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臨時国会は早くも“開店休業”…「旧統一教会隠し」狙い、文科委員会で扱う法案ゼロの姑息
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/312542
2022/10/08 日刊ゲンダイ
存在感の希薄な松野官房長官(左)、何でも「持ち帰って相談する」高木毅国対委員長(C)日刊ゲンダイ
3日に召集された臨時国会が、いきなり“開店休業”状態だ。
7日で岸田首相の所信表明演説に対する代表質問が終わり、普通は週明けの11日から予算委員会で基本的質疑が始まる。ところが、鈴木財務相がワシントンで開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議に出席するため12〜14日に米国に出張することになり、予算委が開けない。予算委は首相と全閣僚が出席することが前提だ。
財務相出張の影響で予算委は17日から開かれることになり、開会早々、1週間も空白が生じる。異例の事態だ。おかげで、他の委員会での法案審議はさらにズレ込み、早くても21日以降になる。
今国会の会期末は12月10日だが、これから経済対策をまとめるため、補正予算案の提出は11月下旬。審議日程はかなり窮屈だ。なぜ、こうも段取りが悪いのか。与党内からも苦言が出ている。
「国際会議の日程なんて早くから分かっていたのに、官邸側が国会日程を考慮せずに出張を決めて、与党と情報共有していなかったというから呆れる。高木国対委員長の能力不足なのか、パイプ役の松野官房長官や木原副長官が機能していないのか分かりませんが、官邸と与党の意思疎通がはかれていない。高木さんや松野さんは安倍派だから、派閥のことで頭がいっぱいなのかもしれない。ただでさえ、立憲民主党の安住国対委員長は手ごわい相手なのに、旧統一教会の問題などで世論の批判を受けている中、こんなグダグダな仕切りで臨時国会を乗り切れるのか」(自民党ベテラン議員)
野党は8月中旬から憲法第53条に基づいて臨時国会の召集を求めていたが、政府・与党は無視。安倍元首相の国葬を終えた9月28日になって、ようやく10月3日の召集を伝達したが、会期幅は提示しなかった。これも、あり得ない話だ。
「内閣提出法案の本数も直前まで決まっていなかった。通常、召集の1週間前には、与党側から会期幅や提出法案についての説明があるのが慣例です。召集日だけ決めて、会期末も提出法案も不明なままで、どうやって国会を開けると思うのか。高木国対委員長は『持ち帰って相談する』ばかりだし、すべてが場当たりで、スケジュール感を描けていないように見えます」(野党国対関係者)
岸田首相も国会そっちのけで海外へ
「旧統一教会隠し」より、解散命令を出すような議論をしっかりやった方が株も上がるのに…(C)共同通信社
政府・与党が右往左往している要因のひとつが旧統一教会の問題だ。結局、当初は25本程度と見込んでいた提出法案を直前に18本まで絞ったが、なんと、提出予定だった「私立学校法」と「日本語教育機関支援新法」を見送り、文科委員会で扱う法案をゼロにした。
宗教を所管する文科委を開けば、旧統一教会の問題が俎上に載る。それを避けるためだ。法案がなければ、委員会は大臣所信とそれに対する質疑だけで終わりかねない。
「文科委で統一教会に解散命令を出すような議論をしっかりやった方が岸田首相の株も上がるのに、“統一教会隠し”に必死になっている。野党が統一教会の問題を扱う特別委員会の設置を求めても拒否です。この問題を追及される予算委も極力開きたくないから、召集を遅らせたり、財務相を出張させたりして逃げ回っているのです。首相自身も、国会そっちのけで今月末のオーストラリア訪問を決め、来月はASEANやG20、APECなどへの出席を予定している。時間稼ぎをしているうちに国民は統一教会の問題を忘れるとタカをくくっているのです」(政治評論家・本澤二郎氏)
国対委員長や官房長官もさることながら、機能不全の一番の問題は岸田氏本人の姿勢ということだ。
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