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※紙面抜粋
※2023年3月23日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
不毛な論争、時間浪費の茶番国会(答弁する高市早苗経済安保担当相)/(C)日刊ゲンダイ
高市経済安保相は、いつまで空騒ぎを続けるのか。放送法が定める「政治的公平性」の解釈変更に関する総務省の内部文書について、高市は今も「捏造」と主張し続けている。
22日は総務省が追加の調査結果を参院予算委員会の理事懇談会に提出。高市が総務相だった2015年2月の「大臣レク」については、文書に名前がある関係者から聞き取り調査をした結果として、その内容が放送法の解釈変更についてだったかは「確認できない」としつつ、レク自体は「行われた可能性が高い」と結論づけた。
総務省の調査結果には、文書作成者の「(政治的公平性を定めた)放送法4条の解釈という重要な案件を大臣に全く報告していないというのはあり得ない」という証言も記されている。
そりゃそうだろう。報告を受けてなかったとすれば、何のための総務相なのか。高市の発言は、自らの存在意義を否定するに等しい。作成者とは別の2人も「大臣レクが存在しなかったとは認識しにくい」などと説明しているという。もちろん文書は捏造ではないというのが、総務省としての答えだ。
ところが、絶体絶命の高市は、この期に及んでレクの存在を否定。22日の予算委で、総務省の調査結果を受けてなお「捏造」という認識なのかと問われると、「総務省も文書の正確性を確認できなかったということで、やはり不正確な文書であるという私の考え方は変わらない」と開き直った。
「表現の仕方」にスリ替え
高市は「捏造」の主張を譲らない上、辞任を迫られると「ありもしないことをあったかのように作ることを『捏造』と申し上げた私の表現の仕方をもって辞任ということは、少し筋違いな指摘だ」と意味不明の答弁。完全に迷走している。
捏造でなければ大臣も議員も辞めると高市が啖呵を切ったせいで、騒ぎが大きくなり、ここまでこじれてしまったのではないか。自分で約束しておいて、今さら「表現の仕方」の問題にスリ替えるとは、なんと薄っぺらい啖呵だったことか。
「捏造だとか、クビを懸けるとか、最初に威勢のいいことを言ったせいで高市氏は追い込まれている。自業自得です。途中で発言を撤回して謝罪する道もあったのに、ここまで突っ張った以上、引くに引けなくなってしまった。岩盤保守層にこびて、戦う姿勢をアピールしているのかもしれませんが、ひとり意固地になって国会を空転させ続ける高市氏には、自民党内からも冷ややかな視線が注がれています」(ジャーナリストの横田一氏)
この不毛な論争を早く終わらせるには、野党の要求に応じて、文書に名前が出てくる当時の総務省幹部や礒崎首相補佐官、山田首相秘書官を証人喚問すれば、あっさり決着する。簡単な話だ。しかし、与党は応じないから、文書の正確性やレクの有無といった“記憶頼み”の話で国会審議が浪費されてきた。そういうことがないよう行政文書が保存されているのに、まったく茶番もいいところだ。
「この問題の本質は、安倍政権下で放送局の『政治的公平性』が1つの番組でも判断できるよう、不当な手続きで解釈変更されたことです。文書の正確性や高市氏の騒動は“場外乱闘”に過ぎません。政治の圧力でメディアが萎縮し、それが今も続いている。大メディアが政治権力による言論介入という重大な問題に切り込まず、場外乱闘の報道にかまけているのがその証左です。同じことは旧統一教会と自民党の癒着問題にも言えて、大メディアはすっかり腰が引けています」(横田一氏=前出)
安倍政権よりも対米従属と海外バラマキが加速
岸田が外遊から帰国する23日は統一地方選の告示日だ。高市騒動で予算委の議論が一向に深まらないまま、来週には予算が成立して、永田町は4月の統一地方選に向けて走り出す。野党が追及する場は減り、旧統一教会や放送法の問題もウヤムヤになってしまいかねない。
「岸田首相にとっては願ってもない展開でしょう。放送法の解釈変更を現政権も維持していることがもっと追及されてもおかしくないのに、高市氏が風よけになって首相は矢面に立つことなく、涼しい顔をして“知らぬ、存ぜぬ、責任取らず”のノラリクラリ答弁で予算委を乗り切ろうとしている。
大メディアも、政府に放送法の解釈変更を撤回させようとスクラムを組むでもなく、高市氏のニュースに特化してウヤムヤ決着のお先棒を担いでいるように見えます。参院予算委で高市氏に話題が集中したおかげで、首相自身の政治姿勢が厳しく問われることもなかった。だから、本来なら予算審議が大詰めで身動きがとれないはずの3月下旬にウクライナを電撃訪問することもできたのです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
岸田の頭にあるのは、G7サミットで目立つことだけ。そのために、ウクライナの首都キーウにも行った。G7首脳で自分だけ行っていないのはカッコつかないというだけの理由だ。
被爆地の広島選出を売りにするくせに、理念がないから、戦争を終わらせるために汗をかいて和平提案をするわけでもない。広島サミットにゼレンスキー大統領がオンライン参加することを手柄に誇り、追加の支援を約束してきただけだ。
今回の外遊だけで約10兆円
「第2次安倍政権で外相を5年近く務めた岸田首相は外交が得意だと自負しているそうですが、当時の外交は安倍官邸が仕切り、岸田外相は“お飾り”のような存在だった。今やっていることも、安倍元首相を真似て米国追従と海外バラマキを加速させているだけです」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
ウクライナ入りの目くらましに訪問したインドでは、「自由で開かれたインド太平洋」の新たな推進計画として、グローバルサウスと呼ばれる途上国のインフラ支援に官民で750億ドル(約9兆8000億円)以上の資金を投じると表明。昨年、首相就任後初の2国間外交としてインドを訪れた際も、向こう5年間でインドに5兆円を投資すると約束している。インドのモディ首相をG7広島サミットに招待することも決まったが、それが総額15兆円も投じた成果だというのか。
ウクライナにも追加支援を約束してきた。先月、55億ドル(約7200億円)の財政支援を発表したばかりだが、さらに殺傷能力のない装備支援として3000万ドル(約40億円)を新たに拠出するとゼレンスキー大統領に伝えた。エネルギー分野などで4.7億ドル(約600億円)の追加支援も表明した。
「今回の外遊だけで10兆円近くもバラまいてきたわけです。それ以外にも、外遊のたびに気前よく大盤振る舞いしてきた。あれだけバラマキ批判された安倍元首相だって、8年間で約60兆円とされるのに、岸田首相の海外バラマキはすでに30兆円に届こうとしている。その原資は税金ですよ。国民生活がこれだけ疲弊しているのに、常軌を逸しています。
いい人そうな外面にだまされそうになりますが、その内実は安倍元首相より冷酷で悪辣で、国民のことなんて何も考えていない。自分の保身と延命、G7でスポットライトを浴びることしか考えていないのです。高市氏の問題に終始し、いずれ国民に負担を押し付ける海外バラマキや防衛費増額について、今国会の予算委で議論が深まらなかったことは非常に残念です」(五十嵐仁氏=前出)
意図してのことではないとしても、高市の立ち回りは結果として岸田政権を大いにアシストした。その先に待っているのが増税では、国民は本当にやりきれない。
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