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※2022年10月20日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年10月20日 日刊ゲンダイ2面
【山際経再相は当たり前】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 20, 2022
クビにすべき大臣は他にもいるぞ
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/HqxkupgEb0
※文字起こし
臨時国会は始まったばかりなのに、早くも末期症状だ。20日までわずか4日間の予算委員会で、不適格閣僚がゾロゾロあぶり出されている。
山際経済再生相なんて、もうお話にならない。統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との親密すぎる関係が注目されているが、何を聞かれても「記憶にない」と繰り返す鉄面皮。自民党が党所属議員と統一教会との関わりについて「点検結果」を公表した後も、次々と教団関係の会合出席が発覚しているが、指摘されるたび、悪びれもせず追認する事態が続いている。
18日の衆院予算委では、「これから新しい事実などさまざまなことが出てくる可能性がある」と、自身の新疑惑を“予告”。19日の参院予算委でも、教祖の文鮮明に会っていたことが発覚した場合は、さすがに大臣を辞任するのか問われると、こう答えたから唖然だ。
「私の記憶の限りでは、その方にお会いしたことはありませんが、何か出てくる可能性、全部否定するわけではありません。覚えていないわけですから」
山際を鳥頭と呼ぶのはニワトリに失礼なレベルだ。政治家は人の顔や名前を覚えるのが得意なはずなのに、どこに行ったのか、誰に会ったかも覚えていない。こんな記憶力の閣僚に任せていて大丈夫か。しかも山際は、いま国民生活にとって切実な問題である物価高などの経済対策とコロナ対策の担当相なのだ。
「山際大臣の場合、底なし沼のように終わりが見えない統一教会との関係自体も問題ですが、人を食ったような答弁を繰り返す不誠実な対応が国民の怒りを買っている。閣僚どころか、国会議員としてもどうなのかという資質が問われているのです。岸田首相はなぜ、臨時国会前に交代させなかったのか。統一教会と関わりのある閣僚は交代させると言って内閣を改造したのだから、外部から指摘されるまで黙っていた山際氏は重大な約束違反でしょう。それなのに怒りもせず、閣僚を続けさせている首相にも不信の目は向けられています」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
脱税疑惑大臣の答弁もグダグダ
与党幹部からも「瀬戸際大臣」と呼ばれている山際の更迭は当たり前だが、クビにすべき大臣は他にもいる。
まずは、脱税疑惑を抱える閣僚だ。岸田側近の寺田稔総務相は、事務所を置くビルを自分と区分所有する妻に対し、事務所賃料として計約2688万円を支払っていた。また、妻が代表の政治団体「以正会」が毎年約500万円を人件費として支出しているのに、源泉徴収せず脱税していた疑惑がある。
寺田は「適正に申告し、納税している」と疑惑を否定するのだが、野党が求めている妻の納税を証明する書類の提出は拒否。個人情報部分は黒塗りでいいと言っても出さない。適正に申告しているなら、書類を出してさっさと潔白を証明すればいいのに、拒み続けている。
秋葉賢也復興相も、妻や母親に計約1400万円を支払い、母親については確定申告していなかった。義理の兄が代表を務める政治団体に600万円を寄付するなど不透明な資金の流れも指摘されている。活動実態がない政治団体であれば、裏ガネづくりと見られても仕方ない。
秋葉は「勉強会を何度か実施した記憶がある」と説明していたが、数回の勉強会で600万円もかかるのか。「記憶」があるだけ、山際よりはマシなのか?
政治信念のない支持率対策 だから場当たりになる
自民党内からも「こんなに答弁能力がないとは思わなかった」(閣僚経験者)と嘆く声が上がるのは、永岡桂子文科相だ。
何を質問されても官僚が用意した答弁を読み上げるだけで、違うペーパーを読んでいるのか、質問とかみ合わないこともあった。
野党が統一教会の名称変更に関わる資料の提出を求めても、3カ月経っても出さない理由については「宗務課の人数が少ない」とか言っていた。紙1枚探せないほど少ない人数の宗務課で、統一教会に対する「質問権の行使」なんてやれるのか。岸田政権の本気度を疑わざるを得ない。
「岸田首相が急に『質問権の行使』を言い出したのは、止まらない支持率下落に焦って局面打開をはかったのでしょう。あくまで支持率対策であり、党所属議員との関係や被害者救済など統一教会の問題に本気で取り組む意思があるわけではない。担当大臣や与党とも事前に十分なすり合わせができていないように見えます。一事が万事で、なにかコトが起きたり、世論の批判が高まると応急処置をするという場当たり対応が続いている。確固たる信念がなく、国民生活の実態にも興味がないのではないか。だから経済対策にしてもコロナ対策にしても後手後手で、対症療法しかできないし、やろうとしない。政権が機能していません」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
統一教会への解散命令請求の基準についても、18日の予算委で「刑事事件に限る」と答弁していた岸田が、たった一晩で「民法の不法行為も含まれる」と百八十度転換したことも場当たり対応に見える。
目先の支持率対策に必死で、次々と花火をブチ上げて時間稼ぎをすればしのげると考えているのかもしれないが、先の展開を詰めていなければ、いずれ齟齬が生じてにっちもさっちもいかなくなる。自分で時限爆弾を周囲に増やしているようなもので、これが支持率下落にもがく内閣の限界だ。
“やってるフリ”は通用しない
「岸田首相は、安倍政権の悪いところを継承している。世論を無視してテキトーな答弁を繰り返し、“やってるフリ”さえしていれば、数の力で押し通して政権維持が可能だと甘く考えているフシがあります。しかし、円安による電気・ガス代や食料品の高騰は“やってるフリ”でごまかせるものではない。目に見える形で家計を圧迫するからです。
その支援策も、電気代を『前例のない思い切った負担緩和』『請求書でどれだけ料金が下がったかよくわかる形で』と言うだけで、具体策はさっぱり分からない。円安も統一教会の問題も北朝鮮のミサイル乱発も同じです。『緊張感を持って注視する』だけで、具体的な方策を何ひとつ打ち出せない。
思い返せば、岸田政権はこの1年間で何もしていない。安倍元首相の国葬を強行しただけだということに、負担増に苦しむ国民が気づいてしまった。無能政権の実態が露呈した結果の支持率下落ですから挽回は難しい。物価高対策や統一教会の問題などで“やってるフリ”をしたところで、結果を出せなければ国民の不満は高まる一方です」(五十嵐仁氏=前出)
ここ数日、円相場は1ドル=150円の壁をうかがう円安水準になっている。政府は9月22日に145円台の水準で24年ぶりの円買い介入に踏み切ったが、その効果は一瞬でパー。1カ月も経たずに約5円も円安が進んでしまった。赤っ恥の鈴木財務相は「きめ細かく頻度を上げて常に動きをチェックしている」と言うだけ。チェック頻度を上げれば円安が是正されるわけではないことは本人も分かっているはずで、要はなす術ナシなのだ。
そろいもそろってポンコツばかり。こんな内閣で難局を乗り切れるのか。少なくとも、「嘘つき大臣とは審議ができない」と言われ、その存在が国会審議の妨げになっている山際は交代させるべきではないか。
もっとも、真っ先にクビにすべきは、辞め際大臣も更迭できないグズ総理大臣かもしれない。
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