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銃撃事件後に増した宗教2世の「どこかおかしい」という感覚 5日間で計1002件の電話相談が 安倍元首相銃撃で見えた 統一教会の実態
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/311365
2022/09/15 日刊ゲンダイ
かなり焦っている?(C)日刊ゲンダイ
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の被害に関する政府の合同電話窓口の運用が今月5日から始まり、9日までの5日間で計1002件の相談があった。
内容は金銭トラブルの相談が多く、生活困窮に関するものや、親族に信者がいることへの相談などが寄せられた。相談者は現役信者、元信者、信者の家族など。運用開始当初は電話がつながりにくい状況だったため、態勢を強化して対応したという。電話相談は内容に応じて8つの省庁で分担し、専門の相談先を紹介している。
法務省人権擁護局の担当者がこう説明する。
「高価な物品を買わされたという相談なら消費者庁が対応し、詐欺や監禁被害なら警察庁です。児童虐待、生活困窮は厚労省で、信者の子どもという理由でいじめに遭っていたら、文科省になります。差別やネットの誹謗中傷などの人権相談や弁護士費用の立て替え、弁護士の紹介などの相談は法務省が受けています。総務省はどこに相談していいか分からないとか、全体を補完する位置付けです。先週はひっきりなしに電話がかかってきていましたので、それだけお困りになっている人が多いのだと思います」
これまで70人以上の旧統一教会の信者を脱会させてきた日本基督教団京葉中部教会の山本光一牧師がこう指摘する。
「相談件数はかなり多いですね。相談を受けている経験から言うと、相談者の多くが宗教2世だと思います。生活困窮者などはまさにそうです。宗教1世の家庭は経済的に悲惨な状態になっていますから。生活が苦しいという相談が増えているのは、銃撃事件以降の傾向です。その点では統一教会はかなり焦っているでしょう。追いつめられていると思います」
洗脳された1世とは明らかに違う感覚
宗教2世には、1世と違ったある特徴が見られるという。
「統一教会では、堕落した人間が再び神の側に戻ることを『蕩減復帰』と呼び、これを徹底的に教え込みます。いくつかある蕩減復帰のうち一番有名なのが『万物復帰』で、サタンに支配されているお金や財産をお父様・文鮮明に返します。そのため、信者は一生懸命献金を捧げ、霊感商法に金を使う。そうすればみんなが幸福になると、心から願っている。ところが宗教2世は『ちょっとおかしいぞ』『両親が信者で世間に迷惑をかけているのではないか』という感覚を持っているのです。中には『もし教祖の韓鶴子が本当にメシアだったらどうしよう』と、まだ気持ちの整理がつかない宗教2世もいますが、完全に洗脳された宗教1世とは明らかに違う感覚です。ただ両親を含め、周囲も同じような環境なので本人が疑問を抱いても、周りはそう思っていないので指摘できない。だから第三者に『おかしい』と言ってほしいのです。それが相談につながっています」(山本牧師)
次代を担う宗教2世に逃げられたら、旧統一教会にとって大打撃になること間違いない。
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