http://www.asyura2.com/22/senkyo287/msg/401.html
Tweet |
教団に家族を破壊されてきた41歳は、ロストゼネレーションの極北だ 井筒和幸の「怒怒哀楽」劇場
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/308670
2022/07/23 日刊ゲンダイ
選挙で惨敗しようが、野党の党首ならガツンと言ってやれというのだ。あの元首相が国葬にふさわしいかどうか「答えを出すのは早すぎた」と党首が政府に咬んだら、自民党幹事長とやらが「国葬は内閣で決めてやることだから法律上も全く問題ない」とマヌケ顔で返していた。誰も法律のことなんか問うてないだろうが。バカみたい。おまけに「国葬にするのは極めてふさわしい。国民から国葬をすることにいかがなものかという指摘があるとは認識していない」と居直っていた。それはないぞ。いかがなものかと思う国民は全国中にいる。認識してない方がおかしい。勝手な政治屋たちだ。
葬式は死人を弔うことだ。弔うのは家族や友人や知人、それぞれの気持ちだ。真珠湾奇襲を指令し、どこかで撃墜された山本五十六長官の戦時中でもあるまいし、講和条約と安保条約に署名した吉田茂でもあるまいし、今の時代、怪しい宗教団体とつながってた一政治家を国家の仕切りで弔うことは違うと思う国民も多いはずだ。それなら法律がどうだろうが内閣だけで決めず、どこの馬の骨とも知れない新人の参議院議員も含めた国会議員全員に聞いてからだろ。あの幹事長「野党はズレている」と言っていたが、どっちがズレてんだか。凡例どおり、自民党葬でやればいいのだ。
それより、教団に家族を破壊されてきた41歳の犯人の過去を思うと哀れでならない。母親が入信して家がめちゃくちゃになっても、自活のために自衛隊に入り、挙げ句に自殺未遂までして保険金を家族に残そうとしたなんて聞くとなおさら、哀れだ。彼はロストゼネレーションの極北だ。母親が破産した02年から20年間、就職氷河期をやり過ごし、母親に苦しみもがいてきたのだ。好きこのんで道を外れた無頼者でもなく、寄る辺ない者になるしかなかったのだ。不安や不満をぶつける相手もいなく、誰も助けてくれない。孤立感の最たるものだ。彼こそ、既に何年も前から死に始めていたんだろう。
もう半世紀前……あの狙撃現場の奥の今のターミナルほど広くないバス停から、遅刻した朝は奈良交通バスに飛び乗り、高校に通ったものだ。現在の駅ビルやショッピングモールはなく、小さな店が並ぶ通りだった。3年生の秋の文化祭のために8ミリ映画を作ったのを思い出す。大学受験体制と極めて権威主義的な校風に耐えているオナニー好きな男子生徒が「正義の味方」と名乗る仮面の男に狙われ、無人の廊下で撲殺されるという内容で、映研の顧問教師が上映許可しなかった。「おう上等だ、だったらゲリラ上映だ」と物理教室を勝手に使って生徒らに見せたのが、我が第1作「奇談・オレたちに明日はない」(70年)、製作費2万円の作品だ。学歴社会のベルトコンベヤーに乗せられてる自分に気づけ! 大学に飼われて社会の部品になるな! そんなアジテーション映画だった。
井筒和幸 映画監督
1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK287掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK287掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。