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TPPは安倍元首相の外交的功績か、大迷走の残骸か 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/308889
2022/07/28 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
ゴルフで遊んで親密さを売りにしていたのに…(安倍元首相とトランプ前米大統領)/(C)JMPA
安倍晋三元首相の業績をめぐる言説が飛び交っているが、中にはどうかと思うようなものもある。
旧知の農林系議員は、24日付の毎日新聞「時代の風」欄でビル・エモット元英エコノミスト編集長が「2017年にトランプ米大統領が離脱した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を蘇生させたのが安倍氏の最大の外交的勝利」と絶賛しているのが気に入らないと怒っている。
「だってそうでしょう。これくらい安倍の無定見・無責任に国民と農民が翻弄された問題はないのに、それが最大の外交的業績だなんて」と。
確かに、12年12月の総選挙で自民党は「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」というポスターを張り巡らせて圧勝、第2次安倍政権を発足させた。が、同政権は早くも13年3月には公約を投げ捨ててTPP参加を表明し、国会で追及されると安倍は「私はTPP断固反対と言ったことは一度もない」とまで開き直った。
転向の理由は簡単で、オバマ政権のTPP推進に「中国包囲網」の狙いが含まれていることが分かったので、何をおいてもそれに馳せ参じたのである。ところが米国はトランプが大統領になると、まさに中国包囲網という考えを嫌ってTPPから一方的に離脱してしまう。
安倍はトランプとゴルフで遊んだり親密さを売りにしていたのに、肝心なところでは役立たずで、説得に失敗。仕方なく、米国抜きの残り11カ国で新TPPをスタートさせることになるのだが、世界最大の通商国である米国を抜きにしたのでは「環太平洋」にならず、自由貿易協定としての意味はほとんど失せてしまう。他方で中国包囲網という政治的なメッセージも、米国抜きで叫んでも何の迫力も持たない。
そのありさまを見て中国の習近平主席は20年11月に「TPP参加を前向きに検討する」と表明したが、これはもちろん、日本が到底受けられないことを見越した、からかい交じりの揺さぶりに他ならなかった。
こうしてTPPは、内政的には安倍の数々の嘘のうち“最初の大嘘”を象徴するものだし、対外面では日本の戦略的思考の大混乱・大迷走の残骸でしかない。ビル・エモットほどの人が、なぜこんな安倍の褒め方をしているのか謎である。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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