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もはや「政権交代」でしかこの国は救えない…政治の使命を怠った“自公政権” ここがおかしい 小林節が斬る!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/313348
2022/10/25 日刊ゲンダイ
小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ
9月25日の公明党大会に参席した岸田文雄首相は、「『国民の暮らしを守る』という23年前に自公政権が発足した際の思いをさらに強固にして、この国難をともに乗り越えていこう」と挨拶した。
政治は結果責任である。だから、自公連立の結果を今、確認してみたい。
政治の使命は主権者国民大衆の幸福を維持・増進することで、その幸福の条件は「自由」と「豊かさ」と「平和」である。
まず、過去23年間で、国民の自由は明らかに減殺された。安倍・菅政権時代に報道の自由が急激に失われた。つまり、政権に批判的な言論人が主要メディアにほとんど登場しなくなった。その結果、民主主義の不可欠な前提である「多様な情報の自由」が失われたことは明白である。
また、過去23年間で、国民も国庫も明らかに貧しくなった。これは隠しようもない。
さらに、過去23年間で平和が確立されたか? については議論がある。ロシア、中国、北朝鮮の軍国主義がわが国の平和を脅かしている。だから、日本が自由と民主主義を国是とするアメリカ、オーストラリア、イギリス、EUと協力するのは自然である。しかし、アメリカの兵器を言い値で爆買いすることと自衛隊が米軍の二軍のようになることが平和を確保する最良の方法か?は甚だ疑問である。
以上、自公政権は政治の使命を十分に果たしてきたとは言えない。
それは、周知のように、政権党の政治家と特定業界と忖度官僚が、権力を私物化して、自分たちの既得権益を墨守することに忙しく、真に必要な改革を怠った結果である。
だから、何よりも「政権交代」を実現してこの三者の癒着を解体しない限り、日本の明るい未来は見えてこない。
現行選挙制度の下で政権交代を果たすには、野党も「自公に倣って」共闘するしかない。「天皇を戴く神の国」を目指す政党と仏教政党の共闘に素直に学ぶべきである。
権力を私物化して法治主義と法の支配を破壊した政権から権力を奪還して「憲法を誠実に順守する政治を確立すること」は、野党共闘の立派な旗印である。
小林節 慶応大名誉教授
1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院の客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著) 5月27日新刊発売「『人権』がわからない政治家たち」(日刊現代・講談社 1430円)
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