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安倍元首相急逝で“忖度”消えた? 五輪組織委元理事の収賄疑惑報道にビクつく政治家たち
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/308587
2022/07/21 日刊ゲンダイ
森喜朗元首相(左)とAOKIホールディングスの青木拡憲・前会長(C)日刊ゲンダイ
五輪利権の闇にメスが入るのか。
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の高橋治之元理事(78)が代表を務める会社が、大会スポンサーだった紳士服大手「AOKIホールディングス」から多額の資金を受領していた問題。2017年9月に月額100万円のコンサルタント契約を結び、大会閉幕までに計約4500万円を受け取ったという。AOKIは18年10月に組織委とオフィシャルサポーター契約を結んだ。
東京地検特捜部はAOKI側からの資金提供の趣旨などを慎重に捜査しているという。組織委の理事は「みなし公務員」で、職務に関して賄賂を受け取れば刑法の収賄罪にあたる可能性がある。20日の読売新聞が1面トップで報じ、報道各社が追随した。
AOKI創業者の青木拡憲前会長(83)は特捜部の任意での事情聴取に応じ、資金提供を認めているという。
「特捜部は春ごろからAOKI側の関係者を任意で聴取するなど捜査を進めていた。しかし、五輪に関わる疑惑は絶対的なタブーで特捜部も手をつけないだろうとみられていました。五輪招致に熱心だった森元首相や安倍元首相を巻き込む可能性があるため、忖度が働いていたのです。安倍氏が急に亡くなったことで状況が変わったのかもしれない。高橋氏は『コンサル契約は五輪と無関係で、不正はない』と否定していますが、AOKIからの資金の流れはあくまで入り口で、特捜部の本丸は裏金疑惑という見立てもあります」(司法担当記者)
政界にも飛び火の可能性
東京五輪・パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事(C)ロイター
東京五輪はJOC(日本オリンピック委員会)と東京五輪招致委員会が巨額の裏金を使って招致した疑惑が浮上。19年1月にフランス当局が捜査を開始した。
高橋氏は大手広告会社「電通」の元専務で、国内外のスポーツ分野に幅広い人脈がある。14年6月から組織委理事を務めていた。
組織委は、今年6月21日に大会の最終的な大会経費は1兆4238億円と公表し、6月30日付で解散。企業とのスポンサー契約締結や競技会場の施工業者の入札結果などを発表していた公式サイトも閉鎖されてしまった。
「メインスタジアムのデザイン変更やエンブレム問題に始まり、開催1年延期や森元会長の失言による辞任など、トラブル続きの東京五輪でしたが、組織委の解散で一件落着となり、疑惑も闇に葬られるはずだった。高橋氏が特捜部の捜査対象になれば政界への飛び火は必至で、戦々恐々の政治家は少なくないでしょう」(自民党関係者)
安倍元首相の急逝でパンドラの箱が開くのか。
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