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2023年3月18日 16時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/238786?rct=tokuhou
放送法上の「政治的公平」をタテに、安倍晋三政権時代、総務相として同政権に批判的な番組に圧力をかけようとした疑いがもたれている高市早苗・経済安全保障担当相。今月上旬に問題発覚以降、「文書は捏造ねつぞう」と叫んでいるが、その答弁の迷走ぶりが目に余る。一部からは擁護論も飛び出したが、それも筋違いで旗色は悪くなるばかり。白熱の好試合が続くWBCの裏で、見苦しさばかりが目立つ高市氏の「死闘」を検証した。(西田直晃、宮畑譲)
【関連記事】「行政文書」ってどんなもの? 正確じゃないの? 今、問題なのは? 放送法の解釈巡り<Q&A>
◆「行政文書」78枚のうち4枚は「事実でない」
「明らかにありもしないことをあったかのように文書が作られた。認識は変わっていない」
高市氏は17日の大臣記者会見でも強調した。文書とは、総務省職員が秘密裏に作成したとされる一連の記録。全78枚のうち、自身に関する記述がある4枚を「事実ではない」と言い続けている。
文書からは、安倍晋三元首相の腹心の礒崎陽輔首相補佐官(当時)が総務省に促し、一部の番組をけん制しようとした道筋が浮かび上がる。総務相だった高市氏は2015年5月の参院総務委員会で、政治的公平性の判断基準を「放送事業者の番組全体」から「一つの番組」に変える新解釈を答弁した。官邸サイドの意をくんだ形だ。
文書によると、高市氏は答弁の3カ月前の15年2月13日、総務省情報流通行政局長と打ち合わせをしている。同局長は「大臣の了解が得られれば、総理に説明し、国会でいつの時期に質問するかの指示を仰ぎたいと、礒崎補佐官から言われている」と高市氏に伝えた。高市氏は「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある?」と語り、礒崎氏の動きについて「総理も思いがあるでしょうから、ゴーサインが出るのでは」と述べたとされる。
今月3日、参院予算委員会で文書を示しながら高市氏に詰め寄ったのは、立憲民主党の小西洋之議員。情報通信政策を担う郵政省(現総務省)出身で、この文書は「総務省職員に託された」という。高市氏は答弁を求められると「全くの捏造だ」。「捏造でなければ閣僚や議員を辞職するか」と小西氏が問うと、「結構だ」とたんかを切った。
◆総務省の認定以降は歯切れ悪く…
文書には、15年3月に高市氏が安倍氏に電話し、国会質問の意向を確認したとの記述もある。この点を念頭に「私と総理の電話を盗聴しているのか」と、文書作成の経緯に難癖を付けた。さらに「正確性の立証責任は小西氏にある」(7日)とも。
しかし、総務省が「行政文書」と認定すると、当初の威勢の良さは少しずつ影を潜めていった。高市氏は「正確性や作成者が確認できない。私に関するものは不正確だ」と強弁し、局長の説明も「覚えていない」(同)。さらに、同省が「レク(打ち合わせ)があった可能性が高い」と認めるやいなや、「レクを受けたと確認できない」と一変し、「この時期に放送法の解釈を私が話した事実はない」と言い逃れた(13日)。
不可解な答弁はほかにも。「礒崎さんという名前、もしくは放送行政に興味をお持ちだと知ったのは、今年3月になってから」(8日)との発言は、親密さを語る動画がネットに投稿され、自身のツイッターで「名前が出ているのを知ったのが今年3月という意味。日本語が乱れた」と釈明した(11日)。
さらに13日の参院予算委では「言いたいことを我慢してきた」と居直り。委員長の制止を振り切って「テレビ朝日をディスる(批判する)わけがない。羽鳥慎一アナウンサーのファン。朝の(羽鳥アナが司会を務める)モーニングショーを見るほど」などとわけのわからない弁明をまくしたてた。
◆公務員の内部告発はOKのはずでは
