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3.11から12年…なお福島に押し付けられる政府・東電「原発事故のツケ」 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/320110
2023/03/15 日刊ゲンダイ
放射能汚染水は今なおコントロール不能なほどの勢いで増え続けているのに…(汚染水を放出されている請戸漁港に停泊する漁船)/(C)共同通信社
3.11から12年という日を迎えて、最も腹立たしいのは、故安倍晋三首相がブエノスアイレスで全世界に向かって放った大嘘とは反対に、放射能汚染水は今なおコントロール不能なほどの勢いで増え続けていて、政府・東電がそのツケを「トリチウム汚染水の海洋放出」という形で福島の漁民はじめ県民に押し付けようとしていることである。
トリチウムが水とほとんど同じ分子組成で、飲んでも無害だし、現に世界中のどの原発もそれを海に放出してきたのだから安全だというのは、一応「科学的常識」とされている。しかし今まで放出してきたから安全だというのは倒錯した論理。放出してしまっているから検証が出来なくなっているだけの話で、実際には体内に入ると半減期までの12年余り微量のβ線を放出し続けて人体を内部から被曝させるという研究も存在する。
それに福島の場合、通常運転による排水とは異なり、メルトダウン事故による汚染水なので、それを多核種除去装置(ALPS)で処理してもトリチウム以外の12の核種は残ってしまうという2018年の調査もある。
そういう疑念の数々が全て晴らされたとしても、なお福島の漁民は放出を拒むだろう。この12年間、いわゆる「風評被害」で地獄の苦しみを味わってきた彼らの思いを蹴散らして放出を強行するのはむちゃである。海は母であり神の棲む所だと思って命懸けで代々仕事をしてきた彼らを、薄っぺらな「科学的常識」で屈服させられるはずがない。
トリチウム水を大ジョッキ1杯ずつ飲んで見せてから
それでもどうしても彼らを説得しようというなら、岸田文雄首相はじめ閣僚、経産省や環境省、そして東電の幹部が打ち揃って福島に出向き、トリチウム水を大ジョッキ1杯ずつ飲んで見せてお願いしてみたらどうか。それでもたぶん福島県知事はじめ地元関係者も漁民らも、一緒になって飲もうとはせず、冷たくこう言い放つだろう。「そんなに安全なら、なぜ福島の海に流すんだ。東京湾に流せばいいだろうに」と。そう、そこがこの問題の核心である。
広瀬隆は1981年に「東京に原発を!」を出版し話題になり、それに着想を得て山川元は2004年に、役所広司扮する都知事が突如、東京に原発を誘致すると言い出す「東京原発」という映画を作った。こういう捨て身の発想にまで至らないと、この解決の道筋は見えてこないのではないか。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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