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菅前首相「副総理」入閣はあるのか? 岸田首相が内閣改造人事で“挙党一致”演出の狙い
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308818
2022/07/27 日刊ゲンダイ
菅前首相の「復権」となるか?(C)日刊ゲンダイ
菅前首相の“復権”が自民党内で注目を集めている。9月に予定されている内閣改造・党役員人事で、岸田首相が菅前首相を副総理として処遇するという臆測が流れているのだ。
安倍元首相の突然の逝去で党内バランスが大きく変わり、安倍派の後継者も当面は決まりそうにない。浮足立つ党内をまとめて挙党一致を演出するため、菅前首相を要職で起用するというのだ。
「何も決められない岸田総理に対し、ワクチン事業などを推し進めた菅前総理の実績が今になって国民に評価されている。参院選の応援演説でも大人気でした。安倍元首相が亡くなる直前に病院に駆けつけたこともあり、『安倍元首相の後継者は菅さんだ』という期待感が党内の一部で高まっているのは事実です。“反岸田”勢力が菅さんをみこしに結集することを警戒した岸田総理が、要職起用で取り込もうとしているのでしょう」(自民党中堅議員)
非主流派の勉強会凍結のタイミングで…
菅前首相は、岸田首相とは距離を置く非主流派の二階派や森山派とともに勉強会を発足させる準備を進めてきた。党内では、事実上の「派閥化」に向けた動きと受け止められている。菅前首相を慕う無派閥議員と二階派、森山派が集まれば80〜90人のグループになる。ポスト岸田をうかがう河野太郎氏や、知名度の高い小泉進次郎氏、石破茂氏らも参加予定とされる。
安倍元首相も生前、菅前首相に対して「派閥をつくるべきだ」と熱心に勧めていたという。安倍派と菅派が組めば党内の多数派を掌握できるという狙いがあったのだろう。実際、安倍派にも菅シンパが少なくない。
勉強会の発足は参院選後とみられていたが、安倍元首相の死去を受けて凍結。そのタイミングで副総理待遇の話が浮上したのだ。
「官邸側がメディアにリークして観測気球を上げているのでしょう。しかし、実際には簡単な話ではありません。菅前首相は、安倍元首相が亡くなって存在感を増す麻生副総裁とソリが合わない。同じ首相経験者の麻生副総裁は続投の方針ですから、菅副総理となると、どちらが格上かという問題も出てくる。それに、菅氏にとっても自身が入閣するメリットはあまりない。岸田政権が失速した時に非主流派結集に動くには、現政権と距離を取っていた方が得策でしょう」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
菅前首相は25日、二階元幹事長、森山総務会長代行らと会食。今後の党内情勢や内閣改造人事などについて話し合ったとみられる。入閣を打診された菅前首相が断るようなことがあれば、政局に備えて爪を研ぐという意思表明と考えていいだろう。
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