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またも安倍派の元大臣に疑惑! 所轄だった文化庁で旧統一教会の「聴取とりやめ」融通か
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/310271
2022/08/24 日刊ゲンダイ
旧統一教会の「聴取取り止め」、当時の所轄大臣は安倍派の塩谷立文科相(C)日刊ゲンダイ
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党、とりわけ清和会(安倍派)との関係はズブズブを通り越している。警視庁が教団施設にガサ入れし、その反社会性が浮き彫りになる中、宗務行政を担う文化庁は元信者による教団や国を相手取った民事訴訟を理由に、長年続けてきた教団への聴取をとりやめ、警戒を緩めていたことも判明。当時の所轄大臣は安倍派の塩谷立文科相だった。
◇ ◇ ◇
問題の訴訟は2009年4月、鳥取地裁米子支部に提起された。元信者の70代女性が献金の返還を求め、旧統一教会などを提訴。教団の活動を放置したとして国にも賠償を求めた初めてのケースだった。反社会的教団と国が被告席で並ぶ異様な裁判となった。
国側が裁判所に提出した宗務課長名の報告書や準備書面によると、文化庁は1998年1月から09年4月にかけて旧統一教会に対し、少なくとも9回の聴取を実施。97年に名称変更の事前相談を受け、断って以降の動きだ。
報告書などで文化庁は「統一教会及びその信者による伝道活動、霊感商法、献金献身の強要等」が指摘されているとし、「問題意識は、そのような指摘が出始めて以来、常に持っていた」と説明。「憲法上及び宗教法人法上許容される範囲内で統一教会に対する何らかの対応が必要である」とも踏み込んでいた。
「無用の誤解を避けるため」
教団への警戒は当然だ。提訴直前の09年2月には教団の関連企業「新世」が摘発。11月の判決で霊感商法が組織的犯罪だと認定された。それなのに文化庁は「訴訟が提起されて以降は、無用の誤解を避けるため」とし、聴取をパッタリ行わなくなったのだ。全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の代表世話人の山口広弁護士が言う。
「当時の文化庁担当者も、教団幹部と接触を持つことは誤解を招きかねないと言っていましたが、宗務行政と国賠訴訟は別物。誤解の生じようがない環境で聴取を続ければいい。私どもはそう申し入れをしたんです。むしろ、教団に対する監視を強めるべき時期でしたから」
当時は麻生政権で政権交代前夜だった。自民が下野すれば教団は従来の庇護を期待できないと懸念していただろう。文科行政トップは安倍派の塩谷氏だっただけに、駆け込みで教団を聴取からリリースしたのではないかと勘繰りたくなる。
被告人席で旧統一教会と国が横並び
「集団指導体制」の安倍派で、下村博文元文科相もともに会長代理(C)日刊ゲンダイ
原告側代理人を務めた全国弁連の勝俣彰仁弁護士によると、裁判所は原告が高齢であることを考慮し、被害回復を含めた教団との和解を勧告。国にも「従前の宗務行政の適法性や妥当性に対する疑問の余地がないわけではない」としながらも、「今後適切な宗務行政がなされることを期待する」と和解への参加を求めた。
14年7月にまとめられた和解調書には「国は宗教法人法の趣旨にのっとり、裁判所からの和解の提案を受けて、今後とも、適切にその業務を行っていくことを確認する」と記載された。
「裁判所は和解勧告にあたり、国側が判決にこだわれば不作為を認定し、違法と判断する可能性を示唆しました。和解調書の作成で国側が譲らなかったのが〈今後とも〉の文言追加です。これまでも十分に業務を遂行してきたというニュアンスを残したかったのでしょう。しかし、この8年間、適切な対応が取られたとは言えない。国、および文化庁は原告との約束を守っていません」(勝俣彰仁弁護士)
和解から1年後の15年8月、旧統一教会は悲願の名称変更を認証された。和解も改称も、第2次安倍政権下、下村文科相の時代だ。
塩谷氏も下村氏も今や主なき安倍派の会長代理で派閥幹部。一体どれほど融通してきたのだろうか。安倍派の疑惑は底なしだ。
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