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黒田総裁は異次元緩和維持で“無責任”幕引き…日銀植田新体制の船出はパニック必至
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/319931
2023/03/11 日刊ゲンダイ
円安再加速も(C)日刊ゲンダイ
日銀は10日、黒田東彦総裁下で最後の金融政策決定会合を開き、異次元緩和の維持を決めた。一部の期待を裏切り、黒田氏は動かなかった。後任の植田和男氏は4月9日に就任。新体制は波乱の船出となりそうだ。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは〈3月会合で政策修正を予想する理由 黒田体制から植田新体制への「置き土産」〉(2月20日付)と題したリポートで、黒田日銀ラストの会合で長期金利の上限を引き上げると予想。〈植田新体制はスムーズな政策運営が可能となる〉と書いていた。そうしたシナリオは実現しなかった。この先、どんな事態が起こり得るのか。河野氏の見通しはこうだ。
早期の金利上限引き上げを予想する海外投資家から長期国債は売りを浴びせられ、国内投資家も追随。防戦一方の日銀があらがうほど、金融市場の歪みは拡大し、円安が再加速する。植田氏は早々に変動幅拡大に追い込まれるという。
そうなれば、植田氏は「タカ派」のレッテルを貼られ、さらなる修正を市場は織り込み、アベノミクスに拘泥する自民党安倍派は反発を強める。マーケットの反応や政治との軋轢で立ち往生すれば、市場の歪みや円安が加速するジレンマに直面するというのだ。
「河野氏が指摘するように、植田氏が就任早々に金融政策を修正しようがしまいが、混乱は避けられません。外圧が強まれば植田新総裁は落ち着いて仕事ができない。黒田総裁は今回の会合で10年国債の金利上限を0.5%から0.75%へ引き上げ、後任が仕事を始めやすい環境を整えるべきでした。思いやりに欠けた無責任な決定だったと思います」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)
植田新体制初の決定会合は4月27、28日。厳しい舵取りとなるのは間違いない。
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