http://www.asyura2.com/22/senkyo289/msg/272.html
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https://mainichi.jp/articles/20230213/k00/00m/010/199000c
「60年超(の審査)をどうするかが後回しで違和感を覚える」と言いながら、60年超の原発稼働を認めてしまう、不思議な原子力規制委員会の決定という記事。
自分には、何度読み返しても、理解できない。
記事の全文は、上記URLに飛んで、記事を直接読んでもらうものとして、ここでは、原子力規制委員会の委員の発言を取り上げている部分について引用したい。
それは、こんな感じになる。
「原発の運転期間を原則40年、最長60年とする「40年ルール」を改め60年超の運転を可能にする新規制制度を盛り込んだ原子炉等規制法(炉規法)の改正案について、原子力規制委員会は13日、多数決で5人の委員のうち4人が賛成、1人が反対し賛成多数で了承した。重要な決定事項で意見が一致しないのは異例。賛成委員からも「60年超(の審査)をどうするかが後回しで違和感を覚える」と拙速な決定を指摘する意見が出た。・・・
・・・規制委はこの見解を基に法改正の議論を進めてきたが、石渡明(いしわたりあきら)委員は「規制委の全体の意思として決定したものではなく、炉規法から40年ルールをなくしてもよいという議論にはならない」と根本から否定。・・・
・・・ただ、電事法の新規定では、さまざまな問題を抱えて審査が長引いている原発ほど、仮に審査を通過すれば、より長期間運転できることになってしまう。・・・
・・・8日の定例会で、地震・津波などの審査を担当する石渡明(いしわたりあきら)委員が指摘したのはこうした点だった。「審査が延びるほど、古い原発を動かすことになる」などとして、矛盾を意味する「二律背反になってしまう」と述べ、反対を表明していた。
・・・一方、他の委員は、たとえ運転期間の上限が延びても規制委が新たに10年ごとに安全性を審査、運転を認可する点に触れ、「(延長された期間が運転期間として)自動的に認められるものではない」(伴信彦委員)、「むしろ安全は強化される方向に向かう」(山中伸介委員長)などと述べ、見解が分かれていた。」
引用はここまで。
・・・・・
記事に取り上げられている各委員の発言を見る限り、言っている内容は、いずれも抽象的であり、科学者が、あるいは専門家が、自身のこれまでの知見、経験、学識、それらのすべてを出し尽くすような議論とは程遠いのではないかと感じてしまう。
しかも、対象としている原発を、設計し、製造し、品質保証した当人達は既にいない。
機械には、品質にバラツキが出ることが避けられない。
それは、設計品質のバラツキ、部品品質のバラツキ、材料の性能、強度のバラツキ、製造品質のバラツキ、そして、今回の議論の対象となる、「製品寿命」のバラツキ、などなど。
それらは、個々の原発で、それぞれ状況は違っているはずだ。
いまの原子力規制委員会の5名の委員が、個々の原発に作り込まれたであろう「製品寿命」の状況を把握しているとは、到底思えない。
我々が一つの原発の「製品寿命」は何年かを知るすべは、あくまでも「設計値」でしかない。
しかもその「設計値」も、決して保証値ではなく、色々な品質上のバラツキ考慮し、「安全係数」という概念を加えて、何とか安心して使える期間を導き出しているという代物だろう。
従って、その「設計値」でしかない「製品寿命」を設計者でもない人間が、勝手に延長するなど出来るはずが無いだろう。
それは単に設計書の改竄でしかない。
しかも、物が、原発であり、いったん事故が発生したときの重大な影響を考えれば、到底許されることではない。
ましてや、「検査中で実稼働していなかった期間は、寿命のカウントから外す」などは、「機械の寿命」も知らない、素人の戯言でしかない。
そんな「素人の戯言」を、「原子力規制委員会」の委員は追認すると言うのか。
原子力規制委員会の山中伸介委員長は
「むしろ安全は強化される方向に向かう」
と言ったそうだが、
どのような根拠をで、そう言ったのか、公人として、説明責任を果たしてもらわなければならないのではないか。
私には、到底理解できない。
「60年超(の審査)をどうするかが後回しで違和感を覚える」
との発言は、60年超の「安全審査」、「検査」をどうしていいか分からないと言っているに等しい。
当然だろう。
設計した人が保証していないんだから。
日本で原発が稼働して、50年余り。
その間、大小さまざまな事故を経験してきた。
そんな中で、原発はその寿命を、既に越え始めている。
日本は今や、
原発の寿命を越えて、40年を超え、さらに60年を越えて、稼働させるという、「未知の領域」に足を踏み入れようとしている。
しかも、「素人の戯言」によって。
原発の寿命を越えて稼働させたとき、此の先、何が起こるか、誰も分からない。
もしかしたら、何も起こらないかも知れない。
しかし、やっぱり、起きるかもしれない。
そのことは、「60年超(の審査)をどうするかが後回しで違和感を覚える」と言わしめるような、あての無い「検査」、「審査」では防ぎようがない。
寿命を越えて稼働させないという選択をする分には、新な危険の発生の可能性は無いわけだから、選択肢は、これしかないではないか。
日本は、原発の町に住む住民を、新たな危険に晒すような、「未知の領域」に足を踏み入れるべきではない。
紆余曲折はあろうとも、原発よりも、もっと優れた、そして安全な、再生可能エネルギーの活用に、方針を定めるべきではないのか。
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