に会った。
その後、肥料や農薬を使わない農園を営んでいる猪野さん夫婦は、無農薬野菜をお裾分けに行った。袴田さんの自宅までは車で片道50分。17年の1年間は300日通ったという。それから丸6年、現在も年間平均280日は姉弟と家族付き合いをしている。
1審で死刑判決を書いた裁判官の一人が無実を確信
「事件を知る中で、印象的だったのは、死刑及び拘置の執行停止を決定した静岡地裁の裁判長が、『重要な証拠が捜査機関に捏造された疑いがある』として『拘置を続けることは耐え難いほど正義に反する』と言及したこと。また、1審で死刑判決を書いた裁判官の一人が巌さんの無実を確信しており、自責の念にかられて後に涙ながらに懺悔していることを知り、無実は明白だと思いました。それに2人は実際にお会いすると人間的な魅力があって。無実の罪で逮捕され、半世紀も勾留され、人間に絶望して城壁をつくってきた巌さんと、無実を信じて支えてきたひで子さんを多くの人に知って欲しいと思いました」
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