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※紙面抜粋
※2022年7月30日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
耳を疑うような発言だ。
安倍元首相の横死をきっかけに露見した自民党議員と統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との“癒着”について、自民党の福田総務会長が29日の会見で「何が問題か分からない」と言ってのけた。恐るべき神経だ。
福田は「ボク自身がまったく関係がないので、なんでこんなに騒いでいるのか、正直な話よく分からない」とスットボけ、「我が党が組織的にある団体から強い影響を受けて、それで政治を動かしているのであれば問題かもしれませんけど、ボクの理解の範疇だとそういうことは一切ないので正直に言います。何が問題か、ボクよく分からないんです」と話した。長年、旧統一教会の問題を追及してきたジャーナリストの鈴木エイト氏が言う。
「本当に何が問題か分からないのだとしたら、政治家としての資質が問われます。霊感商法や異常な高額献金などで知られる統一教会は、宗教の仮面をかぶった反社会的カルト集団であり、今も多くの被害者を生んでいる。そういう団体と政治家が親密に付き合えば、結果としてお墨付きを与えることになり、有名政治家が“広告塔”になることによって被害者が増える。福田氏の発言には、そういう被害者を救おうという政治の視線もまったく感じられず、まるで他人事です。実際に統一教会と関係を持ってきた自民党議員の存在が映像などで次々と明らかにされているのに、深刻な問題に向き合わず、見て見ぬふりをしているようにしか見えません」
鈴木氏の独自調査によれば、旧統一教会と関連がある国会議員は100人以上が確認されていて、その約9割が自民党議員だ。福田も所属する清和会(安倍派)の議員が突出して多いが、中には岸田内閣の現職閣僚もいる。
関係を隠すのではなく「開き直り」
警察行政を所管する二之湯国家公安委員長は26日の会見で、旧統一教会系のイベントで実行委員長を務めたことを認めた。「名前を貸してほしいということだったので貸した」と釈明したが、イベント当日に参加して挨拶していたから、体も使っている。ただの「名前貸し」ではない。
宗教法人を所管する末松文科相も、旧統一教会の関連団体にパーティー券を購入してもらっていたことを認めた。教会関連のイベントにも複数回、祝電を送っていた。これを「常識の範囲内」とか説明していたが、自民党内では、旧統一教会とのこういう付き合い方が「常識」ということか?
安倍の実弟の岸防衛相は26日の会見で、自身と旧統一教会の関係について「付き合いもあり、選挙の際もお手伝いをいただいている」と悪びれずに明かした。さらに驚くのは、29日の会見で、旧統一教会が霊感商法や献金強要被害などで社会的に問題がある団体だということについて、「そういうことが言われている団体だということは認識をしておりました」と話したことだ。
問題がある団体と知りながら付き合い、選挙の際は手伝ってもらっている。それの何が問題なのかと言わんばかりで、前述の福田の発言とも重なる。
旧統一教会との関係が報じられた議員の多くが、「関連団体とは知らなかった」「お答えは差し控える」という定型の文で鮮明に統一して逃げるだけかと思っていたら、ここへきて堂々と関係を明かし、開き直るようになってきたわけだ。何かフェーズが変わった感もある。そこに戦慄してしまう。
「親分」を殺されて怒りの声が上がらない不思議
現政権の警察、防衛、文科のトップが旧統一教会と癒着している上、細田衆院議長も旧統一教会のイベントに参加して賛辞を述べ、旧統一教会系の議員連盟の会長まで務めていたことが発覚。政権与党への浸透はとどまるところを知らず、それを隠そうともしなくなっている。
北海道テレビ放送(HTB)が28日に報じた伊達忠一前参院議長の証言も強烈だった。
伊達は旧統一教会系のイベントに少なくとも3回参加したことを認め、それは「選挙でお世話になったお礼」と話した。
2016年の参院選に全国比例で出馬した自民党の宮島喜文氏を応援した際、安倍に頼んで旧統一教会の組織票を回してもらい、当選にこぎつけた。今回の参院選では、安倍から「井上(義行)をアレ(支援)するから」と支援を拒否され、宮島は出馬を辞退したのだという。生々しい話だ。自民党の清和会で参院議長まで務めた伊達の証言だから信憑性がある。
実際に、かつて安倍の秘書官を務めていた井上義行は、旧統一教会の「賛同会員」として、今回の参院選で当選を果たした。旧統一教会票を取りまとめる安倍の差配で国会議員の進退、当落が決まっていたのだ。
安倍を銃撃した山上徹也容疑者が「最も影響力のある統一教会シンパ」と考えて安倍を狙ったのは「思い込み」ではなく事実だったわけだ。
もちろん、それで山上の蛮行が免責されるわけではない。減刑署名などもってのほかで、人殺しの罪はしっかり償ってもらわなければならないが、不思議なのは、自民党内から旧統一教会に対する怒りの声がまったく聞こえてこないことだ。
自民党こそ愛国心教育が必要
山上がしたことは許されざる暴挙だが、背景には、旧統一教会に家庭を壊された恨みがあった。旧統一教会が抱える問題が犯行を誘発し、安倍が衆人環視の下で銃殺された。
自民党が国葬で遇するほどの大物政治家なのである。安倍派にしてみれば親分を殺されたのだ。岸にいたっては肉親だ。それなのに、旧統一教会を非難する声は自民党内から聞こえてこない。怒りに震えて「関係を切る」と言い出す議員もいないのはなぜなのか。
「政権中枢までカルトに汚染され、マインドコントロールされているのではないかと疑ってしまうレベルです。日本人の財産を巻き上げ、韓国に貢ぐことを教義としているカルト集団と癒着している政党のどこが“保守”なのか。自民党の政治家こそ愛国心教育が必要でしょう。ところが、幹事長は『組織的な関係はない』と言い、総務会長も『何が問題か分からない』と言ってフタをしようとしている。あまりに多くの所属議員が関わっているため、党としての調査ができないのかもしれませんが、これほど自浄能力がない自民党に政権を任せていたら、内部から他国に侵略されてしまう懸念すらある。警察や防衛まで侵されていたら国家の危機です」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
自民党に自浄能力がないのなら、メディアが厳しく追及するしかないのだが、残念ながらそれも期待薄だ。
一部のニュースショーは連日この問題を取り上げてはいるが、“公共放送”のNHKはまったく報じようとしない。旧統一教会の問題など何も存在しないかのような世界観の報道を続けている。大新聞も腰が引けていて、決して真正面から斬り込もうとはしないのだ。
「現場の記者が問題意識を持っていても、メディア各社の上層部がことなかれ主義に陥って徹底追及を避けたがる傾向はある。統一教会と自民党の癒着を報じるメディアに対し、政権側からの圧力もあると聞きます。『何が問題か分からない』と言い放った福田総務会長も、同じ会見で『個々の議員との接点を問題視することに何の意味があるのか』『どんな意図でやっているのか』とメディアを恫喝するような発言もしていました。これは“政治と宗教”の問題というより、政治家とカルトの癒着問題なのに、信教の自由などに論点をズラして報道を牽制した。自民党が開き直っているのは、他にバレたらもっとマズいことがあるので、無理やり幕引きをはかっているのかもしれません」(鈴木エイト氏=前出)
政治とカルトの闇は深い。説明責任から逃げる政治にも、追及しないメディアにも、国民の不信の目が注がれている。
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