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※2022年10月14日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年10月14日 日刊ゲンダイ
【自民党よ、だったら、この円安はどうなのだ?】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 14, 2022
国賊を「国賊」と呼ぶのは当たり前
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/WZxCjV8eZQ
※文字起こし
「自由」と「民主」を標榜する政党とは思えない決定だ。自民党の党紀委員会は12日、安倍元首相を「国賊」と表現したとされる村上誠一郎元行政改革相に対し、1年間の「党の役職停止」処分を全会一致で決めた。
村上は当選12回のベテラン。今回の処分で党の最高意思決定機関である総務会のメンバーから外される。党紀委は「党員たる品位を汚す行為」に当たると判断したが、「自由な言論」を踏みにじる処分の方が、よっぽど品位を汚している。
村上は9月20日の総務会終了後に「安倍国葬」に反対し、欠席する意向を表明。その際、「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊して、旧統一教会に選挙まで手伝わせた。私から言わせれば国賊だ」と語ったとされる。
村上本人は「よく記憶していない」との認識だが、発言が報じられると党内最大派閥の安倍派は「あり得ない発言」「離党させるべきだ」と猛反発。国葬後の先月29日には、安倍派の議員総会で党執行部に厳正な処分を求めるよう決議し、茂木幹事長が党紀委を開くよう求めたのである。
いつも記者団にエラソーな茂木も最大派閥の意向には逆らえず、ヘーコラ、ヘーコラ。虫唾が走る経緯だが、村上への処分が8段階あるうち軽い方から3番目となったことに、安倍派議員からは「もっと厳しくてもよかった」との声が上がったという。安倍礼賛もここまでくると常軌を逸している。
約1時間半に及んだ党紀委の議論終了後、委員長の衛藤晟一参院議員が明かした議論の説明もふるっていた。
「功績があり、命懸けで国のために取り組んできた(安倍元)総裁に対する極めて非礼な発言で、許し難いという意見で一致した」──。一体、安倍にどんな「功績」があるのか。まずはそこから説明して欲しい。
「不自由民主党」に名称変更すべき
党紀委員には安倍と親しかった人も含まれる。委員長の衛藤は安倍派に所属。メンバーには安倍と親交のあった評論家の金美齢氏もいる。12日の会合では最も重い処分内容の「除名」や3番目の「党員資格停止」を求める意見も出たそうだ。ヒステリックな議論にメンバー構成がどう影響したのか。そこも説明が必要である。
無派閥の村上は「ひとり良識派」を自任し、「安倍1強」が強まる中でも安倍と距離を置き、集団的自衛権容認の解釈改憲や安全保障関連法に反対を表明。安倍政権批判を繰り返し、2018年に財務省の公文書改ざんが発覚すると、党総務会で「大所高所の判断をすべき時期に来ている」と安倍の退陣を求めたこともある。
党内の安倍信奉派にすれば「うるさ型」の村上は気に入らない存在に違いない。「国賊」発言を機に安倍派を中心に「やっちまえ」とエスカレートしたのだろう。異論を封印する強圧的なムードに屈し、党紀委の審査に当たり「不用意な発言でおわびして撤回したい」との弁明書を提出し、処分決定後は記者団に安倍の遺族に謝罪する意向を示した村上も情けないといえば情けない。
しかし発言を取り消し、頭を下げた相手に有無を言わさず、バッサリ処分。党を挙げて“安倍サマ”批判はもってのほかと言わんばかりで安倍礼賛にシャカリキな政党は「異常なカルト集団」みたいだ。政治評論家の森田実氏はこう言った。