高市氏への積極的な擁護論は自民党内からもあまり聞かれない。だが、思わぬ援護射撃があった。国民民主党の代表・玉木雄一郎氏が、問題を追及する立憲民主党に対し「争点がずれている。政治的な圧力で解釈がゆがめられ、自由な放送ができなくなったかどうかが本質だ」と疑問視した。
高市氏が当初、自身に関する記述を捏造としたことには「強い言葉で言い過ぎている」とする一方、「文書が安易に外に流出すること自体は、国家のセキュリティー管理として問題」と主張。さらに、「ある政治的意図でリークが行われたのなら問題」と述べた。
しかし、公務員が公益のために内部告発することは認められている。例えば、消費者庁のホームページのQ&Aでは、公務員の公益通報が守秘義務違反にならないのか、という質問項目に「むしろ積極的に法令違反の是正に協力すべきものと考えられる」と記されている。
では、玉木氏は一体、どうして援護射撃をしてみせたのか。政治ジャーナリストの泉宏氏は「将来、与党入りをしたいという思惑の現れ」と看破する。国民民主と言えば、昨年度の政府予算案に賛成し、与党へ秋波を送ったこともある。「党と自身の存在感を示したいという考えもあるだろう。一見正論だが、自らの保身と野望を心内に秘めた発言。彼が考えそうな作戦ではある」と話す。
◆官邸と自民党一体でテレビ局に圧力を
そもそも、安倍政権が政権に批判的な放送番組へ圧力をかけてきたことはすでに多くの指摘がある。今回の総務省文書は、玉木氏の言う「自由な放送」を妨げる動きを裏付けるものではないのか。
元経済産業官僚でテレビ朝日の報道番組「報道ステーション」でコメンテーターを務めた古賀茂明氏は「今回の文書が表に出たことで、『裏でこういうことをやっていたのか』ということが分かった」と話す。コメンテーターを降板した時期は礒崎氏が放送法の解釈を巡って、総務省に一連の働き掛けを行った直後の2015年3月下旬のことだ。
古賀氏は「世間では、最後の出演で『I am not ABE』という紙を掲げたせいで降板したと思われているかもしれないが、実際は2月までには決まっていた」と言う。
まさに、礒崎氏が総務省に対してTBSの番組を問題視した14年11月、報道ステーションのプロデューサーや在京キー局に自民党から「公平中立」な放送を求める文書が送られていた。「むしろ、今回の文書では、高市氏は礒崎氏らの動きに受け身だったように読める。この時期、官邸と自民党が一体となって、テレビ局に圧力をかけようとしていたことが分かる」
高市氏は15年5月の参院総務委員会で、一つの番組でも「国論を二分する課題について、他の見解のみを取り上げ、相当な時間繰り返す番組」は放送法4条に定める政治的公平に違反すると答弁。翌年には、公平を欠く放送を繰り返した場合、電波停止を命じる可能性にも言及した。
高市氏が本当に受け身だったかどうかはともかく、結果的に安倍氏を頂点にいただく首相官邸の圧力で放送法の解釈変更が強行された。その高市氏の解釈変更を今も是とする岸田政権の姿勢も問われる。
元テレビ朝日の記者で「放送レポート」編集長の岩崎貞明氏は「自民党、政権による放送局への介入が問題なのは当然だ」としながら、放送局に毅然とした姿勢も求める。「政権批判を期待する視聴者もいる。やるべき批判をしなければ、見るに値しないと判断されてしまう。放送局の独立、自由は自分たちで維持、保障しなければ、表現の自由は狭まってしまう」
◆デスクメモ
総務省が文書は本物と認めた段階で「勝負あった」。高市氏はむしろ、文書の通り動いて解釈変更したと認めればいい。当時、安倍政権が「報道は不公平だ」と考えていたことは、今回の文書が世に出なくても明らかだから。今さら取り繕ってその考えを否定する方が、真に見苦しい。(歩)
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- 高市早苗氏が「もう質問しないでほしい」発言をしぶしぶ撤回 総務省文書作成者は「レクあった」証言(東京新聞) 蒲田の富士山 2023/3/21 03:52:16
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