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※紙面抜粋
※2022年9月28日 日刊ゲンダイ12面
【無理やりやった「セレモニー」にどんな意味?】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) September 28, 2022
安倍国葬 視聴後の国民に虚無と嘆息
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/aAokuD6VuP
※文字起こし
一体、何のための「セレモニー」だったのか。国民世論の反対を無視したまま、27日強行された安倍元首相の「国葬儀」。終わってみれば、あまりに空疎なものだった。
民放の女性アナウンサーが司会を務め、参列した歴代首相や歴代議長の出席も、野田佳彦元首相のほかは自民党OBばかり。葬儀委員長は岸田首相で副委員長は松野官房長官だから、実態は自民党のイベントか、せいぜい内閣と自民党の合同葬といったところだ。それを無理やり「国葬」とパッケージングして権威付けした“国葬もどき”が延々とテレビで垂れ流されていたことには、この国の政治の劣化をまざまざと見る思いがする。
法的根拠が曖昧なまま、国会にも諮らず、「理屈じゃねえ」と閣議決定して、反対意見は封殺し、予備費から血税を投入した国葬。民主的な手続きや配慮はどこにもない。
岸田は国葬を決めた理由について、「歴代最長政権」や「経済再生、外交などの実績」を挙げているが、勝手に党則を変えて長期政権に居座ったのだし、アベノミクスの弊害による円安地獄でいま日本は大変なことになっている。米国に追従し、ロシアのプーチン大統領にも媚びて北方領土を取られた宰相の外交実績って何なのだ? まさか統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の後ろ盾になって、日本人の富を流出させていたことか?
銃弾に倒れて非業の死を遂げた首相の国葬は、普通はすんなり受け入れられる。ここまで反対された原因のひとつは、安倍の死によって統一教会と自民党の癒着が白日の下にさらされ、その元締が安倍だとみられているからだ。
民主主義を踏みにじる「真のリーダー」
「日本と地域、さらには世界の安全を支える頼もしい屋根をかけ、自由、民主主義、人権と法の支配を重んじる開かれた国際秩序の維持・増進に、世界の誰より力を尽くした」(岸田首相)
「君は終始、経済の成長および行財政と教育の改革、ならびに災害からの復興に心魂を傾け、また、世界の平和と繁栄に力を致し、国民生活の充実とわが国の国際的地位の向上に貢献されました」(細田衆院議長)
「わが国、民主政治発展のため力を尽くされました」(尾辻参院議長)
「その生涯を通じ、高い指導力や先見性をもってわが国のために献身されました」(戸倉最高裁判所長官)
「あなたは、わが国、日本にとっての真のリーダーでした」(菅前首相)
こうした弔辞だけを聞けば、どんな立派な人物かと思うが、これらの賛辞を贈られたのは、法の支配も議会も軽視して民主主義を破壊し、隣国への敵対感情を煽り、日本の国力衰退を加速させた安倍だ。いかに虚飾に満ちた国葬の茶番なのか。
「都合の悪い公文書は偽造や廃棄で延命し、国会で嘘八百を言い続けたのが安倍元首相です。民主主義を踏みにじってきた彼を英雄のように持ち上げる儀式をテレビが垂れ流す。安保法制も特定秘密保護法の成立を強行したことも、美談として語られていたことにはゾッとします。憲法違反を犯した元首相を『真のリーダー』と祭り上げる。統一教会とのズブズブ関係についても“なかったこと”のようにされていましたが、数々の疑惑と悪行に国葬でフタをするわけにはいきません。主要国の現職トップが軒並み来なかったのは当然で、こんな暗黒のセレモニーに少なくとも16億6000万円もの国費が投入された。あの内容で英エリザベス女王の国葬費用より多いのは理解できません。しかも、民間警備費などで実際はもっと総額が膨らむ可能性が高い。本当に、何の意味があったのか。もはやため息しか出ません」(政治評論家・本澤二郎氏)
