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「日本はとんでもない間違いをした」岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三…3代続く関係性から見える旧統一教会が目指した“国家宗教”【報道特集】
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/162559?display=1
2022年9月24日(土) 22:20 報道特集 TBSテレビ
「日本はとんでもない間違いをした」岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三…3代続く関係性から見える旧統一教会が目指した“国家宗教”【報道特集】
安倍元総理の国葬が3日後に迫るなか、旧統一教会はどう政界に入り込み、何を目指したのか。岸家・安倍家3代との関係性に焦点を当て、検証します。
■旧統一教会と自民党の関係 起点となったのは…岸信介氏
81年前の開戦を宣言する詔書。ここに旧統一教会と自民党の深い関係の起点とされる人物の名がある。
当時商工大臣で、敗戦後はA級戦犯として収監されていた岸信介。安倍元総理の祖父である。
岸は復権を果たすと、1957年に内閣総理大臣に就任。一方、その翌年、教団は日本で布教を始める。6年後、宗教法人として認証されると、岸の自宅の隣に本部教会を移し、1968年には、反共産主義を掲げる政治組織「国際勝共連合」を設立。その活動を後押しした岸と共鳴していった。
岸信介氏(1980年取材)
「世界で君、30年憲法を一字も変えないのは日本だけですよ。それほど変えてならんほどいい憲法かというと、そうでもない」
勝共連合が発行する思想新聞。一貫して主張するのは、自主憲法制定とスパイ防止法成立だ。自主憲法制定を訴える大会の記事には、必ず岸の存在がある。デモ行進に参加し、「憲法改正!」「マスコミの偏向を許すな!」と叫んでいたと書かれている。
岸は、たびたび教団を訪れ、信者に国際情勢などを話したとされ、教団の初代会長は、こう称えている。
「岸先生に懇意にしていただいたことが、勝共運動を飛躍させる大きなきっかけになったことは間違いありません」
岸が死去した際の思想新聞(1987年8月16日付)には、「勝共運動に理解を示し、陰に陽に支援、助言を行ってきた」とし、岸が文鮮明を「最も尊敬する一人」と呼んだと伝えた。
■引き継がれる関係性 安倍晋太郎を変えた“思わぬ落選”
岸を引き継いだのは、娘婿・安倍晋太郎氏。安倍晋三元総理の父である。11回の当選を重ねたが、1963年、思わぬ落選を経験している。安倍家と50年にわたり親交がある元共同通信の野上忠興さんは、その時の様子をこう語る。
元共同通信・自民党キャップ 野上忠興さん
「自宅に戻ったときに、家族全員集めてね。土下座して、土下座ですよ。今回はこんなことになったと申し訳ないと、泣きながらね、頭を下げた。後に私にも言ってましたけども、あれでね、俺は人が変わったと」
その後は別人のように、なりふり構わぬ戦いぶりが目立つようになったという。
1987年、晋太郎氏は、竹下登、宮澤喜一と3人で総裁選を争うが、所謂「中曽根裁定」で竹下政権が誕生することになる。
安倍晋太郎氏
「さっぱりしましたよ。やるべきことはやった、ベストを尽くした」
しかし、こんな本音を野上さんに漏らしていた。
元共同通信 野上さん
「1回落選したために総理大臣が持ってかれたという、被害者意識もあるわけですよ。僕にも晋太郎さんが言ったことありますよ。あの1回落ちたのが結果的にこういうことになったのかな、とかね」
そのとき、政治は数が力であることを思い知らされたという。
「やっぱり数だと、猛烈に動き出すわけですよね。入院中、胆汁を吸い取る管をつけながら全国を回って20何人も新人を当選させたりしてね、数を増やすわけですけどね。いまから思えば、そうか、教会との関係はあったんだなとも思いますよね。力がね」
そんな晋太郎氏について語る、文鮮明の言葉が残っている。
「中曽根の背後を引き継ぐために、その直系になれるのは、安倍さんしかいませんでした。選挙の時、安倍さんの派閥の議席数は13しかなかったんです。それを88名まで、全部教育して育ててあげました」
