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※紙面抜粋
※2022年7月28日 日刊ゲンダイ
【反省どころか「知らなかった」と噓の上塗り】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) July 28, 2022
こりゃ地獄に落ちるぞ 自民党“の見苦しさ、浅ましさ
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/krHBT9FFmo
※文字起こし
まさに“総汚染”である。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党議員との癒着が次々に明らかになりはじめている。現職大臣だけでも3人が旧統一教会と関わっていたことが発覚している。
二之湯国家公安委員長は、2018年に旧統一教会の関連団体が開催したイベントの実行委員長を務めたことを会見で明かした。
末松文科相は、教団関係者にパー券を買ってもらっていた。さらに、岸防衛相も「選挙のお手伝いをいただいている」と会見で認めている。
旧統一教会との関係が発覚した自民党議員の大半は、「統一教会とは知らなかった」などと釈明しているが、さすがに誰も信じないのではないか。
過去50年間、自民党と旧統一教会が二人三脚でやってきたことは公然の秘密だ。カルト宗教に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏によると、現職だけでも98人の自民党議員が、旧統一教会系団体のイベントに参加したり、関係団体から献金を受けているという。いまさら、「知らなかった」は通じないだろう。仮に、どんな団体か知らずにイベントに参加したり、献金を受け取っていたとしたら、それはそれで政治家として問題があるのではないか。
旧統一教会と自民党は、どんな関係なのか。自民党議員の“選挙の裏部隊”となってきたのが旧統一教会だ。
その一端が明らかになったのが、7.10参院選の比例区で当選した井上義行議員のケースだ。前回2019年にも立候補した井上は約8万8000票で落選したが、今回は16万5000票を獲得して当選している。全国に7万票あるとされる旧統一教会票が丸ごと上乗せされた形だ。選挙期間中、井上は旧統一教会の集会に出席し、教会幹部から「井上先生は信徒となりました」と紹介されている。
政治部記者として長年、永田町を取材してきた政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「統一教会の信者はさほど多くないので“票田”としては期待できません。でも、自民党議員にとってありがたいのは、ビラ配りやポスター張りなど人手と手間がかかる作業を一手に引き受けてくれることです。とにかくよく働く。しかも、カネもかからない。選挙を手伝った信者は、そのまま私設秘書となるケースも多い。これまで相当数の信者が自民党議員の秘書になっているはずです」
自民党の茂木幹事長は、「党として組織的な関係はない」などと、旧統一教会との関係を否定しているが、なにを言っているのか。
50年続く旧統一教会との関係
自民党の中でも旧統一教会の“巣窟”になっているのが、最大派閥の安倍派だ。旧統一教会に恨みを持ち、安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者は、安倍のことを「統一教会に最も影響力あるシンパ」と評していたが、まさにその通りである。
なにしろ安倍派の幹部の多くに、旧統一教会の毒が回っている。
前の派閥会長だった細田博之衆院議長は、19年に関連団体が主催する会合に出席し、「韓鶴子総裁の提唱によって実現したこの国際指導者会議の場は大変意義が深い」と教祖夫人を持ち上げている。安倍の秘蔵っ子だった稲田朋美元防衛相も09、10年と関連団体のイベントで講演。もちろん、安倍の首相秘書官だった井上義行も安倍派だ。
下村元文科相は教会関連の媒体のインタビューに複数回登場し、講演にも登壇。関連団体から献金も受け取っていた。旧統一教会にとって20年来の悲願だった「世界平和統一家庭連合」への名称変更は、下村が文科相時代の15年に認められている。当時、旧統一教会のために文科行政が歪められた疑惑がくすぶっている。
そもそも、旧統一教会が日本の政界に侵食するキッカケも、安倍の祖父である岸信介元首相がつくっている。1960年代にまで遡る話だ。岸信介は旧統一教会の政治団体「国際勝共連合」の設立を支援。脱税で米国で実刑を食らっていた旧統一教会の教祖・文鮮明の釈放を求め、当時のレーガン大統領に嘆願書を送るほどの関係だった。
旧統一教会との結び付きは、娘婿の安倍晋太郎元外相、さらに安倍晋三にまで引き継がれたというわけだ。安倍の実弟・岸防衛相が旧統一教会との関係について「選挙の手伝いをいただいている」と認めたのは、3代にわたる深い関係を否定しきれなかったということだろう。
「安倍元首相は官房長官時代の06年、教会の友好団体に祝電を送った際は、〈誤解を招きかねず担当者にはよく注意した〉とコメントし、距離を置いていました。ところが、昨年9月には同じ団体に平気でビデオメッセージを送っている。安倍一強が長く続いたことで、気にも留めなくなったか、もしくは完全に開き直ったのかもしれない。いずれにせよ、統一教会の窓口は安倍さんでした」(政界関係者)
理念や政策も一体化
信じがたいのは、選挙だけではなく、とうとう自民党は、理念・政策まで旧統一教会と一体化してしまっていることだ。最近の自民党の訴えは、「選択的夫婦別姓」や「同性婚」への反対姿勢、さらに戦前の家父長制に回帰するような理念など、旧統一教会の主張とほぼ一致している。
来春設置される「こども家庭庁」という名称も、旧統一教会の働きかけで決まったと囁かれている。もともと名称は「こども庁」で決まりかけていたのに、旧統一教会に近い自民党議員の反対により覆されてしまった。
この名称変更について勝共連合は、ホームページで<心有る議員・有識者の尽力によって、子ども政策を一元化するために新しく作る組織の名称が『こども庁』から『こども家庭庁』になりました>と成果を誇っているのだ。恐らく、旧統一教会が自民党議員を動かしたのだろう。
選挙を手伝い、信者が秘書として入り込んだことで、旧統一教会は自民党の奥深くまで浸透している可能性がある。
ジャーナリストの有田芳生氏は、旧統一教会の政界工作についてこう語っている。
「統一教会の女性信者のチームがロビー活動で国会を回るんです。そして、統一教会の教えを自民党の国会議員さんたちに広報して(中略)日常的に回っているんです」
こうなると、多くの自民党議員が、気づかないうちに旧統一教会にマインドコントロールされている可能性も捨てきれない。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「安倍政権の10年間で自民党が右傾化した原因が、統一教会にあるとしたら納得がいきます。世界中が、夫婦別姓の容認、性的少数派の尊重に動いているのに、自民党だけが逆行しているのも、統一教会との関係が影響しているのかも知れません」
岸田首相だって、旧統一教会がどんな団体なのか、分かっているはずだ。なのに、その旧統一教会と手を握ってきた安倍の葬儀を「国葬」にしようとしているのだから、どうかしているのではないか。本当に国葬がふさわしいと思っているのか。
「ただでさえ国葬は、国家が国民に弔意を強制する民主主義と相いれない儀式です。もし、国民に喪に服すことを求めないなら、そもそも国葬にする必要がない。いまからでも国葬について考え直すべきです」(本澤二郎氏=前出)
大手メディアも野党も、旧統一教会と政界との闇について徹底的に解明すべきだ。
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