生前も、亡くなってなお分断を煽る政治家の葬送
友人代表として弔辞を読んだ菅のスピーチが絶賛されているが、2度目の総裁選への出馬をためらう安倍を銀座の焼き鳥屋で3時間説得して首を縦に振らせたことが「菅義偉、生涯最大の達成としていつまでも誇らしく思う」って、あまりに情けなくないか。参列していた海外要人ものけぞったことだろう。仮にも首相経験者だ。もっと他に実績はないのか。こんなスピーチを恥ずかしげもなくしてしまう時点で、やはり安倍を賛美する内輪向けの自民党イベントなのである。
実際、岸田周辺や国葬賛成派が開催の意義として強調していた「弔問外交」も不発だった。
G7加盟国からは現職トップの参加はなく、岸田は国葬前後3日間で約40カ国との“会談”をこなして実績を強調していたが、通訳を介して10分程度の会談では実がない。ただのマラソン記念撮影だった。そもそも、あれを国葬と言い張るならば、葬儀を外交に利用する魂胆がさもしい。弔問外交はあくまで結果であって、「弔問外交やるぞ!」と大々的にアピールするものではないだろうが、それすら画餅に終わった。
国葬会場の日本武道館周辺では一般献花に長い列ができ、首相官邸や国会などが半旗掲揚で弔意を表明した一方、各地で“反旗”があがっていたのも象徴的だった。武道館や国会周辺だけでなく、全国で国葬反対のデモが行われた。
国民分断の中で行われた国葬は、さしたる演出もないのに、約2万人もの警察官を動員する警備態勢で、巨額の税金が使われたわけだ。異論を敵視し、選挙演説で「こんな人たちに負けるわけにいかない」と口走った安倍にふさわしい葬送なのかもしれないが、無理やり国葬に格上げして世論の反発を招くセレモニーに何の意味があったのか。慣例通りの内閣・自民党葬にしておけば、もっと静かに見送れて安倍も遺族も国民も平穏だったのではないか。虚無感だけが残る。
不気味な自衛隊の存在感
「自民党岸田政権にとっては、国葬でなければならなかったのでしょう。安倍元首相は『戦後レジームからの脱却』、つまり戦後の日本国憲法体制を転覆することを一生懸命にやってきた。そういう人を正当化し、神格化するための儀式ということです。遺骨が出発する際には安倍首相の自宅前で自衛隊が儀仗で見送り、わざわざ防衛省の敷地内を経由してから日本武道館に到着した。セレモニーの会場内でも、自衛隊が国葬の中心的役割を担っていました。国葬を決めた閣議決定で自衛隊も動かせるということです。これは、戦争につながる扉になりかねないのです」(立正大名誉教授の金子勝氏=憲法)
安倍の国葬に参加した自衛隊員は約1390人。55年前の吉田茂の国葬時は約1000人だったから、それより多い。防衛省の正面玄関には制服組がズラリと並んで、安倍の遺骨を乗せた車に敬礼した。内閣総理大臣は自衛隊の最高指揮官だから当然ではあるのだろうが、なぜ、わざわざ防衛省を経由する必要があったのか。
武道館での国葬における黙祷の際も、海軍の軍曲だった「国の鎮め」が自衛隊によって奏楽されていた。過去にも例があるとはいえ、解釈改憲で憲法を骨抜きにし、安保法制の成立に注力した安倍の国葬では、特別な意図を感じてしまうことは否めない。
「自衛隊の儀仗や堵列など、軍国色がかなり表に出ていた。この国葬は、民主的政治から軍国独裁政治への分岐点になりかねない、恐ろしい光景だと思いました。戦後、安倍元首相ほど民主主義に挑戦した強権的な首相はいなかった。こういう人が国葬にふさわしく、これ以上の政治家は出てこないと自民党議員は本気で思っているのでしょうか。だとしたら、そんな日本政治には絶望しかありません。政府が国葬を決めたから従うとか、反対してもムダなどと言っていたら、戦争も同じように始められてしまう。政府の一存で強行されても、反対し続けることが大切なのです」(金子勝氏=前出)
自民党の二階元幹事長は「国葬が終わったら、反対していた人たちも必ずよかったと思うはず」とか言っていたが、こんな微妙な国葬もどきを見せられて「よかった」と思うほど国民はお人よしではない。
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