■統一教が日本の国家宗教になるまで「何十年も遅れる」
元信者
「総理大臣を文鮮明が決めていると言われてました。ちょうど中曽根総理大臣から、次の総理はだれになるかということで、安倍さんのお父さんが次の総理大臣になるというふうに言われたというところが、竹下さんになってしまったので、日本はとんでもない間違いをしたと。これで日本の復帰は何十年も遅れると」
日本の復帰。つまり、統一教が日本の国家宗教になるのが、晋太郎氏が総理に就けなかったことで何十年も遅れるといわれたのだという。
晋太郎氏は自民党幹事長として、勝共推進議員の集いに参加を続け、88年にはこう挨拶したという。
「勝共連合の皆さんには、わが党同志をはじめ大変お世話になっている」
「スパイ防止法制定のために積極的に取り組みたい」
晋太郎氏が死去した際の思想新聞(1991年5月26日付)には、勝共連合に「陰に陽に支援、助言を行ってきた」と、岸と同じように報じた。
■安倍晋三氏にも引き継がれる関係性「新憲法制定を」
後を継いだ晋三氏は、官房長官時代の2006年、関連団体の全国大会に祝電を送っていた。
司会
「岸信介元総理大臣のお孫様でいらっしゃり、現内閣官房長官、衆議院議員の安倍晋三様…」
参加した元信者は…
元信者
「すごく驚きましたね。安倍官房長官と呼ばれた時に、その会場が一瞬どよめいていて、それで確か記憶に残っていたと思いますね。おじいさんの頃から関係があったので、教団と。安倍さん自身も教団と関係あるんだろうなと思っていました」
その年、一気に内閣総理大臣に上り詰めた晋三氏。思想新聞の見出しには…
「安倍政権で新憲法制定を」(2006年10月1日付)
■「安倍元総理を“食口”にする」講義に含まれていた内容とは
その頃の戦略が書かれた関連団体の資料をみると、信者を意味する“食口”(シック)の議員を100人立てることが目標に掲げられている。
長年、関連団体で講師を務めてきたという男性は、講義の内容に安倍元総理を“食口”(シック)にすることが含まれていたと明かす。
旧統一教会関連団体 元講師
ーーご自身がそのようにして講義されたんですね?
「そうやって神の国が来るんだから頑張ろうっていうのは、私の洗脳していたやり方なんですよ」
第二次安倍内閣発足後、教団との関係はより深まっていった。そして…
安倍晋三氏(2021年9月 YouTubeより)
「朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁をはじめ、皆様に敬意を表します。家庭の価値を強調する点を高く評価します」
■「3代の因縁である」生前寄せられていた母からの懸念
安倍元総理の銃撃を山上容疑者に決意させたとされるビデオメッセージ。
「天宙平和連合」の日本支部会長、梶栗正義氏は、信者に向けた配信映像の中で、複数の関連団体の会長を歴任した父親・玄太郎氏が、安倍家と関係が深かったことを述べている。
天宙平和連合日本支部 梶栗正義会長
「アルバムを準備してお写真をお見せして、そのうちのひとつに、アボニム(文鮮明)と岸(信介)先生。それだけじゃなくて、(父の)梶栗玄太郎と岸先生の写真があると。安倍晋太郎先生と、梶栗玄太郎の写真があるんです。それをその次に入れて、私とこの方(晋三氏)とのツーショットの写真がある。それも一緒にして、見て下さい。3代のお付き合いだと、3代の因縁であると」
そして、安倍元総理が殺害された直後の思想新聞は、その死を「埋められない喪失感」と伝え、霊前に「勝共の使命貫徹の決意を捧げる」とした。
野上氏は、安倍元総理の母、洋子さんのこんな懸念を周辺から聞いている。
元共同通信 野上さん
「母親の洋子さんがね、(7月の)参議院選挙の前に一言言ってるんですよ。『あんまり深く教会と関わらないほうがいいわよ』と言ってるんですよ。晋三さんに、安倍さんに」
「だからそれを聞いた時にね、もう相当深い。つまり母親は知っているわけですからね。岸さんも、晋太郎さんもね。母親が言うから相当ね、密な関係があったということですね」
(「報道特集」9月24日放送より)
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