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※紙面抜粋
※2022年8月17日 日刊ゲンダイ2面
【大コケ改造、余震続く】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) August 17, 2022
自民党の中は想像以上にシッチャカメッチャカ
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/QQPqTUSeWq
※文字起こし
のんびりと読書を楽しんでいる場合ではないだろう。15日、東京・八重洲にある書店を裕子夫人と共に訪れた岸田首相のことだ。
岸田は同日午後から今週いっぱい夏休みを取る予定で、書店では、欧州を代表する政治家ビスマルク、タレーラン、ドゴールに関する指導者論「歴史に残る外交三賢人」や、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領に関する「大恐慌と大戦に挑んだ指導者」など約10冊を購入したという。
「時代を画する危機」と自ら評した通り、ウクライナ危機に伴う物価高や新型コロナウイルスへの対応など政治課題は山積している。
岸田は読書で英気を養う考え──などと報じられているが、政治課題以上の「危機的事態」として注視されているのが大コケとなった改造人事の先行きだろう。異例中の異例ともいうべき、仰天発言が閣僚などから相次いでいるからだ。
10日の内閣改造・党役員人事で自民党政調会長から経済安保相に就任した高市。14日夜、自身のツイッターで、岸田から入閣を求められた経緯や、その際に小林鷹之前大臣の留任を強く要請したことなどを投稿。さらに、「入閣の変更が無かったことに戸惑い、今も辛い気持ちで一杯です」などと書き込んでいたから唖然呆然だ。
安倍元首相という後ろ盾を失って右往左往
改造前にも当時の萩生田経産相が「人が代わって大丈夫なのか」などと人事に言及。「一部報道で『骨格は維持する』と出ていて、俺は骨格じゃなかったのかという、こんな思いもございますので」と驚愕発言が飛び出していたが、高市発言の異様、異常さは萩生田とは比べものにならない。
内閣・党役員人事は総理、総裁である岸田の専権事項だ。その後の政権運営のカギを握る微妙な部分も含んでいるだけに、人選の理由や背景などについては明かされないケースがほとんどだ。
高市は人事権を持たない特命担当相というポストが気に入らなかったのだろうが、とはいえ、大臣という要職には変わらない。任命され、引き受けた以上、総理を支えるべき重責を担った閣僚になったわけで、その立場にある大臣が入閣早々、SNSで人事をめぐる舞台裏を明かし、さらに自身の処遇についても「辛い」などと不満を漏らすのは前代未聞だろう。
高市は15日の会見で、「役を頂いた限りは全力で働く」などと釈明していた一方、今でも「辛い思いはまだある」なんてこぼしていたから、よっぽど今回の人事が気に入らなかったに違いない。
大臣職を嫌々引き受けたところで、良い仕事ができるはずもない。国民から見れば、そんな身勝手な政治家は大臣どころか、国会議員も即刻辞めてほしいのが本音だが、萩生田や高市の発言から透けて見えるのは、今の自民党の中が想像以上にシッチャカメッチャカしていることだ。
政治アナリストの伊藤惇夫氏がこう言う。
「萩生田、高市両氏とも、安倍元首相という後ろ盾を失い、自分たちが閑職に追いやられるのではないかと不安を感じているのでしょう。とはいえ、総裁の人事権行使にまで踏み込んで文句を言うのはあり得ない話です。それほど嫌なら引き受けなければいいだけ。安倍不在という状況が(党内に)さまざまな混乱を引き起こしているようにも見えます」
いよいよ「自民党の終わりの始まり」になる
もっとも高市が改造内閣に不安を覚えるのも無理はない。読売新聞社が10〜11日に実施した緊急全国世論調査によると、岸田改造内閣の支持率は、改造直前の前回調査(今月5〜7日実施)から6ポイント下落の51%で過去最低に。同期間に日本経済新聞社とテレビ東京が行った緊急世論調査でも、内閣支持率は7月の前回調査から1ポイント下落して57%となり、「支持しない」は3ポイント上昇の35%となったからだ。
支持率が下がった要因は何といっても、安倍元首相の銃撃事件を機に明らかになった、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党国会議員らの“黒い関係”だろう。岸田は改造前、「自ら点検し、厳正に見直してもらうことが新閣僚や党役員(起用)の前提」と表明。改造人事では関係が指摘された7人の閣僚を外したものの、新たに任命した閣僚、副大臣、政務官の中にも旧統一教会と関係ある議員がワンサカ見つかる事態となり、かえって両者の関係の根深さが浮き彫りになる皮肉な展開となった。
世論調査では回答者の8割近くが、政府や与党・自民党と旧統一教会との関係についての真相解明を求めているのだから、本来は個人任せにするのではなく、総理総裁である岸田が前面に立って徹底調査を指示するべきだ。それが政治家の指導力であり、国民の信頼にもつながるのだ。
ところが、政権が15日に閣議決定した答弁書では、閣僚ら政務三役と旧統一教会との関係について、「調査を行う必要はない」などと門前払いだから、指導力を発揮するどころか、そもそもヤル気なし。こんな調子では今後も支持率上昇は見込めないだろう。
旧日本軍と同じで間違いを認めない岸田政権
一部では、経産相ポストを外れることに未練タラタラだった萩生田の後釜に、同じ安倍派の西村康稔を起用したことに対し、「岸田総理はライバル同士を競わせて安倍派の勢力を分断させる狙い」「派閥の権力闘争を上手に利用している」といった見方のほか、昨秋の自民党総裁選で戦った河野をデジタル相、高市を経済安保担当相として再入閣させたことについて、「うるさ型の動きを封じ込めた巧妙な人事」などと評する報道もあるが、お公家集団に政局観なし。
改造後も旧統一教会の“汚染”状態が何ら変わっていない状況を見る限り、この人事は隙だらけで、とてもじゃないが、「上手」や「巧妙」などと評価できる人選ではない。だからこそ、改造直後の閣僚から不満の声が飛び出し、内閣支持率が上がらないのではないか。
「日本軍指導者たちには根本的な欠陥があるように思える。それは『道徳的勇気の欠如』である。彼らは自分たちが間違いを犯したこと、計画が失敗し、練り直しが必要であることを認める勇気がないのだ」
15日に放送されたNHKスペシャル「ビルマ 絶望の戦場」。太平洋戦争で壊滅的な状況に追い込まれた旧日本軍について、当時の英軍幹部はこう分析していたと紹介されていたが、この言葉は今の岸田政権の姿勢にも当てはまる。「間違いを犯し」「練り直しが必要」にもかかわらず、それをかたくなに認めないからだ。
福田赳夫元首相の秘書で、自民党本部情報局国際部主事を務めた中原義正氏がこう言う。
「高市大臣の発言の真意は、岸田政権という泥舟に乗るのは嫌だという表れ。このままだと、いずれ政権は立ち行かなくなる、と考えているに違いない。つまり、今の岸田政権の足腰はそれほどもろく、自民党内がガタついている証左でもあるだろう」
今回の改造は、自民党の終わりの始まりになるかもしれない。
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