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※紙面抜粋
※2023年3月2日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
元締め(森泰夫容疑者=左)、ボロ儲け(右)/(C)日刊ゲンダイ
「平和の祭典」の中身は結局、汚いカネにまみれた「どす黒いイベント」だった。
公正取引委員会の刑事告発を受け、2月28日、東京地検特捜部が独禁法違反(不当な取引制限)罪で、大手広告会社などを起訴した東京五輪・パラリンピックの会場運営業務を巡る談合事件。起訴されたのは広告大手の電通グループや博報堂、東急エージェンシーなど法人6社と、大会組織委員会元次長の森泰夫、電通スポーツ局長補だった逸見晃治両容疑者ら7人。
他にも、セレスポ、フジクリエイティブコーポレーション(FCC)、セイムトゥーのイベント3社と、セレスポ専務の鎌田義次、FCC専務の藤野昌彦両容疑者も起訴され、博報堂DYスポーツマーケティングの横溝健一郎社長、東急エージェンシーの安田光夫元取締役、セイムトゥーの海野雅生社長は在宅起訴となった。
ADKマーケティング・ソリューションズは公取委の調査前に課徴金減免制度に基づいて談合を自主申告。刑事告発を免れた。
起訴状によると、森、逸見両容疑者ら7人は2018年2〜7月、テスト大会計画立案業務の入札や本大会などの会場運営業務の委託契約について7社の間で受注予定企業を決定。入札参加を希望する社に限る「1社応札」とするなどして談合したとされる。
コンパクト五輪の予算が膨れ上がるのも当然だ
「双方の了承を得なければ入札に参加できなかった」
受注調整に関わった企業の担当幹部は特捜部や公取委の事情聴取に対し、「大会組織委員会」と「電通グループ」についてこう供述しているというから、組織委と広告代理店がそろって税金を私物化し、私腹を肥やしていたと言っていい。
競争入札なのに発注者、受注者の双方が仲良く「事前調整」しているのだから、価格が吊り上がるのは当たり前。誘致の際、「世界一カネがかからないコンパクト五輪」などと喧伝された大会予算の規模が、当初の7000億円程度から、いつの間にか1.4兆円に膨れ上がるわけだ。
談合によって各社が受注した契約額は約437億円にも上るといい、今後、公取委による課徴金納付命令が焦点の一つになる。ただ、課徴金は刑事罰の罰金とは異なり、違反事業者に課す金銭的不利益の行政処分だ。
違反行為の「不当な取引制限」に該当する入札談合は、最も重い受注額の「10%」が目安というからスズメの涙程度。
談合事件をめぐり、一部の社はすでに国や自治体の指名停止措置などを受けているとはいえ、巨額の国家イベントを仲間内で好き勝手に操り、ボロ儲けした悪事の“代償”が、わずか「1割程度の課徴金」と適当な「指名停止措置」では軽すぎて、膿を出し切れるわけがないだろう。
ジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「東京五輪疑惑の本丸は大物政治家とスポンサー企業の癒着、便宜供与などです。結局、そこに切り込むことなく、談合事件でシャンシャンとなってしまった。トカゲのしっぽ切り感は否めません。広告代理店にしても、ほとぼりが冷めたら『さあ札幌五輪はうまくやろうぜ』となるでしょう」
この国に大きなイベントなどやる資格はないのだ。
「大阪・関西万博」も不正まみれの「黒い万博」になるのか
「2020東京五輪」は世界中に恥をさらす「一大汚職事件」として後世に名を残すイベントとなったわけだが、折しも、その談合五輪と酷似しているとささやかれている国家イベントがある。2025年に開催が予定されている国際博覧会「大阪・関西万博」だ。
同万博をめぐっては、大阪府と大阪市などが出展する「大阪パビリオン」の建設にかかる府・市の負担額が当初の73億円から115億円に増額されたほか、関連工事の工事費も当初計画の2倍余りに膨れ上がっていると報じられている。
さらに大阪市の松井市長が「エンターテインメントの拠点としたい」とぶち上げた万博閉会後の会場跡地をめぐっては、大規模商業施設を建設する場合は土壌対策費に778億円ものカネが必要な上、大阪府・市が前のめりになっているIR(カジノを含む総合型リゾート)誘致の際には約790億円の土壌対策費がかかるとされている。
関連経費や工事費がどんどんハネ上がり、公的負担額も右肩上がりで増えていく構図はまさに東京五輪そのものだろう。
それだけではない。東京五輪では、スポンサー獲得のトップセールスを期待された電通出身の元理事高橋治之被告が受託収賄罪に問われたが、「大阪・関西万博」でも、不可解なキーパーソンの存在が指摘されているのだ。
東京五輪の事件よりも万博疑惑の方が悪質だ
ノンフィクション作家の森功氏は昨年来、この「大阪・関西万博」の疑惑について徹底追及し、度々、「週刊現代」(講談社)で報道。記事によると、大阪府の吉村知事や松井は、府や市、経済界などが出展する地元館「大阪パビリオン」の総合プロデューサーに大阪大学大学院医学系研究科の森下竜一教授を選定したのだが、この森下氏の顧問を務める企業が万博の「最上位スポンサー」に名を連ねていたという。
森下氏といえば、バイオベンチャーのアンジェスの創業者で、安倍政権下の規制改革推進会議で委員を務めた経験を持つ。政界にも顔が利く人物が「国家イベント」の運営に関わり、スポンサー選定などにも関わったのではないか──。つくづく、何から何まで東京五輪の闇とソックリだろう。
取材を続けている森功氏があらためてこう言う。
「東京五輪をめぐる事件と、『大阪・関西万博の疑惑』の構図は同じですが、万博疑惑の方がより(手法が)巧妙になっていると思います。なぜなら、高橋被告は東京五輪では大会特別措置法で『みなし公務員』として逮捕されたわけですが、東京五輪と同じ多額の税金が投じられる国家イベントにもかかわらず、万博の場合、あくまでも任意団体だから、(問題ない)というのが大阪府や市の姿勢なのです。府、市の作為的な意図を感じざるを得ません」
いやはや、まるで「黒じゃなければいい」みたいな考え方で、より悪質ではないか。森氏は今後も疑惑について追及する予定というが、異様なのは、大マスコミがこの報道について、なぜか黙殺していることだ。
東京五輪でも早くから贈収賄や談合の疑惑がささやかれていたのに、大マスコミは頬かむり。今回も同じで、まったくだらしない。
「国家イベントをめぐる疑惑について報道機関が一切報じないというのは不可解ですが、おそらく、『万博の取材をさせないぞ』などと言われるのが嫌なのでしょう」(森功氏)
東京五輪と同様、「大阪・関西万博」も終わってみれば、不正まみれの「黒い万博」となりかねない。
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