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※2022年10月13日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※紙面抜粋
※2022年10月13日 日刊ゲンダイ2面
【もはや発想は発展途上国】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) October 13, 2022
円安で外国人観光客増をはしゃぐ倒錯
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/c9PJN6FLi5
※文字起こし
<水際対策 大幅に緩和>(朝日新聞)、<「全国旅行支援 始まる」>(毎日新聞)──。新型コロナウイルス対策の水際規制が11日、大幅緩和されたのを受け、12日の全国各紙の1面にはこんな見出しが躍った。
11日に官邸で開かれた観光立国推進閣僚会議では、国内観光の新たな需要喚起策「全国旅行支援」を実施することや、水際対策の大幅緩和によって国内外の観光需要の回復と経済再生に向けて全力で取り組む方針を確認。
岸田首相は会議で、「地域経済を再生し、持続可能な経済社会をつくり上げる」と強調し、訪日外国人旅行消費額で年間5兆円の早期達成を目指す考えを示した。
全国旅行支援は、20日開始の東京都を除く46道府県でスタート。12月下旬まで実施する。割引率は40%で、公共交通と宿泊がセットの旅行商品を平日に利用すれば、1人1泊当たり最大8000円、クーポンを含めると最大1万1000円を国が補助する仕組み。都道府県はこれに上乗せして支援することもできる。
一方、水際対策では、1日5万人の入国者上限を撤廃。米韓両国や台湾など68カ国・地域は短期滞在ビザ(査証)の免除を再開し、個人旅行も可能となった。
今の日本は「買い叩かれ、貧しくなっている」
「制限撤廃をずっと待っていた」「緩和に合わせて予約した」。テレビはこぞって、成田空港や羽田空港の離発着ロビーを歩く国内外の観光客らの映像を撮影し、お祭りムードを“演出”。
東京・新宿の大型百貨店や浅草寺を訪れた外国人観光客が「円安は素晴らしい。たくさん買い物できる」と笑顔で話す様子を流し、訪日客増に伴う経済効果が「23年に2兆1000億円」とするシンクタンクの推計を紹介しながら、「歴史的な円安を背景に消費額増が期待される」などと報じていた。
この雰囲気に押し上げられるように斉藤国交相も「インバウンドの本格的な回復、拡大を実現したい。節目の日だ」などと意気込んでいたのだが、ちょっと待て。目を輝かせながら「爆買い外国人観光客の増加に期待」なんて、かつて多くの日本人観光客であふれた東南アジアなどの発展途上国で見られた光景、発想と同じではないか。
冷静に考えれば、今のような極端な円安進行は、それだけ日本が「買い叩かれている」「国が貧しくなっている」とも言える証左だ。それなのに、なぜ大メディアは総じて「円安サイコー!」「外国人観光客の爆買いバンザイ!」の論調ばかりなのか。
浮かれている間にも、異次元レベルの円安が進行し、どんどん国はへたっているわけで、今のような政府やメディアが大はしゃぎしている状況は「倒錯」と指摘されても仕方がないだろう。
経済ジャーナリストの荻原博子氏がこう言う。
「コロナ禍で苦しんできた観光業界にとって、待ち望んでいた対策なのは間違いないでしょう。岸田政権は物価高、円安に抜本的な対策が打てず、経済対策を訪日観光客に期待するしかないのでしょうが、世界的規模で景気が悪化している中、かつてのような爆買いが期待できるのかは難しい。浮かれているばかりではいられないでしょう」
物価高に翻弄される国民は怒りの声を上げるべき
12日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=146円台前半に下落し、政府・日銀が為替介入を行った9月22日の安値を下回り、1998年8月以来、約24年ぶりの円安水準を更新した。
前週末に発表された9月の米雇用統計が市場予想を上回る内容となり、FRB(米連邦準備制度理事会)による大幅利上げが続くとの見方が拡大。ここ数カ月間見られる動きと同様、日米金利差の拡大を意識した「円売り・ドル買い」が進んだことが主な要因だ。
財務省は先月30日、9月に外国為替市場で実施した為替介入額を2兆8382億円と公表。この円買い介入額が「22日」の1日限りとすれば、バブル崩壊後の金融危機に直面していた1998年4月10日の2兆6201億円を上回る「過去最大」の規模だ。だが、そんな異次元の為替介入も、12日の円相場の動きを見れば、結局は「焼け石に水」となったわけだ。
「必要があれば必要な措置を取るという考えはいささかも変わらない」
鈴木財務相は時事通信の取材に対し、こう強がっていたものの、大規模介入を繰り返せば、米財務省から「為替操作国」に認定されて制裁対象になりかねず、ニッチもサッチもいかないのが本音だろう。問題は、政府や日銀が円安進行に打つ手がない状況下で、国民生活がじりじりと追い詰められていることだ。
「経済の好循環」はどこに消えたのか
東京商工リサーチが11日に発表した2022年度上半期の全国の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は前年同期比6.9%増の3141件と3年ぶりに増加した。
主な要因は、新型コロナ禍で売り上げが減った企業に対して実質、無利子・無担保(ゼロゼロ融資)で支援してきた政府の関連融資の返済が始まるタイミングで燃料や原材料高が直撃したためだが、苦境に拍車を掛けているのは円安だ。
ロシアのウクライナ侵攻を背景に物価圧力が世界的に急上昇。欧米各国はインフレ抑制のため、それまでの金融緩和策から舵を切り、利上げや引き締めを急いでいる。
韓国銀行(中央銀行)も、12日の金融通貨委員会で、政策金利を0.5%引き上げ、3%とすることを決定したが、背景にあるのは米韓の金利差拡大に対する懸念だ。
ところが、この約10年間にわたって「マイナス金利政策」や「長短金利操作を導入」するといった異次元緩和を続けてきた日銀の黒田総裁は、この局面でも、何ら悪びれる様子もなく「当面金利を引き上げることはない」と言い放っていたから唖然呆然。これでは、海外と日本の金利差が拡大するのも当然だろう。
本来は、新聞やテレビが日銀の金融政策の問題点をきちんと検証し、警鐘を鳴らすべきなのだが、この国の政府もメディアもそろってマトモな判断力を失い、「円安サイコー!」「外国人観光客の爆買いバンザイ!」と叫んでいるのだから、どうしようもない。
苦しむ国民生活よりも目先のカネ。刹那の金欲しさというのか、まさに“その日暮らし”という異常な社会にクラクラしてしまう。埼玉大学名誉教授の相澤幸悦氏(経済学、金融論)がこう言う。
「岸田首相は臨時国会の所信表明演説で、『円安のメリットを最大限引き出す』などと言っていましたが、国のトップが為替について発言するなど論外だし、日本政府が円安進行を容認したとも受け取られかねない。あまりにひどい発言でした。そもそも岸田政権はなぜ、観光業界ばかり肩入れするのか。物価高、原料高に苦しむ国民が多数いるにもかかわらずです。メディアは人気観光地のホテルに割安で宿泊できる、訪日外国人の爆買いといった報道ではなく、今の政府の経済対策の課題について真正面から取り上げる方が先でしょう」
安倍政権や黒田日銀が掲げていた「経済の好循環」はどうなったのか。円安による物価高に翻弄されるばかりの国民は、怒りの声を上げるべきだ。
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