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岸田首相の旧統一教会「調査」は時間稼ぎと論点ずらし “安倍・細田隠し”で自民ニンマリ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/313030
2022/10/19 日刊ゲンダイ
長年どっぷり選挙で教団票を差配(安倍元首相がNGO「天宙平和連合(UPF)」集会に寄せたビデオメッセージ=ユーチューブから)
岸田首相が17日、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に対し、宗教法人法に基づく調査を行うよう永岡文科相に指示した。まずは専門家会議を25日に開き、「質問権」行使の基準をまとめるところから始めるというから、実際の調査はいつになるのか。「時間かせぎ」の思惑が透けて見える。
岸田首相は17日の衆院予算委員会でいつになく積極的だった。旧統一教会の調査に関してだけでなく、高額寄付被害の実態を踏まえて「契約の取り消し権の対象の拡大や行使期間の延長を行う」と答弁し、消費者契約法などを改正する考えを表明。
「法テラス」などの相談体制拡充や児童虐待などの子どもの被害防止、「宗教2世・3世」への進学・就労支援についても取り組みを強化すると打ち出した。
立憲民主と維新が共同提出した被害者救済法案に盛り込まれた「特別補助制度(家庭裁判所が認定すれば、被害者の家族などが寄付を取り消せる制度)」について、「一度考えてみたいと思う」「法改正が必要だという認識も野党側と一致していると思う」と答弁するなど、野党と共同歩調を取る可能性まで示唆したのだ。
宗教2世の元信者の「教団を解散させてください」という涙ながらの訴えや、高額献金などの被害救済にあたってきた弁護士らの訴えを聞けば聞くほど、被害者救済や教団の調査・解散が何よりも重要であることはよく分かる。
だが、この流れに自民党はニンマリだ。
「世論の関心が教団自体の問題や被害者救済に向かえば、自民党と教団との関わりに対する批判は薄れるのではないか。イベント出席など関連団体を含めた党所属議員の接点もある程度、出尽くした。岸田首相の『表明』で、政権や自民党への風当たりが弱まることを期待している」(自民党関係者)
「教団票差配」も調査が必要
細田博之衆院議長はいまだ自らの口で教団との関係を説明していない(C)日刊ゲンダイ
15日には安倍元首相の地元山口県で県民葬が執り行われ、一連の追悼行事にひと区切りがついた。本来なら今こそ、安倍氏が長年どっぷり関わってきたとされる、選挙での教団票の差配について調査すべきなのだ。国際勝共連合会長が内部の礼拝で明かした「この8年弱の政権下にあって6度の国政選挙において、私たちが示した誠意」とは何を意味するのか。
教団票の差配には、安倍派(清和会)の会長だった細田議長も関わっていたとされる。細田氏はいまだ「紙対応」だけで、自らの口で教団との関係について説明してはいない。
国民の関心とメディアの報道が教団の調査に集中すれば、選挙を通じた自民と教団のズブズブが、このままあやふやにされてしまう恐れがある。
「岸田首相は教団を解散させてくれるのではないか。そんなムードをつくり、論点ずらしで安倍隠しや細田隠しをする作戦なのでしょう。『家庭』を重視する政策や改憲論まで自民と教団が一致してきたことを、どう説明するのか。教団の解散命令や被害者救済は当然のこととして、野党は教団と自民党の癒着についての追及も続けなければなりません」(政治評論家・本澤二郎氏)
毎度の手口にだまされてはいけない。
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