「かつての自民党は自由闊達にモノを言える雰囲気を重んじ、議論は侃々諤々。互いに『バカ野郎』と言い合っても意に介さず、懐の深い政党でした。それが言葉尻ひとつをとらまえて『党紀委を開け』『離党処分にしろ』なんて、言論を弾圧するミャンマーの軍事政権さながら。中国やロシアを『専制主義国だ』と批判できません。貧すれば鈍するで批判を許さない政党に成り下がっており、『不自由非民主党』に名称を改めるべきです」
村上発言は国民を苦しめる者への正当な評価
そもそも村上発言は処分に値するのか。現在の急激な円安をみれば「財政、金融をぼろぼろにした」という村上の主張は間違っていない。
13日の円相場は1ドル=147円をついに突破。1990年以来の「32年ぶりの安値」という新局面に入った。24年ぶりの「ドル売り介入」も効果ナシ。過去最大2.8兆円分の為替介入はムダ金に終わった。
円安が止まらない要因は日米の金利差なのに、日銀の黒田総裁は利上げに動かず、積極的な利上げを継続する米国との金利差は拡大の一途。日本が世界唯一のマイナス金利政策をとる国になっても、どこ吹く風だ。
先月末の金融政策決定会合後の会見では「当面金利を引き上げることはない」「(当面とは)数カ月だけじゃなく2、3年と考えてもらった方がいい」とまで言い放った。経済アナリストの菊池英博氏が言う。
「黒田総裁の存在こそ、安倍政権の負の遺産です。中央銀行のトップは本来、状況に応じて金融調整に取り組み、時には前言撤回も辞さない融通無碍な手法で市場ににらみを利かせるべき。それなのに、黒田総裁は手の内をペラペラと語り、投機筋に『金利は上がらない』という安心感を与え、ひたすら儲けさせている。大規模緩和の円売り政策に固執する限り、日本の富は海外にドンドン流出するいっぽうです」
歴史的な円売りが収まる気配はなく、国民生活は干上がるばかり。庶民を苦しめ続けるアベノミクスの発案者に対する「国賊」という評価は、処分に値しないはずだ。
死して尚“アベ様”の威光に逆らえない
日銀が13日発表した9月の輸入物価指数の対前年比上昇率は、円ベースで48%。上昇分の実に5割超が円安によるもので、あらゆるモノの原材料を輸入に頼る日本経済には死活問題である。黒田の言う通り「2、3年」もアベノミクスの緩和策を継続すれば、その間、国民生活は物価高地獄から抜け出せなくなる。国賊政策の修正をはからない岸田も「亡国首相」のそしりを免れない。
「岸田首相はもっと黒田日銀とブツかり、アベノミクスの修正を迫っていい。それなのに、あっさりとアベノミクスの円安政策を容認し、『円安のメリット』を生かすとインバウンドの拡大を掲げてしまった。日本の資産を海外に売り渡すのが、アベノミクスの本質です。このままだと底ナシ円安で日本経済も国民生活もヘタってしまう。『国賊発言』で村上議員を処分した自民党は、国の方向づけを誤らせていることに気づいていないのでしょうか」(菊池英博氏=前出)
自民党も村上発言を攻めるなら、なぜ、差別発言を繰り返す杉田水脈衆院議員は党紀委に処分を諮らないのか。杉田は18年に月刊誌への寄稿でLGBTカップルについて「生産性がない」と断じ、20年9月の党会合では性暴力被害者の相談事業を巡り「女性はいくらでも嘘をつけますから」と発言。それでも自民党はLGBT差別について「配慮を欠いた表現」と本人を指導したのみ。8月の内閣改造では総務政務官に起用された。
就任会見で杉田は「過去に多様性を否定したことはなく、性的少数者を差別したこともない」と開き直った。杉田が強気でいられるのも、安倍の後押しにより、過去2回の衆院選で比例単独候補として党から優遇されてきたことと無縁ではないだろう。今の自民党は死してなお「安倍サマの威光」には逆らえないのである。
「村上氏への処分により、自民党は異論を封じ込め、批判を許さない政党に転換しました。それは同時にファシズムへの転向を意味します」(森田実氏=前出)
国賊を「国賊」と呼ぶのは当たり前。それが許されなければ、それこそ、この国はおしまいだ。
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