国葬の儀は「象徴天皇制」の破壊行為でした　赤かぶ

　皇室は国民の統合意識を束ねるとして戦勝国が残したが逆に当惑の原因になった。国民代表議会制民主主義でありながら国王を抱くシステムはコントロールが難しい。現に諸外国には日本は元首が総理大臣なのか天皇なのか判別し難いようだ。日本の内情に詳しくない場合には今回のように総理大臣が元首と思って参列する国もあるだろうが、国葬が終わってみると皇室との弔問外交を求める国が多々あり、元首を天皇と考える国はそれなりの権力を天皇が持っており国政を采配出来る立場としているようで、象徴の意味は理解し難いだろう。
　　兆円単位の公金を手に外遊する際に恩恵を受けた国は例えば安倍氏を元首と思うだろうが、援助を受けない国は天皇を元首と認識しているのだろう。
　　兎にも角にも非常に分かりにくい体制になっていることは確かで、加えて戦後の逸早い経済成長を目指したために憲法が定める国権の最高機関を国会とせずに官僚が前面に出て財界の世話をし与党を最終責任者とするシステムで国政を進め輸出立国を成功させたことで行政への政治介入禁止の不文律が普遍化、他国のような国会による財政処理と国富の再配分に関しての精査検証が疎かになっている。
　　その間に自民財官護送船団は巨悪化、政財官という大樹に学に司法にマスコミ迄が寄った結果、与党と官で膨大な公金の独断歳出を当然とする慣行が出来上がり、必然的に憲法が謳う国民福祉目的に公金を用いる流れも遮断された。
　　その結果国権の最高機関を国会とする憲法を否定したまま、首相を最高権力者とする政財官護送船団方式が盤石となるも天皇制を残し最終責任を負う者を天皇とする算段だろう。かくして膨大な公金の采配は内閣と事務方が独断的に行うも、例えば国内訴訟では被告は立法府である大臣だが、国際的には最終責任は元首天皇であれば、実に二重のバリアで内閣と行政一体化の巨悪が守られる構造だ。行政機構が結果責任を負わない公僕の立場で独断的に政策を作り公金采配をすれば、例えば日米防衛官僚群による世界を股にかける軍事行動も容易に実行できるのである。
　　国民が最終責任の所在を探しても首相だ天皇だと元首を探す徒労に終わり、実は官僚群が民間事業者である例えば電通や企業舎弟に取り込まれ責任不在のまま、またしても国家の大暴走が始まり止められなくなろう。
　　　国葬を機会に元首は天皇とし国権の最高機関は国会と再認識すべきだ。従って国葬に元首相を選ぶなど国際社会を翻弄させる曖昧を戒め、現憲法下では国葬にするのは元首である天皇以外には有り得ないとの共通のルールを国会で作るべきだ。何よりも、国権の最高機関を国会とし行政の瑕疵誤謬を検証する機能を果たすためにも、自国の最高法規である憲法遵守を国民を前に内閣メンバーには優先して宣誓させなければならない。

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